第8話 小田原北条氏討伐での働き
天正16年(1588)、西国の大大名・毛利輝元が上洛しました。秀吉謁見後、輝元ら一行は諸大名の屋敷をまわり、御礼を行っています。7月25日、家康の屋敷へ訪ねた際、家康は聚楽第へ出仕しており、留守でした。この時、対応にあたったのが忠勝です(「毛利輝元上洛日記」)。
忠勝は大久保忠隣とともに輝元らから太刀代千疋を贈られており、この二人が屋敷の留守居を任されていたと考えられます。つまり、忠勝は本来家康が果たすべき御礼への対応を代理として務めたのです。
またこの年、忠勝は甲斐などへの