【イベントレポート】自分らしく、自由に働くための仕事術 リモートワークHow To~vol.4 リモートワーク中のコミュニケーション
4月より『LivingAnywhere Commons』と『ランサーズ』のコラボイベントが始まりました。
「リモートワークでも、自分らしく、自由に働くための仕事術」がテーマのこちらのイベントは、トークセッションを中心にお送りしています。
5月15日(金)に開催した第4弾のお題は、皆さん気になる「リモートワーク中のコミュニケーション」。
第4回イベントのレポートを、津島菜摘(つしまなつみ)が担当します。
第4回のゲストは、こちらのお二人です!
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<登壇者ご紹介>
市川瑛子(いちかわ えいこ)さん
慶應大学卒業後、マッキンゼーアンドカンパニー入社。2015年、文部科学省のトビタテ!留学JAPANの運営事務局として参画。2017年、スタンフォード大学の経営学修士(MBA)および教育学修士(MA)を取得し、2018年より、「誰もが自分らしく働ける社会」を目指すランサーズ株式会社に参画。現在は、つながり・気づき・学びのコミュニティ「新しい働き方LAB」所長。米シリコンバレー在住のリモートワークや働きながら世界一周などにも挑戦。
湯浅 章太郎(ゆあさ しょうたろう)さん
Localist Tokyo共同代表。東京出身。東京と長野県塩尻市の二拠点生活。2018年6月に東京で働く人たちが「地域」をテーマに繋がれるコミュニティの必要性を強く感じ、Localist Tokyoを立ち上げる。イベント参加者を招待する形で約300人がメンバー登録。現在は独立し、地域と東京をつなぐイベントやツアーを企画し、地域と東京の人が交流する機会を作る。毎週日曜日22~23時には、地域と東京をつなぐライブ配信「ラフに〇〇語らせて」をLocalist Tokyoのfacebookページにて放送中。
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2人には、リモートワークにおけるコミュニケーションのポイントとしてそれぞれ3つご提案頂きました。
まずは、市川さんが考える3つのポイントについてお伝えしますね。
グローバルなリモートワークを経験!市川さんが考える3つのポイント
01|オーバーコミュニケーション
市川さんからの最初の提案は、「やりすぎなぐらいのオーバーコミュニケーション」です。
多くの方にとって、コロナ以前はリモートワークの経験が少なかったと思います。テレビ会議やチャットツールでの連絡の仕方など、どのようにコミュニケーションをとったらいいのかわからないのではないでしょうか。
オーバーコミュニケーションとは、「普段よりアクションを大きくする」ということです。市川さんは、「オフラインの普通の会議室で誰かが話してて、真顔で何も動かずに話を聞くなんてありえないじゃないですか(笑)」と指摘します。
たしかに、目の前にいる取引相手が冗談で笑っているのに、真顔で話を聞く場面は想像できませんよね。具体的な対応方法として、市川さんからは以下の3つをご提案いただきました。
オーバーコミュニケーションその1|ビデオをオン
オンラインのテレビ会議であっても、自分の表情、お辞儀を見せたり、相手の目を見ているという印象を与えたいですよね。
市川さんは「ビデオをオンにすること」を提案しています。
自分の上半身が映っていることをパソコン画面で確認したり、カメラに向かってお辞儀をしたり、カメラを見て話したりすると良いとのことです。
オーバーコミュニケションその2|コメント機能でコメント
オンラインのテレビ会議は映像だけでなくコメント機能がついています。
「あれ」や「これ」で話の内容が伝わるオフラインの日常会話を、オンラインのテレビ会議でも実現したいですよね。
これに対しては「コメント機能でコメントする」という解決策があるようです。
たとえば、紹介したいニュース記事や商品・サービス、SNS、事業サービスなどの情報ソースをURLでコメント欄に貼ることで具体化に伝えることができます。
さらに市川さんからは、「共感だけでもいいので、コメントで反応すると普通の会話に近づけると思う」との指摘。
確かにオフラインで相手に話しかける場合、無意識に相手の様子を伺ってから話しかけているように思います。オンラインだとそれができないので、コメントで積極的に反応することで、相手も安心して会話できそうですよね
オーバーコミュニケーションその3|スタンプを使う
普通の会話だとパッとその場で伝えられる「ありがとう」「了解しました」「いいね」などの反応。オンラインではどのように伝えるのが良いのでしょうか。
市川さんは、「スタンプを使うこと」を例に挙げています。
相手のテキストの「ありがとうございました」に対して、スタンプで「ありがとうございました」やテキストに直接「ハート」のスタンプで反応できます。
さらに、ランサーズでの事例を示し、市川さんは次のように説明します。
「私たちの社内では積極的にスタンプしまくることをやっています。コメントを見たら”見たよ”と意思表示をしてあげるだけで、スルーされてないことが伝わるので、OKスタンプだけでもいいんです。」
02|アウトプットで合意する
2つめのポイントは、「アウトプットで合意する」ことです。
アウトプットで合意するとは、「紙に落とせるもの、見える化できるものを上司の人と握れる」ことであると市川さんは説明します。「タスク管理から成果管理に切り替える」とも表現されていました。つまり、成果物と時期を合意するということ。
たとえば、
・提案書の作成
・サンプルの手配
・取引先に電話
などのタスクを紙に落とせるもの、つまり見える化したいとします。
この場合は、
・5月21日PM15:00までに、提案書を上司がみれる
・5月22日PM17:00までに、サンプルを上司がみれる
・5月23日PM17:00までに、問題を解決するためのサービスのガイドラインのメールを取引先が確認できる
などの成果に書き換えることができます。
「アウトプットで合意する」は、可視化できるものと納期で合意することです。具体的には、「日時を決めずに動作のみ」で合意するのではなく、「納期を決めた可視化できるもの」で合意します。
もう1つ例をあげてみましょう。
仮に新しいウェブサイトを立ち上げることが決まったとします。このとき、なんとなく「ホームページの構造を考えよう」「デザインを作ろう」で話を進めてしまいがちです。
そうではなく、「6月10日にサイトマップを決める」「6月18日に画像とテキストの配置を決める」などといった形で合意するのが良いでしょう。
さらに、「成果物の合意」と「成果の合意」は天と地の差があります。
成果物とは”タスクがすべて完了した状態”ですが、成果とは”提出先の相手の理想的な状態”を含みます。
たとえば、上述の場合を考えます。成果物は、「6月10日までに考えたサイトマップ案」「6月18日までに考えた画像とテキストの配置案」ですが、成果とは、「上司が6月10日にサイトマップを決定する」「上司が6月18日に画像とテキストの配置を決定する」ことを指します。
つまり、6月10日にサイトマップを、6月18日に画像とテキストの配置を上司に提案したとしても、その時点でサイトマップや配置の決定に至らなければウェブサイトを立ち上げるための成果とは言えません。
上記のケースにおいて、ウェブサイト制作における時期と成果物で合意したら、上司に決定させることも、ウェブサイトを立ち上げるための部下の仕事と言えます。
「アウトプットで合意する」とは、担当するプロジェクトの明確な目標設定と成果物の合意が必要不可欠なのです。
03|チームラーニング
次に市川さんは、「チームラーニング」という手法を紹介しています。
「プロジェクトやリモートワークが始まるときに、1時間ぐらい時間をとって、1人ひとり自分のトリセツの話をするようにしています。自分の不得意・好き嫌いの話やチームにお願いしたいことを発表するんです」
つまり、チームラーニングとは”自分らしさ”をまわりに伝えることです。
たとえばチームで仕事していて、メンバーの拠点がバラバラである場合があります。拠点が日本とスコットランドだと仮定します。日本時間でPM19:00のとき、スコットランド時間ではAM08:00です。
日本で働く人が朝型だったら、会議が夜に開かれると集中できないと悩む人もいるでしょう。この場合は、自分が「朝型」であることをあらかじめ伝えておくことで、不要なストレスを抱え込まずに済みます。
生活習慣や好みを相手に伝えることで、自分の働きやすい環境を作りやすくなります。
今関わっているチームメンバーには、次のような方法でチームラーニングを実践してみると面白いかもしれません。
・会議のアジェンダにあらかじめ入れておく
・会議の主催者に事前に個別に提案する
・この記事を自分のトリセツ付きでSNSでシェアして発信する
・やんわりと、社内の雑談用チャットや掲示板などにこの記事を共有する
ここまでが市川さんの3つのポイントでした。続いて、湯浅さんから3つのポイントをご紹介します。
湯浅さんが考えるリモートワークのコミュニケーション3つのポイント
01|カメラとライトの位置
湯浅さんはまず、「カメラとライトの位置」が大切だと指摘します。
それにより、視聴者に与える印象が大きく異なるとのこと。「カメラとライトの位置」とは、テレビ会議における自分の姿を映すカメラの角度と照明を当てるライトの配置を指します。
たとえば個人事業主の方であれば、複数のチームで仕事をしたり、業務をオンラインで進めたりすることも多いと思います。
日常業務であれば、
・Zoomでテレビ会議
・Zoomでイベント参加
などがありますし、
場合によっては、
・Youtube
・Facebook
・Instagram
での配信や動画投稿などもあるでしょう。
カメラとライトの位置のポイントは、次の通りです。
《カメラの位置のポイント》
・上半身を画面に入れる
・カメラと人物対象をある程度離す
・カメラ角度調整
《ライトの位置のポイント》
・ライトの数は2つ
・ライトはカメラの両脇に配置
・ライトはカメラからある程度離す
カメラとライトの具体的な位置は、「モニター・ライト・カメラを顔と同じ高さに配置する」と示した上で、カメラとライトの位置を実際に実践していただきました。
「こっちの方が、モニターと近い位置にカメラがあった方がカメラ目線になれるので実際に会話する雰囲気が出ます」
さらに、ライトのある・なしで印象が変わることも比べていただきました。
自分の映り方を確認するためには、照明や画角を確認してみるといいかもしれません。
\編集部のポイント/
参加メンバーのZoom背景ハック
参加者からの質問であがったのが、司会を担当したハマさんのうしろに映るポスター。ハマさんいわく「Zoomは背景が常に写っているので、人となりや興味・関心を伝えることのできるスペースとして活用している」とのこと。参加者の中には、自分の名刺をQRコード化して背景に組み込んでいる工夫もあった。
02|やってみせること
次に湯浅さんは、「やってみせること」が大切だと指摘しました。
「やってみせること」とは、完成度が低くてもまずやってみるということ。それにより、できることの幅が広がります。
湯浅さんいわく、「100点じゃなくてもいいからやってみること。これがとっても大事」とのこと。例えば、湯浅さんは自身のライブ配信について、「僕の場合、感覚的に50〜60点ぐらいで毎週やってるんですよ」とおっしゃっていました。
つまり、良い悪いに関わらず、まずはやってみることが大事なんですね。
さらに市川さんからは、「新しい働き方を作る、新しい時代を作ってる。みたいな感覚でやるといいと思いますね」という力強い言葉が。
「新しいことをやるってうまくいかないし、だけど失敗を避けることもできないと思うんです。だったらとにかく何がうまくいきそうか試してみながら、それでも基本的には楽しむことが大事ではないでしょうか」という考え方が。
わからないこと、新しいことは、初めからうまく進むはずがない。うまいこと避けられる道もない。それならば、「挑戦し続けながら、楽しむ」ことが大切なのかもしれませんね。
03|雑談する
オンラインでしか接点のない仕事相手は、関係性づくりに困ります。相手の様子やテンションを理解していると、テキストメッセージやテレビ会議でのやりとりをより軽やかにしてくれるでしょう。
その点について湯浅さんは、事務的な仕事の内容を話し合うだけのやり取りについて、「人間関係の質という観点に立つと、関係性は平行線のままである」と指摘します。
つまり、リモートでの人間関係を深めるには、事務的なやりとりだけでは不十分ということです。
湯浅さんはイベント終了後からZoomを開放して交流の時間をとるなど、「雑談は話しやすい空気ができる大切な時間」とおっしゃっていました。
このような雑談タイムは仕事の会議などでも活用できそうですね。
とはいえ、雑談ありきで会議を進めると本来の目的である会議自体がいい加減なものになってしまう可能性があります。湯浅さんのイベントのように、会議の前後に雑談タイムを設けることで、関係性の質を高めることができるかもしれません。
まとめ
「リモートワーク中のコミュニケーション」は、いつ・誰に・何を伝えるのかによって目的や手段を変えることが重要です。
例えば取引先に新しい商品パッケージデザインを伝える場合には、できるだけ敬意と配慮を相手に示して信頼を得ながら、デザインのどこがどのように新しいかをわかりやすくイメージで表現することが大切です。
一方で、プロジェクトの立ち上げ時期にチームメンバーとマイルストーンを決定していく場面では、仕事の価値観やスタンスをメンバーに示し、メンバーが互いに理解し合えるようにすることが大切です。
今、あなたのチームには何が必要でしょうか?
ぜひ今回の記事で紹介されていたノウハウを使いこなして、取引先やチームとの関係性を深めましょう!
そして最後に恒例の集合写真をパシャリ。皆さんご参加ありがとうございました!
《次回以降のオンラインイベントのご紹介》
LivingAnywhere Commonsでは、2020年4月~6月にかけて、ランサーズ株式会社と共催でリモートワークハックをテーマにしたイベントや、LivingAnywhere Commonsの全国各地の拠点とつながるオンラインイベントを開催中です。
今後のイベントは詳細は、LivingAnywhere CommonsのFacebookグループで案内いたします。よろしければフォローしてくださいね♪
イベント中にもお伝えしますが、本イベントはこれまで何らかの形でLivingAnywhere Commonsに関わった人たちで企画運営しております。「私も関わりたい!」という方がいましたら、ぜひFacebookグループのメッセージにてご連絡ください!
▼LivingAnywhere Commonsとは
株式会社LIFULLが運営する、場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践を目的としたコミュニティです。
メンバーになることで、日本各地に設置された「LivingAnywhere Commons」の拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感できるだけでなく、理想の生き方を実現するための技術やアイデアを共創する、刺激に満ちた環境に身を置くことができます。
《ライター・津島菜摘》
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