過去の自分に送る手紙１　　　　　　　　5歳になった自分へ

手紙なんて何十年も書いていない。
いやまともに書いた事がないので上手には書けない。
大人になった自分が言うのも申し訳ないのだが、
初めに言い訳させてくれないか。
大人になった自分は、君が思い描く大人には、なれていないだろうが、これでも懸命に生きているつもりだ。
さて君は最近TVで宇宙刑事ギャバンとか、機動戦士ガンダムとか、ロボットが戦うような番組を見て、訳も分からず興奮しているみたいだね。
今の子供たちからすれば、それは羨ましい時代で、君たちの好きな番組が次から次へと放送されて、お店に行けばお菓子や、玩具、その時のヒーローが溢れているなんて今では余り無い光景なんだよ。
ギャバンに出てくる機械のドラゴンもカッコ良かったし、シャアが乗るザクもカッコ良かったよね。
こっちの世界では、なんだか子供より、大きい人達の方が喜んでいるみたいなんだ。
だから今の内に、オモチャに囲まれて遊んでいたらいいよ。
こっち側の世界の子供たちは、タブレットとかスマホとかいわれる板きれに夢中になって遊んでいるみたいだよ。オモチャの方が楽しいよ、多分。
でもやっぱり、楽しい事だけじゃなくて悲しい事も、そっちもこっちも、ありそうなんだ。