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I have a book hangover: “Writers & Lovers”

ちょっと小腹が空いてきた、来輝です。こんにちは。

三度の飯より本が好きって言いたいけど、三度の飯もやっぱり好きなんだよなぁ。

さてさて。この前、読み終わったLily Kingの「Writers & Lovers」。instagramでおすすめしてもらわなかったら、多分、気づけず手に取らなかった作品でした。読んで良かったぁ。ありがとね。

1990年代後半のボストン。主人公のCaseyは母親を突然亡くし、過去の恋愛も引きずりながら、傷ついた心を抱える作家の31歳。6年間を費やして書いている作品は滞っており、借金がかさむばかり。周りの友達は結婚し、子どもを産んでいる年齢。焦りを覚え、まさに人生の路頭に迷う彼女の前に、SilasOscarという2人の男性が現れる。SilasはCaseyと同世代の作家で、欠けた歯を持つが優しく、話が合う。Oscarは年上のベストセラー作家で、2人の息子を持つシングルファーザーという一面も。正反対だからこそ、魅力的なそんな2人と付き合い始めた彼女が、最後に見つけるもの、選ぶものとは。

映画化しても面白そうな内容だったな。
誰をキャスティングしよう。

文学やアート、90年代のトレンドの話題が溢れんばかりで、まだ見ぬ世界の広さを実感した。やっぱり作家さんって、知識の引き出しがいっぱいあって、すごい。

この本はSally Rooneyの世界観と似ていると言われていて、確かに、Caseyのちょっと人生に絶望している感じや、精神的に不安定な性格、通常通りの恋愛関係が上手く出来ないところ、作家という生業などなど、共通するところはあると思った。でも、Sally Rooneyの本たちのように、心にぐいぐいと侵入してきて、濃ゆい!疲れる!って感覚はなかったかな。その分読みやすくて、Caseyに共感しつつ、軽く楽しめた。Sally Rooneyのあの疲労する感じが好みだったりするけど。

登場人物たちが個性強めで、そこが一番面白かった。私は作家友達のMurielと、ウエイター友達のHarryが好き。

Caseyのお相手、SilasとOscarのどっちとも、あまり好きになれなかったのは残念。なんでだろうな。いつもはすぐキャハキャハ言い始めるのに。欠けた歯と壊れた車を持つSilasも、年上の落ち着きがありつつも、どこか幼稚なOscarも、どうしても魅力的に思えなくて…Caseyと性格は似てるけども、私が三角関係に陥ることはなさそう。

恋愛と母親の死、そして自分の人生を捧げてきた作家業。その要素がうまい具合に合わさり、混ざり合い、「自分が本当にやりたいことってなんだっけ?」って自問自答したくなる物語。文章を書くことが好きな人はきっと共感できる。

王道の甘酸っぱい恋愛は苦手っていう方にはちょうどいい作品だと思う。

最後にいくつか心に残った言葉たちを。

I don't write because I think I have something to say. I write because if I don't, everything feels even worse.

"Writers & Lovers" Lily King

絶対この本読もうって思わせてくれた一節。
書けば気持ちが楽になるから、ただただ書く。
小さい頃から私はそんな感じ。


Escaping into someone else's mind for a little while.

同上

この場面はチェスの話をしてるのだけど、
私は読書に置き換えちゃいました。
誰かが書いた言葉が心地良い。
ちょっと気分が落ちた時に、
本を読んで「あ、自分だけじゃないんだな」って感じる時のことを、
思い出した。


What I have had for the past six years, what has been constant and steady in my life is the novel I've been writing. This has been my home, the place I could always retreat to. The place I could sometimes even feel powerful, I tell them. The place where I am most myself.

同上

私はCaseyみたいな作家ではないけど、
書くことはずっと私にとっても大事なんだなって再認識。
一番、自己表現がしやすいツール。

今からおやつタイムしてきますね。
Have a lovely day :)
Laica




*Amazonのアソシエイトとして、Laicaは適格販売により収入を得ています。

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