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ピアニスト / 作曲家 カレーと古着とサウナが好き。 ラグタイム発、ジャズ経由の後に…

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ピアニスト / 作曲家 カレーと古着とサウナが好き。 ラグタイム発、ジャズ経由の後にポップス、ジャズ、ラテン、電子音楽の環状線を往ったり来たり。 yuukitakamiとのユニット「aqubi」で活動。最近はTAMTAMに参加。 https://ryosugimoto.com/

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    毎月聴いて印象に残った音楽を紹介します。

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今更2021best

あけましておめでとうございます。 もう2月になっておりますが、そしてこのブログもたいそう間が空いてしまいましたが久々に思い立って更新します。 今更ですが、2021年のベストアルバムを選びました。年末に多くの人がせっせと年間ベスト記事をアップしていく姿、毎年尊敬の眼差しで見ており、自分もやりたい気持ちでずっといたのですが、いかんせんモチベーションと体力と時間不足によりダラダラと新譜をライブラリに追加しては耳に流し込む日々。何が大変かというとちゃんと一枚ずつにレビューを書くのが大

    • 2021.01

      Badun "Badun" ピアニストの坪口さんがTwitterで紹介していて知ったグループ。人力エレクトロニカジャムバンドといった趣き。「ジャム」っぽいところがなんか新鮮だなと思った。普通エレクトロニカ要素を取り入れるとしたらもう少し構成や展開を整理すると思うのだが、彼らは敢えて整えないジャムっぽさを取り入れている感じがする。そのクレバーさをひたすら垂れ流す感じがなかなか嫌いじゃなかった。 Baki Duyarlar "Jazz Ark" トルコ出身のピアニスト、バキ

      • 2020.12

        Carlos Aguirre & Yotam Silberstein "En el jardín" 再生した瞬間に周りの景色がセピア色のフィルターを通したように多幸感に包まれる。演奏技術が物凄く高いのにそれを感じさせずただただ優しい。 Chris Potter "There is a Tide" サックスのクリス・ポッターの一人多重録音作品。ラージアンサンブルほどの音数や曲想の壮大さはなく、ほどよいサイズ感でつるっと聴けるところが好感触。あとこの手の多重録音作品で本業で

        • 11月に聴いたもの

          今月はちょっと余裕なく、一覧とプレイリストのみで失礼します。 並び順は聴いた順なので特に意味はありません。 Gideon van Gelder "Lighthouse" cat or die "Life in the Woods" Ben Wendel "High Heart" Yotam Ben-Or "Sitting on a Cloud" Jon Neher & Michael Scott Dawson "On Remembering" Fadi Tabba

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          10月に聴いたもの

          Beltway Bandits "El Nuevo Buenos Aires"詳しい情報が出てこないがビッグコンボ的ジャズバンドプラスボーカル。聴き心地が良いのにほどよく引っ掛かりがある。アルゼンチンのジャズものでなかなか録音が良いものに出会ったことがなかったけど、これは良い気がする。歌ものというと通常ピアノトリオで十分な感じもあるが、室内楽的な管のアンサンブルが多く盛り込まれている。 訂正:アルゼンチン人ギタリストとイタリア人作曲家/アレンジャーが結成したオランダのグル

          10月に聴いたもの

          9月に聴いたもの

          9月はいつも通り色々聴いてたのだが、振り返ってみるとそこまで印象に残った作品がなくてリストアップしていたらたった3枚になってしまった。少なくとも1年は続けると決めているので一応記録として残しておく。 Candy Pianist - Lee Jin Ah韓国のバリバリソロもとれるピアノ弾き語りSSWの新作。声の可愛さとピアノプレイのギャップという点ではコトリンゴ的な魅力もあるかもしれないが、こちらはよりキュートでポップな作風。ソロになった時にバンドなのに低音部をゴリゴリ鳴らし

          9月に聴いたもの

          aiko Fake/Scat

          aikoのフェイクやスキャットが堪能できる曲を選んでみた。どうしても初期の曲が中心になってしまうのだが、実際フェイクやスキャットを大々的にスタジオ録音時点で吹き込んでるのは初期に多い気がする。基本的には間奏やアウトロでソロ的にスキャットをしたり、ラスサビでメロディラインをフェイクすることが多いが、ライブでは2コーラス目のAメロからガンガンフェイクを入れていくこともありこちらも醍醐味。 オレンジな満月メジャー1stの1曲目。今でも再生するとわくわくするイントロ。そしていきなり

          aiko Fake/Scat

          Macの「ミュージック」(旧iTunes)アプリの整理

          私はiPod Classicの頃からずっと音楽ライブラリはiTunesで、なるべく整理して使ってきていたが現在85,000曲ほどある楽曲に対して一度完璧に整理しようと1年前くらいに思い立った。その為に行った作業とトラブル、それについてのAppleのサポートとのやり取りを記録として残しておく。 データの格納場所を内蔵HDDから外付けHDDに移行まず基本的なこととして、今までは内蔵HDDで管理していたCDから取り込んだ楽曲データがかなり容量を圧迫してきたので、すべて外付けHDD

          Macの「ミュージック」(旧iTunes)アプリの整理

          8月に聴いたもの

          G. S. Sultan "Redundancy Suite” モジュラーにしてはちょっと複雑すぎるかなと思ったらMax/MSPで制作されているよう。音の質感や情報量的にはエレクトロニカだと思うのだが、ムードや聴き心地はアンビエントという感じで不思議な聴感がある。キッチュなのにうるさくない。こういうの野外で聴きたい。 Clara Peya "Estat de Larva" 雑に言うとポストクラシカルに分類されると思うが、暗すぎない感じが良い。ポストクラシカル作品の多

          8月に聴いたもの

          7月に聴いたもの

          Chico Pinheiro "City of Dreams" ブラジル出身のジャズギタリスト、シコ・ピニェイロの最新作。1曲目からまごうことなきジャズ。個人的な嗜好としてジャズはソロよりもテーマの好みを重視するタイプなのだが、シコに関してはソロが抜群に素晴らしい。ライブで見たらきっと目が離せなくなると思う。バックメンバーもティアゴ・コスタやエドゥ・ヒベイロなどブラジルのジャズ系ミュージシャン、さらに加えてクリス・ポッターも参加している。シコはデビュー作をタワレコでたまた

          7月に聴いたもの

          6月に聴いたもの

          Lionmilk "A Real Rain Will Come" アメリカの日本人ジャズピアニスト。といってもトラックメイカー色の方が強い。キーボードプレイはほどよい塩梅で出過ぎずドリーミーなコードに彩られたループトラックが続く。悪すぎない感じなのもいい。 Sonmi451 "Nachtmuziek - EP" エレクトロニカ寄りのアンビエント。途中でいきなり日本語の独り言みたいなサンプリングが挿入されたからびっくりしたけど日本人アーティストではなくベルギー人だった。鳥

          6月に聴いたもの

          5月に聴いたもの

          Blake Mills "Mutable Set" 5月初旬、まだちょっと肌寒くて小雨の夜に家で外気浴をした時に聴いてその時の気分にバッチリはまったのを憶えている。「洋楽が苦手」という雑な括りのコンプレックスがあるのだが、これはまさに「オルタナティヴ」というかそのコンプレックスの隙間にするりと入り込んで浸透していく気持ち良さを感じた。基本的にはギタリストのようだけどサウンドデザイナー的な側面が強いと思う。こういうどんな時にもじわっと浸透してくれる音楽をいくつか知っている

          5月に聴いたもの

          4月に聴いたもの

          今回は枚数が少なくかつJ-POPばかりになってしまった。 大石晴子 『ランプ/巡り』 前作のEPがとても好きだったのですが、そこで聞かれた空気感をより内向きにまとめた感じの2曲。リラックスして開放的なムードでフェスなどでゆったり揺れながら聴くのに最高だと思うのだけど、それでいて声の切実さがちょっとアンバランスに存在しているところが絶妙なバランスだと思う。聞き流していると時折ハッとするし、逆に聴き入っていても疲れない。アレンジと録音の妙も大きい。 堀込高樹 『あの人が歌う

          4月に聴いたもの

          3月に聴いたもの

          宗藤竜太 『くるみ』 「もののあわい」という名前でサウンドクラウドに小さな宝石のような音源をぽつぽつと上げていた頃からのファンです。あの誰かのメモ帳を覗き見していたような空気感も愛おしかったけど、こうしてちゃんと配信に乗ってくれるとやはりとても嬉しい。今でも一番好きな『いじわる』や『LADY』はもちろん、少し前の三鷹のおんがくのじかんのライブで聴いた『ティンク』という小品ながらそこから溢れ出さんばかりの魅力ある曲が並ぶ。 岡村靖幸さらにライムスター 『マクガフィン』 岡

          3月に聴いたもの

          2月に聴いたもの

          Soweto Kinch 『Nonagram』 アルトサックスかつラップもするソウェト・キンチ。ヒップホップのムードを濃厚に漂わせながらも、トラック的な垂れ流しにならずに各プレイヤーのソロもがっつり堪能できるハイブリッドなアルバムという印象。ヒップホップ系のジャズが流行って久しいが、「マイナーコード平行移動の連結」みたいな安易な曲も生まれたりしている中でバラエティに富んだコンポーズを感じた。 Shuta Yasukochi 『In Full Bloom - EP』 個人

          2月に聴いたもの

          1月に聴いたもの

          『Aca Seca Trio & La Orquesta Sin Fin』 Aca Seca Trio アカセカからのクリスマスプレゼントでした。「終わりなきオーケストラ」と名曲しかないレパートリーを演奏。ブラジルにもウィズオーケストラものは多いが、オーケストレーションとして聴き比べてもやはりブラジルとアルゼンチンではかなりサウンドが異なる印象。ブラジルはやはりオーケストラが入ると自然とジャズと結びついたテイストが含まれてくる気がするが、アルゼンチンの場合はあくまでチェン

          1月に聴いたもの