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日本語取り出し授業で、目からウロコの教授法をやってみた

中国にルーツのある、女子中学生Rさんの日本語取り出し授業。

ここ数回は、テキストを離れて動詞を徹底的にやっている。もちろん、授業開始後、少しは習った文型、知っている単語を使って、会話練習をしたりはする。でも、私はどうしてもやってみたい動詞の導入法があった。

それは、こちらの本。

長年、外国ルーツの中学生に指導してこられた田中 薫先生。

この本の中に、

女の人は本を読む。・女の人は本を読みます。読みません。・女の人は本を読まない。

というのがあった。絵を見て、一度にこれだけの動詞の形を導入するのだ!これには、目からウロコ!驚きを通り越してしまった。なぜなら、日本語学校では、読みます(マス形)・読む(辞書形)・読まない(ナイ形)とそれぞれを単独で、導入するのが普通だから。でも、私は新しい教授法を、どうしてもやってみたかった。

また、この教え方は、国語教育に合わせて、五段活用動詞・上一段活用動詞・未然形・連用形・・・などと私たち日本人が学んだ呼び方での導入。(日本語教育では、「動詞1」とか、「1グループ」などと呼ばれる。)これにも、驚いた。

長年やってきたやり方を、180度変えるのはちょっと怖いし、不安もマックス!どうなることかと、自分でもハラハラ、ヒヤヒヤ。

しかし、ここは、まじめで向学心があるRさん。速攻で理解してくれ、すぐにプリントに記入。あっという間に五段活用動詞は終了。Rさんの理解力の高さ、速さに感謝しつつ、今度は質問攻撃!

例えば「女の人は本を読みますか。ーはい、女の人は本を読みます。」「女の人は本を読む?ーううん、読まない」というように、敬体(です・ます体)、常体(だ・である体)を混ぜて、すぐに答えられるようになるまで練習。Rさんからも質問を自由に考えてもらい、私が答える。

やってみて、この教授法は、本当に画期的だと思った。確かに大変ではあるけど、教室で友達同士、耳にするの多いのは、「~やる?」「ううん、やらない」という常体。一度に導入することで、知識もまとまり、理解のスピードが違う。聞き取れる言葉も、かなり増えるはずだ。田中先生、ありがとうございます!と思わず感謝の言葉が出る。

それに、Rさんは中学3年生。少しでもクラスメイトに追いつき、学習がわかるようにしなくてはならない。高校受験も、ひたひたと近づいてくる。この点が、留学生とは違う大きな点だ。とにかく日本語を手段にして、教科の内容が理解できるように・・・が、第一目標である。

私もあちこち頭をぶっつけながら取り組んでいる、日本語取り出し授業。明日は、すでに学んだ「食べ」から「食べ」の連用形(テ形)に入る。学習の山場の一つではあるけど、とにかく「実践あるのみ」の姿勢で、楽しんでやってみたい!






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