マガジンのカバー画像

読書記録_本

228
読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

『ラブという薬』いとうせいこう+星野概念

『ラブという薬』いとうせいこう+星野概念

「こんな人が先生だったら、あの時、精神科に行けば良かった」と思った。

精神科医でミュージシャンの星野概念さんと、いとうせいこうさんの対談。星野さんはいとうさんのバンド「□□□(くちろろ)」のサポートメンバーであり、いとうさんの主治医だという。

精神科というと、私にはハードルが高く感じる。空に向かって支離滅裂なことを話している人がいるんじゃないか。拘束衣で縛られたりするんじゃないか。多大な偏見を

もっとみる
『両手にトカレフ』  ブレイディみかこ

『両手にトカレフ』 ブレイディみかこ

「この人の気持ち、わかる」と思ったら急激に惹かれていく。それが違う国の、100年前の人のことでも。

主人公はイギリスに住む14歳のミアで、母と弟と暮らしている。母の男は何度も変わる。もらったスマートフォンがあるものの、通信費を払えないので使えない。身長が伸びたけれど制服を買い替えられないのでスカートの丈は短くなる。生活保護費は母親のドラッグに消え、ミヤは弟との暮らしを必死で守っている。

そんな

もっとみる
『ご飯の島の美味しい話』 飯島奈美

『ご飯の島の美味しい話』 飯島奈美

料理・食べ物系のエッセイは心地よい。久しぶりに途中から読んでも登場人物やストーリーがわからなくなることはないし、たいていおいしいものについて書かれていて想像するとよい気分になる。つまらなかったとして無害、だいたいは有益だ。

『かもめ食堂』などのフードスタイリスト飯島奈美さんのエッセイ。撮影では役者さんの演技に合わせて揚げ物をあげまくること、「普通」の食器を見つけるのが意外と難しいこと、梅酢を商品

もっとみる
『FUTON』中島京子

『FUTON』中島京子

FUTON 寝るときにくるまると幸せになるあれだよね、おふとん。大好き。ふとんについての小説、ほっこりした話かな?と手に取った。

話はアメリカの大学から始まる。頭の悪いアジアンビューティである日系大学生とアメリカ人教授のラブアフェアから話が始まる。そして時に田山花袋の『蒲団』が混ざり、東京に住む100才近くのおじいちゃんのストーリーも絡まる。当初の自分の想定を外れ、アメリカから日本、現代から明治

もっとみる