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【“文系ソムリエ”が教えるワインの楽しみ方 No.10】 PIZZAは国民食!

クオルス・イタリア駐在員/ソムリエ   小関智子
エミリア・ロマーニャ州在住でAIS(イタリアソムリエ協会)のソムリエの資格を持つ。現地で出会ったワイナリーとクオルスを繋いでいる。猫とワインとサムライをこよなく愛する。

ここ最近わが家では、宅配ピッツァの出番が、がぜん多くなっています。実はこのコラムを書いている4月後半現在、イタリア各都市のロックダウン状態も既に1カ月半に及び、私たち市民も、1日も早い事態の収束を願いつつ、全国的スローガン“Io resto a casa!”(私は家に留まる!) を実行し続けている最中です。

飲食店の営業は休止中で外食など一切できない状態ですが、ピッツァのデリバリーはOK! ライフラインの一つとしても確保されています。これまで経験したことのない閉塞感に包まれて過ごす日々の中、いつもの美味しいピッツァが食べられることは、今どんなに私達の心を和ませてくれることか!

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家で焼ける冷凍ピッツァや手作りという手もありますが、やはりお店の窯で、職人さん“ピッツァイオーロ”が焼き上げる品には到底及びません。そのほんのり甘くて香ばしい小麦の風味、もっちりとした生地の触感、とろ~り溶けたチーズとトマトソースの絶妙な絡み具合。具材のフレッシュさ。ピッツァが届いた瞬間には思わず笑顔がこぼれます。あぁ、ありがたい!

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そしてピッツァと一緒に飲むワインを思案するのも幸せなひとときです。ピッツァにはビールという人も多くいますが、私自身は、やっぱりワイン派! 具材のバリエーションも豊富なピッツァはマリアージュの楽しみも広がります。喉ごしが良い軽やかな発泡性ワインなら、赤でも白でも、チーズたっぷりのピッツァには間違いなし。キノコなど風味も豊かなトッピングなら、アロマティックな白ワインもいい。生ハム類なら、まろやかなミディアムホディの赤。具たくさんのピッツァにはロゼワインなど、具材とそのときの気分で自由自在。何よりピッツァは職人技から生まれる逸品。ワインと一緒じゃなきゃ、もったいない! (笑)

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これはデリバリーしてくれる方から聞いたことですが、最近はピッツァ・マルゲリータの注文が多いとのこと。なぜって? それはイタリア国旗と同じ“トリコローレ”(緑・白・赤の三色)だからで、この国難に対する皆の結束の気持ちの表れだそうです。今、ピッツァはその“国民食”の名にふさわしく、イタリアの人々をまさに心身共に支えてくれていることを改めて実感し、胸がいっぱいになりました。

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