Trip|フィンランドでカフェ散歩 〈01. Kahvila Aiju〉
フィンランドには、「kesäkahvila(ケサカハヴィラ)」=「夏カフェ」という、夏の間だけ期間限定で営業するカフェがあります。自然のそばにあり、太陽の光を浴びながら、手作りケーキや軽食、おいしいコーヒーをいただける場所が多いのが特徴で、夏カフェ巡りはわたしの夏の楽しみのひとつです。
そんなことを去年お友達と話していたところ、「ヘルシンキの隣のエスポーにすごくすてきな夏カフェがオープンしたわよ!きつね絶対気に入るから、是非行ってみて!」と教えてくれたのが、今回ご紹介する「Kahvila Aiju(カハヴィラ・アイユ)」。すぐに訪れてみたところ、すっかり気に入ってしまったので、今年は夫と愛犬と一緒に行ってきました。
このカフェがあるエリアはエスポーで最も古い自然保護区で、フィンランド全体でも最も歴史的な公園のひとつ。軽いトレッキングコースもあり、お散歩にもぴったりの自然豊かな場所です。
公園内では、数世紀前に建てられたユニークな建物に出会うこともできます。初めて訪れた時は、この広い公園のどこにカフェがあるのかと少し不安になってしまったのですが、手作りのかわいらしい看板が導いてくれるので安心です。
カフェの前に広がるテラス席には、色とりどりの夏の花たちが美しく咲き乱れ、まるでおとぎ話の中に迷い込んだかのような雰囲気。昔は老人ホームだった建物にある店内は、北欧ヴィンテージ家具とモダンなインテリアがセンスよく調和していて、優しい色使いがより一層居心地を良くしています。
この日はとてもいい天気だったので、わたしたちはテラス席で過ごすことにしました。仲の良さそうな老夫婦や、赤ちゃんを連れた方、犬を連れたファミリーなど、文字通り老若男女が次から次へと訪れていて、昨年から変わらないその人気の高さがうかがえます。
わたしたちは少し遅めのランチに、サーモンスープとサラダを注文しました。店員さんもイチオシだというサーモンスープは、なんとぷりぷりとしたエビもたっぷり入っていて、おすすめです。色鮮やかなサラダも、添えられた手作りフォカッチャも、とてもおいしくいただきました。
今年6月に家族になったばかりの我が家の愛犬にとって、この日が初めてのカフェだったのですが、最初はソワソワしていた彼にも居心地の良さが伝わったようで、すぐにリラックスしてくれました。
食後は風にそよぐ木々の音を聴きながら、コーヒーとアイスをいただいたり、本を読んだりとのんびりした時間を過ごして、カフェをあとにしました。
遠くから秋の足音が聞こえ、夏カフェの営業期間が終わりに近づいてくると、なんとも言えないさみしい気持ちになります。夏よ、まだ終わらないで!と願いながら、また新しいすてきな夏カフェ探しは続きます。
この時期にしか出会えない夏カフェは、わたしにとって、フィンランドの短くて美しい夏をより一層特別な存在にしてくれる存在です。
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