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『1ミリの後悔もない、はずがない』 一木けい

SEPTEMBER 2, 2018 Instagram掲載

『もう恋なんてしない』みたいなタイトル。つまり恋はする。
『1ミリの後悔もない、はずがない』、つまり後悔はある、1ミリ以上。

Twitterでカツセマサヒコさんやポインティさんが紹介していたような。登場人物が少しずつオーバーラップしながら進む、恋愛とその後の短編集。主役となるのは、中学生やアラフォー専業主婦など。

中学生女子の、ある男の子が好きで好きでたまらなくて、それだけのために生きている感じや、そこに混じる欲情。旦那とうまくいってなくて、でも離婚ができなくて、これが死ぬまで(墓場でも)続くとてつもない閉塞感。ポジティブなこともネガティブなことも生々しい、エモい、えぐい。

旦那の実家で、鍋料理になるとおじやの前に全員取皿の汁を鍋に戻して、お嫁さんも唾液入りのおじやを食べなければいけない話があった。「本当にあった怖い話」みたい…

一木さんは1978年生まれなので、実体験や周りにあったことを元に書いているのかな、と思う。匂いが膨大な情報量の思い出を蘇らせるように、シチュエーションで生々しさを蘇らせることができるひと。私は主な中の人たちと性別が同じだし年齢が割と近いからなのかな。おっさんや少年でもこういう気持ちを味わってみたい。

表紙の男の子は腕にBCGの跡が残っている。喉ぼとけと、この彼女からだろう目線の角度、にくいな〜! 

52. 『1ミリの後悔もない、はずがない』 一木けい

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