【知的障害の兄の誕生日】辛いことも嫌なこともあるけれど、感謝しているお話
兄弟って一般的に友達より長く一緒にいるため、喧嘩もするけれど互いに支え合うこともあるのかなと思っています。
だからこそ、嫌なことも、感謝する気持ちもそれぞれあるものではないかと思っています。
私は、兄が知的障害者のため、一般的な兄弟の形からはほど遠いものだと思っています。
そのため、特にこれと言って兄から私に何かをやってもらったことはありません。
8歳年齢は離れていますが、私が物心ついたときから私のほうができることが多かった気がするからです。
強いて言うなら、兄が高校を卒業して作業所で働いている間、お年玉をもらったぐらいです。
私がたまに兄に誕生日プレゼントをあげても返ってきたことありませんし、普通の兄弟と言ったらほど遠いものです。
一方で、普通の兄弟じゃないからこそ、兄に感謝していることがあります。
今日は兄の誕生日が近いので、兄への感謝の思いをお話ししたいと思います。
兄への感謝の思い 〜母からの説教〜
幼い頃から中学生ぐらいまでは、色々怒られることが多かったです。
それは、兄と喧嘩したからとかでは全くなく、ただただやるべきことをやっていなとか一般的なことで怒られていました。
なんでこれで、兄に感謝をしているかというと、私が母に怒られている時に、助けてくれるからです。
正確に言えば、助けているわけではなく、母が怒っていることが気になっているのか、自分が怒られていると勘違いしているのだと思います。
そのため、私が母から怒られていると、「怒っている!静かに!」と母に向かって言います。
すると、母も私に怒っているのですが、兄が母に向かって詰め寄るので私どころではなく、兄の方に気がいきます。
もちろん、それで母の怒りが収まるわけではありませんが、若干怒りは小さくなり、私は結果的に被害が少なくてすみます。笑
これの部分に関しては、兄への感謝であり、いつも助けてもらっていたなと思っています。
兄への感謝の思い 〜道筋〜
もう1つ感謝する部分は、私の人生の道筋となってくれたと言うことです。
これも、兄が私に直接的に何かをしてくれたわけではありません。
知的障害の兄がいたことで、私自身の学びたいことや将来のやりたいことを明確にしてくれたと思っています。(一方で、知的障害の兄がいるから自分のやりたいことが狭まっているのではないかと悩んだこともありますが)
学生時代、いろいろな場面で将来の夢や大学で何を学びたいのかと考える機会がありました。
私は、正直憧れている職業もなく、何かをしたいと強く思うほどの職業に出会えていませんでした。
そのため、学校で夢を書かないといけないとなると、何もないのにな...と思っていました。
別に夢を書く際に、思いついてないことは問題ではないと思っています。
でも、大学受験前の高校時代には学びたいことや将来やりたいことをある程度は決めなくてはいけないと感じていました。
その時に考えた結果、私は福祉を選びました。
この結論に至った理由はいろいろありますが、元を辿ると兄がいたからになると思います。
兄がいたことで、幼い頃から障害児が多くいるコミュニティに参加し、それが当たり前でした。
でも、自分が成長するにつれそういったコミュニティは当たり前ではないことなど、障害者に関わる問題を見てきて福祉という選択をしました。
兄がいなかったら、自分は何を学び何を目指していたのか想像できません。
もちろん、兄が障害者でなければ違う経験をしてそこから、やりたいことが芽生えた可能性もあります。
でも、兄がいなかったらここまで自分に正直に行動できていたとはあまり思いません。
特に大学選び。
何となくで学びたいこと、有名だから、汎用的だからで大学や学部を決めていたと思います。
そして、必修だけをとりあえずとって大学生活を終えていたと思っています。
問題意識を持って、自分の興味関心に素直に従い、必修以外を1人でもいいから授業をとることや、他学科の授業をとることなどをしていなかったと思います。
自分にやりたいことで明確にあり、問題意識があるからこそ、必死に学べたと思っています。
このような学びや経験があったからこそ、自分が問題に感じていることを解消したいと思い、就職先を決めました。
そのため、兄がいたことで私の道筋が明確になったのではないかと思っています。
最後に
兄がいることで迷ってこと苦しんだことたくさんありました。
感謝とか、兄がいてよかったことより、嫌だったこと、我慢したことの方が多いです。
でも、そんな思い全てが私の糧になり、経験になったことで、問題意識が芽生えたのだと思っています。
今日はどちらかというと、綺麗な一面を書きましたが、汚い一面ももちろんあります。
どちらも、事実です。
こういった兄弟の関係もあるのだと知ってくれたら、幸いです。
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