見出し画像

男女全日本チャンピオンを生んだ「卓球・邱建新コーチ」から学ぶ「指導者」のあり方

2021年1月17日まで行われた「全日本卓球選手権大会」。男子は及川瑞基選手、女子は石川佳純選手の優勝で幕を閉じました。前評判が高かった男子の張本智和選手、女子の伊藤美誠選手は、それぞれ及川選手・石川選手に敗れています。そんな及川選手・石川選手のベンチに座っていたのが、世界的な指導者である「邱 建新(きゅうけんしん)」さんです。

中国出身の邱建新さんは、卓球選手として活躍したのち、ドイツや日本で卓球コーチとして活躍しています。一時期は、水谷隼選手のプライベートコーチを務めていました。

卓球専門誌を読んでいると、邱建新さんは日本の指導者と随分違う印象です。またその指導スタイルは、幅広い仕事で参考になる要素があるのかなと思っています。今回は「日本でありそうなスタイルの指導」というのを少し考えてみました。

「責任逃れ」してしまう

卓球のセットとセットの間では、1分間のインターバルを取ることができます。この間に選手とコーチは、作戦を話し合ったりするわけです。この際よくあるのが、指導者が「責任逃れ」しようとしてしまうことです。

例えば「相手は右を狙ってくるかもしれない、左を狙ってくるかもしれない、どちらも気をつけろ」みたいな、どっちつかずのアドバイスをしてしまうんです。相手が右を狙ってきても左を狙ってきても、選手が上手く対応できないと「ほら、言っただろ」とコーチは言い訳できてしまうわけです。

この場合「相手選手は右を狙ってくることが多いから、右に気をつけろ」、というアドバイスをした方が、選手に迷いがなくなりますね。それでは「右に気をつけろ」と言って、相手が左を狙ってきたら?そこは指導者の責任でしょう。責任を取るのに十分なだけ、事前・試合中にしっかり相手選手や自分の選手を分析する必要があるんです。

「精神論」「結果論」に走ってしまう

「最後は気持ちだ」というのは卓球界に限らず、よく聞かれる言葉です。私もこの言葉自体を否定する気はないのですが、「最初から最後まで精神論」というのはちょっと困りものです。

野球でも「立ち上がりが大事」「先頭バッターが大事」「初球が大事」なんて言葉がよく使われますが、それでは立ち上がりに、先頭バッターに、初級にどのような球を投げるべきなのか、明確に解説してくれる評論家の方は少ないように思われます。打たれた時に「ほら大事と言っただろ」と結果論で言われても、選手は困ってしまいます

「このシーンでは、これこれこうする」と明確な方針を決め、結果には責任を取る、それが選手にとってやりやすい指導なのかなと思います。

と、言っている自分も耳が痛いですが

今回は「日本でありそうなスタイルの指導」というものを、卓球の邱建新コーチからちょっと考えてみました。

卓球から、仕事へ生かせる知識という点では、水谷隼選手の本もかなりオススメです。卓球をあまり知らない方も、一度見てみるとおもしろ一冊かなと思いますので、ぜひ。


この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

最近の学び

継続的な活動のため、ぜひサポートお願いします!