I have a book hangover: “Pachinko”
朝から暑いのに、ちょっと遠いスーパーまで行ったら、案の定バテました。
こんにちは。おはよう。
来輝です。
今回は7月末に読み終わったMin Jin Leeの「Pachinko」のお話。
7月中に必ず読み終えるという謎の約束を自分自身としていたので、30日、31日はずっと本に顔を突っ込んでた。
様々なところで取り上げられてたり、邦訳されてたり、ドラマ化もあったりするので、読もうかなと考えている方も多いかも。
著者が30年かけて築き上げた壮大かつ複雑な世界を、説明するのはとっても緊張するわ。知識不足で至らないところもあると思われますが、優しく見守ってください。頑張ります。
物語は1910年の朝鮮半島、釜山の南に位置する区Yeongdo(影島)から始まり、第二次世界大戦、そして1980年代の日本まで広がっていく。下宿屋を営むHoonieとYangjin夫妻に生まれたSunjaは、16歳の時、いわゆる「ヤクザ」のHansuの子どもを身ごもる。Hansuには日本に妻子がいることを知った彼女は、家族の名を汚す妊娠を恥じ、彼の愛人になることを拒む。そんな苦悩するSunjaに手を差し伸べたのは、彼女の下宿屋で命を救われた牧師のIsak。彼はSunjaの子どもを自分の子として育てると決め、彼らは結婚し、Isakの兄がいる大阪へと渡る。
HoonieとYangjin。SunjaとHansuにIsak。Sunjaの子どもたち、NoaとMozasu。Mozasuの息子、Solomon。
Sunjaを中心とした4世代が、歴史に翻弄されながらも織りなす濃く力強い物語でした。周りを固める登場人物たちも詳細に描かれていて、出て来る名前は本当に多いけど、不思議と覚えられるし、作品世界に没入できる。
日本に併合された朝鮮半島、創氏改名、第二次世界大戦、在日コリアン、そしてもちろん、「パチンコ」というビジネス…「激動の時代を生きた」なんて表現は軽すぎる。知ってるつもりで知らないことが、
本当に山ほどあることを思い知らされた。でも、私には教室で授業を受けるより、本から知識を得る方がよっぽど向いてるので、こういう作品をもっと読んでみたい。(ちなみに、歴史という教科は私の頭の中からすっぽり抜けてるため、高校の教科書を途中でチラ見しながら、読み進めた)
複雑な歴史的背景だけではなく、細やかに描かれる人と人との繋がりや、人間の多面性、友情に恋愛にも感情が揺さぶられました。
題材といい、登場人物といい、清くて美しい文章といい、心から読んで良かったと思える作品。2023年に読んだ本の中では、トップ5に入ると思う。
日本が大半の舞台になっているので、当たり前なのかもしれないけど、日本語の表現が多かったな。「阪神タイガース」とか「しょうがない」とか。海外の方が読んだら、どんな印象を受けるのか興味津々です。
最後に、私の心に強い印象を残していった言葉を。
読んでみよっかなって気になっている人はもちろんのこと、
全くレーダーに引っかかってない人にも、おすすめです。
アジアにルーツを持つ作家さんの作品をもっと読んでみたいな。
Have a lovely day :)
Laica
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