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若くしてフリーランスになる君へ

私は24歳くらいから会社に属さず生きてきて現在41歳。会社組織が苦手で何もないままフリーランスになり四苦八苦してきたけれど、結局は自分で会社を作ってしまい、やっぱり四苦八苦している(笑)。

現在は、多くのフリーランスの方たちと仕事をしているが、私のように若くして会社を飛び出したくなる君へ、1つ知っておいてほしいことを話したいと思う。

私は、フリーランスで四苦八苦している人を自己責任論で片付けられないある種の社会問題がもうすぐ露呈してくるのではないかと少し心配している。問題が潜む部分はいろいろと感じるところがあるのだが、今日はその中の1つだけに触れたいと思う。

それは、フリーランスは「仕事を取らないと、経験を積む機会が(ほどんど)ない」ということ。

当たり前なんだけど、見落としがちで、すごく重要なことだと思う。

こんなことがあった。

20代前半で会社をやめ、フリーランスで生き生きと仕事をするAさん。Aさんにとってフリーランスは性格的にも向いている働きかただと、私も思う。Aさんはコミュニケーション力がとてもたかく、営業や交渉もうまい。私には何年かかってもできないセンスを持っていて、経験値や年齢には関係ない才能はみんなそれぞれ持っているなあと関心する。

そのAさんに、ある資料作りを依頼した。パワポ等でまとめるよくあるプレゼン資料である。高度な内容は求めていなかったが、日頃感心するコミュニケーション力と比べると、その資料は極端に低いクオリティで驚いた。

私は今後Aさんに、資料作りは依頼しない。Aさんの得意なコミュニケーションを活かす仕事があったらお願いするだろう。

この危うさがわかるだろうか?

つまりフリーランスになると「得意な仕事しか来なくなる」と考えたほうがよい。仕事を出す立場であればよりわかりやすいと思うが、対価を払って依頼するなら、それが得意な人や会社に依頼するのはごく当たり前だ。

好きなこと、得意なことだけで食べていく=フリーランスでありスペシャリストであるのだろうけれど、たとえ苦手であっても「基本的な仕事の筋力」を鍛えておかないと、フリーランスというけもの道を生き抜いていくには、あまりに無防備なのだよ。

私は人生が何度やり直しできようとも、若くしてフリーランスになり、同じけもの道を歩いてここまで来る選択をするだろうし、自分の無知さを常に意識し、自分に鞭打ってひたすら仕事筋力を鍛え続けてきた道をまた選ぶだろう。

だから若くしてフリーランスになると決意した君のことも、もちろんやればできる!と心から応援したい。でも、筋力のないままけもの道を選ぶことは、本当に本当に、覚悟がいるということも知っておいてほしい。







クリエイティブプロデューサーMutsumiのロサンゼルスでの活動を辛酸なめ子さんがnoteとハフポストで連載中です。そちらもよろしくおねがいします。 https://note.mu/nameko_la