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『のっけから失礼します』 三浦しをん

コロナで週末外出自粛要請が出てから、ガラっと気分が変わった。私の町の図書館も閉まってしまった。Beforeコロナ時に選んだ本が家にあるけれど、今それが読みたい気分じゃない。在宅仕事でなまった体にマスクを装着して本屋に出かけた。ああ、これだよ、今求めている本は。

三浦しをんのエッセイは「約束されている」。何が?面白さが、彼女ならではの独特な世界が。私は彼女のエッセイが大好きで、図書館で読んでいないエッセイを見つけると宝を見つけたような気持ちになる。2019年8月に発売されたこのエッセイももちろん図書館予約済だが、いかんせん人気で順番が回ってこない。この非常時、心を朗らかに、心地よい脱力感に浸してくれる、この本に1600円を払おう。っていうかこれまで図書館で借りていてごめん。全部は出せないけれど、この度課金させていただきます。

もやしの安さは常軌を逸している。

あるエッセイの始まりはこの一文だ。ああ、なんて強く、鮮烈で共感をもたらす文章なのだろう。もうこの一文を読んだらその後に続くのは「期待」だけ。しかもこのエッセイは雑誌『BAILA』の巻頭エッセイだ。おしゃれ女性誌がこの一文で幕を開けるなんて最高。ときめきが止まらない。(だからタイトルが『のっけから失礼します』)

上記の「もやしとぬた」のほか、道をやたら聞かれたり、タクシー運転手に話しかけられたりするといった珍体験、それに伴う考察が、莫大な本を読んできた三浦さんの文章力で書き綴られる。マンガも、文楽も、宝塚も、EXILE Tribeの『HiGH&LOW』もジャンルに囚われることなく、古今東西の創作物を貪欲に味わう三浦さんの情熱に圧倒される。わ〜楽しいな〜。

読みながら何度吹き出したかわからない。この本は、外出自粛中、会えない友人に送ります。彼女も楽しんでくれるといいな。

163.『のっけから失礼します』 三浦しをん

●三浦さんの小説 ★『ののはな通信』オススメ!


●博物館体験記(面白い!)


2020年読んだ本(更新中)
2020年読んだマンガ(更新中)
2019年読んだ本:77冊
2019年読んだマンガ:86冊
2018年読んだ本:77冊
2018年読んだマンガ:158冊

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