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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
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2023年6月の記事一覧

『奇跡』 林真理子

『奇跡』 林真理子

梨園の妻 博子と、世界的写真家でありアーティストと田原による不倫の恋。博子さんとママ友だった林真理子が筆をとる実名の話。世間に大きな不倫ゴシップ、梨園の騒動が出た後、予約待ちだったこの本が図書館からやってきた。さてさて。

文字も大きくそれほど分厚くない本で2,3時間で読めた。正直な感想は「すっごいさらっと書いてない?」というものだ。林さんの本を多く読んだわけではないけれど、あれだけ有名で野心にも

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『後ハッピーマニア』1-3巻 安野モヨコ

『後ハッピーマニア』1-3巻 安野モヨコ

村上春樹は「老いを描けない」と言うが、安野モヨコは体の老いと社会的立場と自意識の旅を始める主人公のマンガを描いている、とTwitterで読んで購入。面白いだろうことはわかっていたけれど、私は気を許すとマンガへの課金が恐ろしいことになるので、ずっと買わずにいた。あぁ、やっぱりすっごく面白い。

90年代に連載していた『ハッピーマニア』はハチャメチャなカヨコが凄まじいエネルギーで恋愛に狂っていくマンガ

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『ピエタ』大島真寿美

『ピエタ』大島真寿美

ふと、今とは違う人生を思うことがある。私はこれで良かったのかな。結婚していたら、していなかったら、仕事を、子供を、あのとき。誰でもそう考えることがあるだろう。この本もしみじみと実に良くて、これから読む人の邪魔をしたくないから私はここで抽象的なことしか書かない。ある程度時間を重ねてきた女性なら、心に残るだろう一冊。小泉今日子さんが舞台化するそうで彼女のインタビューで知った小説。

ヴェネツィアのピエ

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『きのう何食べた?』21巻 よしながふみ

『きのう何食べた?』21巻 よしながふみ

シロさんは50代半ばになったらしい。衝撃。21巻は本人の自覚なく、ケンジへの「デレ」がいつもより多めでときめく。
年をとると頑固だったり、迷惑な人になっていく人のも多いけれどなんてかわいいんだ、シロさんは。ケンジは相変わらずかわいい。(表紙帯のドラマの内野さんのかわいさよ…!)

21巻で作りたくなったのは、白玉団子。私が唯一レシピを見ずに作れるおやつは白玉団子だけれど、これまであんこ一択だった。

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『後ハッピーマニア』4巻 安野モヨコ

『後ハッピーマニア』4巻 安野モヨコ

先日3巻まで一気読みして、楽しみにしていた4巻。発売日に購入。

ハッピーマニアは一気読みするのがいいのかも。主人公シゲカヨの異様なエネルギーと疾走感が大きな魅力の一つなので一冊ずつ読むと物足りない気がする。(新しい話が読みたいという気持ちもあるんだけど)ストーリーが起承転結の「起→承」に来たからか、スピードがゆるんでいるようにも感じる。3巻を読み終えて、友人フクちゃんによる夫の愛人への復讐を楽し

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『炉辺の風おと』 梨木香歩

『炉辺の風おと』 梨木香歩

私が信頼を置いている(読者として一方的に、だが)梨木香歩さんの最近のエッセイ。毎日新聞の週次連載だったらしい。

八ヶ岳に購った(「あがなう」という言葉を初めて使った。とても綺麗な言葉だ)山小屋についてのエピソード、コロナ禍における世の中の状況や政治、そしてお父さんの看取り。

梨木さんといえば、植物と鳥。本エッセイでも、「キクイタダキ」が彼のお気に入りの「ヤエガワカンバ」の枝にエサを運ぶ、といっ

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