小さな進行と大きな進行〜プロジェクトマネジメント物語
このnoteはLanderのクリエイティブプロデューサーMutsumiのnoteからの転載です。
前回から大分時間があいてしまったのだが、今まさに人生でも指三本にはいる巨大プロジェクトのPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を担当しており、てんやわんやな日々である。
今担当しているプロジェクトで、あらためて進行について感じることが多くあった。
プロジェクトマネジメントでは進行管理スキルは非常に大きな役割をになうのだが、進行管理は「小さな進行」と「大きな進行」の二つのがある、という意識はお持ちだろうか。
小さな進行とは、個人レベルの作業を基準とした、段取り・効率化を指す。大きな進行は、チームやプロジェクト全体の進行を指す。
優れた進行管理は、この両方の反復、繰り返しによって実現する。
進行ディレクター達を作業を見ていると、細かい癖は違えど、多くの場合自分の作業範囲、自分の効率化、自分の段取りまではできても、それが全体にどう影響して、全体進行をどう整えれるべきなのか、という意識と行動に繋がりにくい。
1つのプロジェクトに進行ディレクターが3人いても、そこに全体を整える、大きな進行を担える人がいないと、進行管理としてまったく機能しない。ただ個人プレーになって、自分を基準とした小さな進行を整えて終わってしまうのだ。個人プレーの進行が3人いても、全体的な進行効率はあがらず、いつも現在のステータスの確認で時間がロスになり、誰がなにをやっているのかも把握できず、指示を出される外部ベンダー側にも悪影響になる。
プロジェクトに関わる人が10人いたとしたら、進行管理というポジションに必要なスキルは、10人全員の小さな進行の効率化と、それがまとまって動いた時の大きな進行の両方を、日々反復させながら進行のチューニングすることだ。進行管理というのは、1度スケジュールやWBSを引いたらあとはそれをしながら作業すればいい、なんて思っていたら大間違いだ。
プロジェクトは生きている。予測不可な生物をなんとか手綱をつけて目的地に連れて行かなければならない。進行ディレクターは、日々手綱の素材を変えてみたり、歩かせる段取りを見直してみたりと自分の目の前の作業の改善を行いながらも(小さな進行)、目的地までの道順を探したり、日数を数えたり、あとからついてくるメンバーの足並みを確認したり(大きな進行)、を繰り返しをしながら、目的地に向かって確実に前に進んでいく必要がある。
進行管理には、小さな進行と大きな進行があり、プロジェクト期間中はその両方の改善を反復・繰り返すことが、質の高い進行管理になるということを意識してほしい。
次の回で、小さな進行と大きな進行それぞれで、どんなスキルが必要かを解説したい。
Landerは、映画やWeb、広告やエンターテインメントなどジャンルレスなコンテンツで、自分らしさという星に向かう情熱を呼び起こす、クリエイティブカンパニーです。
クリエイティブプロデューサーMutsumiのロサンゼルスでの活動を辛酸なめ子さんがnoteとハフポストで連載中です。そちらもよろしくおねがいします。 https://note.mu/nameko_la