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Trip|フィンランドでカフェ散歩 〈03. Konditoria Hopia〉

フィンランドに住みはじめてから、約3年半。ここではありのままの自分でいられるというきつねさんの毎日は、蚤の市巡りに、カメラ、森でお散歩…たくさんの楽しみで溢れています。このコラムでは、カフェ巡りが大好き!というきつねさんが、今現地で人気のカフェをご案内します。

近頃のヘルシンキは、秋もすっかり深まり、連日の雨で落ちた色とりどりの枯れ葉たちが、カラフルな絨毯をつくって街に彩りを添えています。

貴重な秋晴れの空がどこまでも続くある日、短いフィンランドの秋が去ってしまう前にと、ヘルシンキ中央駅のすぐ裏、トーロ湾沿いのヘスペリア公園にお散歩に行きました。一面が黄色に染まるこの公園は、秋のお散歩にうってつけの場所です。

そこから西に真っ直ぐに伸びた、ヘスペリア・エスプラナーディ公園沿いにある、地元の人々に半世紀以上も愛され続ける老舗ベーカリーカフェで、少し休憩しましょう。


Konditoria Hopea(コンディトリア・ホペア)は、1945年にカレリア地方出身のホペアさんが「カレリアの伝統的なおやつを首都へ」をコンセプトに始めたベーカリーカフェ。

オーナーが変わった今もその意志はしっかりと引き継がれ、昔と変わらず地元の人々に愛され続けています。


扉を開けると、ミントグリーンの壁と、やさしいタッチで描かれたカレワラ物語の絵が印象的で、かわいらしい球体の照明も相まって、なんだかメルヘンチックな雰囲気。

座席は10席ほどの小さなカフェですが、お客さんが入れ替わり立ち替わり訪れます。ご老人が甘いパンとコーヒーを片手に新聞を読んでいたり、お子さん連れの家族がおやつをテイクアウトしてお散歩していたり。


ガラスケースには、すべてお店の奥で焼いているというフィンランドの伝統的なおやつが並んでいます。

明るい笑顔がチャーミングな店員さんにあたたかく迎えられ、創業以来不動の一番人気だというカルヤランピーラッカと、「夢のケーキ」と名付けられたロールケーキ、そしてコーヒーを注文しました。


自家製のたまごバターがたっぷりと乗ったカルヤランピーラッカは、素朴ながらもわたしがフィンランドで出会った中で一番おいしく、今まで食べていたのはなんだったんだ、と思ってしまうほど。もうひとつおかわりしたい気持ちを、ぐっと抑えるのが大変でした。

「夢のケーキ」は、たっぷりのクリームがチョコレートスポンジに包まれたロールケーキ。ラズベリージャムの甘酸っぱい酸味との相性もよく、夢心地で味わっていると、あまりに幸せそうな顔をしていたのか、近くに座ったマダムが話しかけてくれました。このカフェはずっと昔からここにあり、こうしてお散歩ついでにひとりで立ち寄ってお茶をする時間が癒しだそう。

次から次へとオープンする新しいカフェもいいですが、こうして老舗カフェでフィンランドの昔ながらのおやつを楽しみながら、地元の人々の暮らしに長年寄り添ってきたカフェの歴史に想いを馳せるのもいいものですね。

Konditoria Hopia
住所:Pohjoinen Hesperiankatu 9, Helsinki
営業時間:月〜金 8:30 - 17:00
定休日:土、日

https://lalafinland.com/
Instagram:@lalafinland
Twitter:@lalafinland

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