魔弾で撃て、あの日の君の微笑み _ 詩
呪詛を呟いて魔女たちが生み出したのなら
僕はあの日の君の微笑みを消せやしないだろう
蛸の吸盤や自転車のチェーンのオイルのように
ぎりぎりのラインならまだしも
染まる紅葉が雷雪を恐れ高速道路を閉ざしたから
現実世界でも夜の世界でも逃げ道はもうない
五芒星や六法全書のように
数字に意味があるならまだしも
要するに、他に手はないのだ
もうできることは何もないのだ
まだ溢れ溢れるひたむきで未完成な後悔はあるし
無駄に乱れ途切れる不快で不完全な関係もあるが
迷うことなく真っ直ぐ放て、忘れるんだ何もかも
中心めがけて魔弾で撃て、始めるんだもう一度
了