『ザ・万字固め』万城目学

JULY 9, 2018 Instagram掲載

戦国武将でサッカーチームを編成している…
「司令塔には私の好みで、ぜひ知性派を置きたい。」とし、黒田官兵衛、山本勘助、竹中半兵衛、石田三成、明智光秀、宇喜多直家を候補に挙げるが、その他のある人を据える。

この人…アホだ…と運痴でスポーツ全般に興味がない私は思う。W杯であろうと1試合も見ておらず、ポジションなんてもちろんわからない。戦国武将も名前を辛うじて知っていてもエピソードや人柄までは知らない。それなのにこの人は14ページに渡り、ああでもないこうでもないと書き連ねている。「そして右には、お待たせ、豊臣秀吉だ。」ってテンションがおかしい。

内容が理解できないにも関わらず、あまりにも楽しそうで、「良かったねえ」と見守りたい、そして微笑ましい気持ちになった。こんなどうでもいいことを作家になるひとは脳内で繰り広げるんだね…。そういえば『鴨川ホルモー』も『プリンセストヨトミ』も荒唐無稽なお話で、こんな妄想から始まったんだろうな、と思う。

他にも美味しいものの話、旅の話、311の後に東京電力の株主総会にでた話などもあったんだけど、戦国武将の話が一番衝撃的だった。2番目はひょうたんにハマった話。（全日本愛瓢会という団体があり、夫がひょうたんにハマりすぎてほっとかれた妻は「ひょうたん未亡人」と呼ばれる）

私はどうでもいいものに尋常ならざる熱を上げる人たちに、とても惹かれる。

33. 『ザ・万字固め』万城目学

ザ・万字固め (文春文庫)

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