ツァッキ/宮﨑悠暢

ツァッキ/宮﨑悠暢

最近の記事

精神薬の話

 夏だ。夏と言えば恋。恋と言えば狂い。ということで、今年も狂気の季節がやってきましたね。僕のXのフォロワーも気づけばいつの間にか1,000人を越えており、恐らく皆さんこのアカウントになんらかの有益な情報を期待されていることと思います。僕も定期的にフォローバックを返しているのですが、出るわ出るわ、発達障害、躁鬱病、統合失調症、ありとあらゆるメンタルヘルスに問題を抱えている人間のオンパレード。やはり類は友を呼ぶということなのでしょう。僕はXの知り合い以外、つまりオフラインでの同期

    • エチュード 作品番号x

       夏の朝に早く起きて、アイスコーヒーなどを啜りながらタバコを吸っていると、ありとあらゆる向精神薬や睡眠薬はまったく比べ物にならないぐらいの恍惚が押し寄せてくる。俺は普段は昼まで寝てるんだけど、一週間に2~3回ぐらいは朝にパキッと目が覚める。そういう場合、特に何もせずネットサーフィンをするときもあれば、本を読むときもあるし、勉強を始める場合もある。いずれにせよ、恍惚と陶酔は人が生きていくうえで必要である。朝の5時、外がまだ青い光に包まれているときなどに、手塚富雄のヘルダーリンの

      • 未発表小説『壊走哀歌』(本文:49003字)

        まえがき 以下に掲載するのは私が2020年夏に新人賞用に執筆した中編小説である『壊走悲歌』の自身による校訂の最終バージョンである。思えば、「書いてすぐ出し」がモットー(最近は同人活動をするようになって「あっためる」期間の大切さを身に沁みているわけだが)の自分が4年間もこの作品を有料公開以外の場所では公開していなかったのは不思議な気持ちである。というのも、この小説は長らく私の「恥部」なのだった。自分の未練や我執を煮詰めたようなこの作品を公にするのは、道路の真ん中でマスターベーシ

        • 『SHINOGRAPHIA』刊行記念対談その③ヒナーシャ氏――現実を巡るサイケデリアの旅

           対談のその1、その2は以下をご覧ください(その1に当企画の説明あり)。 ・その参 ヒナーシャ氏 (関東某所在住。システムエンジニアとして働きながら、通信制大学で人文学を学んでいる。樋口円香への愛は誰にも負けず、noteやTwitterで樋口円香とのツーショットをしばしば上げている。素朴な語り口から浮かび上がってくるヒナーシャ氏の危うく繊細な一面が、彼の作品へのまなざしを一層深めてくれるだろう。) (インタビュアー紹介:ツァッキ 東京都在住。『SHINOGRAPHIA』

          「『SHINOGRAPHIA』序に代えて」無料公開

           以下に6/23(日)、東京流通センターにて開催のShiny Star Festival 07(SSF07)にて60部頒布予定(本日を以てオンライン予約20枠はフル・リザーブとなりました。代表から御礼申し上げます)のシャニマス文芸同人誌『SHINOGRAPHIA』より、代表・ツァッキによる序文(1362文字)を無料で全文公開します。もちろん、パッケージ版の迫力をお手に取って確かめていただきたく(黒地に白抜きの文字が映える非常に美しいレイアウトです)、短い文章ではありますがこの

          「『SHINOGRAPHIA』序に代えて」無料公開

          『SHINOGRAPHIA』刊行記念対談その②塵浜一氏――記憶と疼き

           その壱は以下のnoteをご覧ください(当企画の説明あり)。 ・その弐 塵浜一氏 (紹介:関東某所在住。以下の対談でも触れるが、ミームへの鋭敏な嗅覚と豊かな感受性での独特なシャニマス解釈、またスペースでの破天荒さと理知的な面が同居した喋りにはファンがいるとかいないとか。「スマブラ切り」、「市川雛菜に監禁されるニャンちゅう」など、ネタツイにも定評がある。今回の対談ではTwitterでは見ることのできない塵浜氏の繊細な一面に肉薄することを試みた。) (インタビュアー紹介:ツ

          『SHINOGRAPHIA』刊行記念対談その②塵浜一氏――記憶と疼き

          voices -LIVE FUN!!- アルストロメリア特集

          FUN INTERVIEW(取材・文:蜷川) それでは、まず最初に自己紹介をお願いします。 ツァッキ:ツァッキと申します。ストレイライト、そして黛冬優子担当をしていますが、シャニマスの中ではアルストロメリアが曲で一番好きというところがありますのでこちらの部門に参加させていただきました。しっかりとアルストロメリア担当というわけではない観点からお話ができればと思います。よろしくお願いします。 pon:ponと申します。シャニマスのサービス開始当初からアルスト推し、特に甜花担

          voices -LIVE FUN!!- アルストロメリア特集

          黛冬優子と映画の奇妙な関係――時空を救済する虚構に魅せられて

           こんにちは。ツァッキです。『SHINOGRAPHIA』の作業が終わる気配がない(インタビュー記事の文字起こし、ゲラ戻し、などなど……)上に大学院の課題、加えて有志でやっている勉強会などが積み重なっていますが、隙間を縫ってシャニと学マスを触っています。今回パラコレ冬優子を引くためにTrue掘削を7時間やりました。この7時間で何文字インタビュー原稿を進められたのだろうか。いや、それでも担当のSSRを引くための天井はプライスレスだから……(なお2凸は理論上でも潜在的な石の数でも不

          黛冬優子と映画の奇妙な関係――時空を救済する虚構に魅せられて

          病気あれこれ

           初めて精神科に行ってからかれこれ8年ぐらいになる。8年と言うのは簡単だが、結構バカにならない年月だ。赤ちゃんが生まれてから小学2年生になるまでの年月と同じと考えると割とぞっとする思いがする。しかし、最近は親の目や適切な処方で、丸々2年ぐらいはまったく調子を落としていない。気分が落ち込むこともなければ、異常なアッパーにもならず、幻覚も見ず、パニックも起こしていない。たまに一睡もできなかったりするが、それぐらい普通の人でもあるだろう。振り返ってみて、この自分の8年はなんだったの

          『SHINOGRAPHIA』刊行記念対談その①岡山ディヴィジョン氏――その必然性においてアイドルをまなざすということ

          ・はじめに――当企画説明  来る6/23(日)、東京流通センターにていよいよシャニマスオンリー同人イベントSSF07が開催されます。本記事文責であるところの私ツァッキが、それなりに準備をしていたり温めたりしていた企画である「シャニマスについての文芸同人誌」をぶち上げたところ、熱い気持ちを持った有志に恵まれ、いよいよ14人の書き手を引っ提げて『SHINOGRAPHIA』というひとつの奇跡が結実しようとしています。普段からnoteで文章を書いている方も、そうでない方も、ブログサー

          『SHINOGRAPHIA』刊行記念対談その①岡山ディヴィジョン氏――その必然性においてアイドルをまなざすということ

          四月のある晴れた朝に黛冬優子さんと新宿でデートすることについて

           恐らくシャニマスオタクの皆様がこの記事をご覧に入れるのは6th横浜day1終演後でしょうから、あまりことを急いでも仕方ありませんが、皆様におかれましては、シャニマス、楽しんでますか?気の利いた書き出しが思いつかないあまり新興宗教の玄関訪問みたいになってしまいましたが、いつもお世話になっております。ツァッキと申します。いつもnoteを見ていただいている方はありがとうございます。そうでない方も見ていってください。日記や障害年金やタトゥーの個人的な記事に埋もれてしまっていますが、

          四月のある晴れた朝に黛冬優子さんと新宿でデートすることについて

          【桜花拾】郁田はるきへの鳴き声、あるいはすべてが無駄であるとして私たちに残されるものは何か?

           本来、シャニマスで誰か一人のアイドルを扱う際、私たちはゲームの要請であれ私たち自身の問題であれ、任意のカードコミュはひとつの断片としてしか受け取ることができない。それは彼女ら自身の時間の流れ方もそうだし、共有されている空間もそうだし、人格においては何をかいわんやである。ゆえに、本記事が【桜花拾】に限って――筆者が他の郁田はるきのカードを持っていないという単なる事実に制限されるというただそれだけの要因で――郁田はるきに言及することは、筆者がこれまで書いてきた浅倉透や黛冬優子へ

          【桜花拾】郁田はるきへの鳴き声、あるいはすべてが無駄であるとして私たちに残されるものは何か?

          タトゥーを入れた話

           はい、表題まんまの話です。特にタトゥーを入れることによって人生に重大な損失が起こる人生ではとっくのとうにないですから、こうやって文章にすること自体タトゥー行為の特権化のようで若干不本意なのですが、結構興味深い体験だったので、簡単にレポでも書こうかなと思います。  そもそも僕は親にダメと言われている行為をことごとくダマテンでやってはバレるというのを繰り返しており、公園で大学生の先輩にストロングゼロを飲まされ鏡月の瓶を振り回して大騒ぎした17の夜や心臓が飛び出そうになりながら

          タトゥーを入れた話

          損と無理なく障害年金を取ろう

           こんにちは。メンヘラの方々におかれましては、皆さん元気にワクワク障害者ライフをお送りでしょうか?パニック障害、大いに結構。双極性障害、大いに結構。統合失調症、すばらしい。病気において肝心なことを障害なりたての方々にアドバイスするならば、自分の病気のことを人生において動かしようのないどうしようもない困難であるなどと考えないことです。服薬はもちろんのこと、生活習慣や対人関係の改善、おかれている環境を見つめ直すなど、ブレイクスルーはいくらでもあります。当然のことながら、生活の基盤

          損と無理なく障害年金を取ろう

          2024/2/1

           バイトなので10時15分起床。朦朧としていたので朝飯を覚えていない。多分パンか何かだったと思う。二度寝して外出。  久々のフルタイムシフトだったが、平日だし今のバイト先にいれるのも残り少ないので大して忙しくないだろうと思い半年ぶりにホール仕事をやったら一階が満席になるほどの激混み。正直脳死でやっていたのであまり余計なことを考えずに済んだのはよかったかもしれない。実名でnoteと同人やってるし、どうせやめるし言ってもいいだろうということで書くが、今俺は渋谷にある名曲喫茶ライオ

          2024/1/31

           5時起床。バカかな?晩飯が少なかったから腹減って起きてしまった。ストックのあった芋のポタージュを啜る。夜明け前の暗い部屋の中ベッドヘッドのライトをつけてフォロワーさんに頂いたスピノザ『知性改善論』を読む。うーむ、Twitterでは分かったような口を利いたが、実のところ3割ぐらいしか飲み込めてない。こういう思考様式を鍛錬してこなかったのは端的に恥である。いや、これが仏文とかだったらまだしも、腐っても哲学科卒でスピノザが読めないのは恥ずかしいよ。でも面白いのは分かる。最近はイメ