詩日誌 2023.09.19

2023.09.19

1.

おはようございます。と、書いてみて、テキストに時制を与えると妙なズレを読む方に与えてしまうのではとの思いが過った。

私が言葉を綴ったのは朝だが、あなたがこれを読むのは夜かもしれない、と。

それでもいい。私からあなたのいる場所は見えない。これは手紙のようだが、手紙ではない。

朝。私のいるところには光があり、街には夜の気配がうすれ、なくなっている。だから私は言う、おはようございます。

2.

noteの中でしか出会えない人というのがいるのかもしれないと考え、ふと不思議な気持ちになった。

純粋なテクストの中でのみの出会いだからこそそれは新鮮で、どんな声で、何を伝えるか、が、少しづつ自分の中で変わっていくのならわくわくする。

ジョルジ•ベンの『アフリカ•ブラジル』を聴いている。

3.

静かな時間の中に独りでいると、それだけで何か贅沢をしているような気になるので、僕は今、物のように静かに、そう、もの静かにしている。

夜の静けさには心地よい重みがある。

そういえば、ペーター•ハントケの本のタイトルにDas Gewicht der Welt(世界の重み)というものがあったな。

夜に含まれている。私もあなたもこの夜の成分。あるいは一つの惑星。

4.

ラッパーの紅桜さんのドキュメンタリーを観る。何でしょう。この、腹の底から搾り出されるブルースとソウルの情感たっぷりの語りは。来年これが映画になるらしい。

夜のからまりこんがらがった思考の向こうで何か解け溶け出してくるから、もの静かな時間の淵で想う、その時を大事にしなければならない。

明日はまた明日の声と語りとフロウをもっているから。

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