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Recipe|ハーブで美味しい北欧料理 〈06.ビーツと赤タマネギの香草マリネ〉

フィンランド料理に欠かせないハーブ。自然を身近に感じるライフスタイルを発信するMitsou(みつ)さんに、ハーブを使った北欧レシピを毎月教えていただきます。

②晩秋のフィンランド

日本でも寒さを感じる日が増えてきました。寒い季節を控えて、マフラーなどの冬小物を用意したり、暖かい煮込み料理が恋しくなる時期ですね。

冬の料理はさまざまありますが、私が冬の北欧らしさを感じる食材のひとつが鮮やかな赤い色が特徴のビーツです。フィンランド料理がお好きな方なら、ビーツと聞くと「ロソッリ(Rosolli)」が頭に浮かぶかもしれません。フィンランドの伝統的なクリスマス料理としてよく紹介される、角切りのビーツと根菜のサラダです。

③ビーツ

今回はそのビーツを使って、冬の食卓に華やかさを運んでくれるレシピをご紹介します。ロソッリでもビーツと一緒に使われる玉ねぎ(今回は赤色にこだわって赤玉ねぎを使用)と、タラゴンをあわせたレシピを考案しました。

タラゴンは、欧州では調味料やソース等に使われることの多い、とても人気のあるハーブです。爽やかで独特の甘さのある香りが特徴のタラゴンは、ほのかな甘みのあるビーツととてもよく合います。

冬に向けて気温も下がり、日が暮れるのも一段と早くなるこの季節。暖かいお家の中で、外国を感じる食材でお料理をしたり、それを味わったりしながら、ぬくぬくと過ごすのも良いかもしれません。

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④材料

●ビーツと赤タマネギの香草マリネ

【材料】 2人分
ビーツ 2〜3個(150g程度)
赤玉ねぎ(なければ普通の玉ねぎでも可) 1/2個
タラゴン(乾燥) 小さじ1
オリーブオイル 大さじ2
バルサミコビネガー 大さじ1と1/2
塩 少々

【作り方】
1:ビーツについている土をよく洗い、葉を切り落とす。皮は剥かずに鍋に入れ、かぶるくらいの水と少量の酢(分量外)を入れ、火にかけて茹でる。

Point : ビーツの赤い色が失われないように皮付きのまま茹でます。少量の酢を入れて茹でると、より赤い色が鮮やかに茹で上がります。茹で時間は、小さめなら30分、大きめなら60分程度で、竹串がスッと刺さるくらいまで茹でましょう。鍋に蓋をすると、ビーツの土臭さがこもるので、足し湯をしながら蓋をせずに茹でることをおすすめします。

2:⑤茹でたビーツ

茹であがったビーツの皮を剥き、薄めのくし切りにする。赤玉ねぎは薄切りに。

3:⑥マリネ液で和えた状態

ボウルにオリーブオイル、バルサミコビネガー、塩、タラゴンを入れて混ぜ、ビーツと赤玉ねぎを加えて和えたら、冷蔵庫で1〜2時間程度冷やす。

4:⑦完成写真

お皿に盛り付けて、タラゴン(分量外)を飾り付けに少量散らして完成。


生のビーツを茹でて作るマリネは、ビーツのほんのりした甘味が引き出されて、とても美味しいです。しかし、日本ではどこでも手に入る存在ではないのが残念なところ。そんな時は、輸入食材を扱うお店などで、ビーツの水煮缶詰などを探してみるのも手です。

ミネラルやビタミン、食物繊維などの栄養がたっぷりと含まれているビーツ。疲労回復や血栓を防止して、老化を防いでくれる効果もあります。北欧やロシアなどの寒い地域に過ごす人々が、暗くて長い冬をのりきるために好んで食べているのも納得のミラクル野菜。今年の冬は、食卓をパッと華やかにさせるあざやかな色のビーツを食べながら、フィンランドの冬に思いを馳せるのも素敵ですね。

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⑧タラゴン〈タラゴン〉キク科 / 多年草
料理の香味付けとしてヨーロッパでは人気の高いハーブ。フランスでは「小さいドラゴン」を意味する「エストラゴン」と呼ばれ、古代ギリシア時代から薬草として傷の消毒などに利用されてきました。かすかな苦味と清涼感のある甘く柔らかな香りが特徴で、消化促進や食欲増進などの効能があります。ニンニクやバターと合わせたタラゴンバターや、酢に浸けて作るタラゴンビネガーなど、さまざまな調味料やソースの香り付けにもよく使われます。栽培は他のハーブと比べると少々難しく、乾燥気味に水やりは控えめにするのが良く育つポイント。


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