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売主さんだって、全ては覚えていない

物件調査スタート

  • 境界の確認

  • 給水、下水、ガス等の確認

  • 建物、土地の不具合、近隣トラブル等の確認

上記以外にも、不動産を取引する前に確認することは多岐にわたります

境界標の確認
雨水桝の確認
下水桝の確認
建物の基礎、ジャンカ(劣化)の確認

現地確認、役所まわり、専門家のアドバイス等により、ある程度は事実を推察できますが、売主さんのヒヤリング無しでは気づけないことがあります。
住んでいるからこそ気づく事実ですね
(雨漏り、夜間の騒音、電波障害など)

人間の記憶には、限界がある

東側の擁壁
東側のお庭

(この写真で)後にトラブルになる事実、分かりますか?

前提として、こちらのお土地は、過去に換地処分(行政による区画整理事業)が行われており、土地の検査済証(問題がない土地ですというお墨付き)を取得している優良な土地です

実は、既存のブロックの上に、
空中を跳ねだす形で、お庭が拡張されていました

オレンジは宅地造成当時の間知ブロック、グリーンは庭拡張のための新規ブロック

図にすると、こんな具合↓↓↓

左が宅地造成当時、右が現況

となると、どんな問題が出るか?

買主さんが建物を建て替えたいときに、
こちらの拡張部分に対して、誰も安全性の宣言をすることができず、

建築確認(家を新築する)申請をすることができないのです(´;ω;`)

えっ、まじ、じゃ、どうすんの?

元に戻すしか方法はありません

このような問題が、決済(最終代金の支払い)の1週間前に発覚しました\(◎o◎)/!

  • 誰が現状に戻すの?

  • 費用負担はどうするの?

  • 現況のまま引渡しだから買主負担?

  • 契約不適合だから売主負担?

そりゃぁ、売主さんも買主さんも、僕たち不動産会社も大慌て(;^_^A
責任転嫁のオンパレード・・・
になるかと思いきや

売主さん、買主さん、みんな良い人

最終的には売主さん、買主さんともに気持ちよくお取引

結論から言うと、
家を建てる状態に戻す(原状回復する)ための費用は、
それぞれの責任の程度に応じて負担するということで、無事解決できました

  • 不動産業者 → (土地の)検査済証取得しているから問題ないと思っていた

  • 売主さん → ずいぶん昔(30年前?)のことで、お庭を拡げたこと自体忘れかけていた

  • 買主さん → 売主さんから、土地の瑕疵(不具合)はありませんと告知されていたから安心していた

漏れなく物件調査しているつもりでも、念には念を入れておかないと、今回のようなことが起きます。
宅地建物取引士(プロ)として入念に物件調査を行い、
売主さんに対して質問すべき事項は整理し、
トラブルを未然に防ぐための事実(情報)を効率よく引き出せるように、常にスキルを磨いておかなければなりませんね。

毎年、綺麗に咲くサクラ

物件調査の帰り道、
毎年変わらず、綺麗に咲くサクラが、心をほっと和ませてくれました

戦争、早く終われ

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