遠藤響子

シンガーソングライター 旧芸名遠藤京子 2021年40周年を迎えました。 ピアノと花…

遠藤響子

シンガーソングライター 旧芸名遠藤京子 2021年40周年を迎えました。 ピアノと花が好きです。美しいものが好きです。

最近の記事

ピアノ・アゲイン ~Positive

これまで辛かったでしょう? 辛かったよね。 あたしも辛かったよ。 いろいろ考えたでしょう? 考えたよね。 あたしもたくさん考えました。 それでもあなたは今日まで生き残りました。 それはすごいことなんじゃないかと思います。 光と影があることを痛いほど身体に深く刻んで。 ようやくモノクロームだった過去がほんのりと色づき始めています。 ふくらみ始めたつぼみのように。 この物語を背負うあなたは、 すでにもう輝いています。あの星のように。 すでにもう愛されています。春風のように

    • ピアノ・アゲイン⑤ ~ピアノ発表会

      昨日「きたもとピアノフェスティバル」第1部に参加して来ました。開催の日が偶然私の誕生日だったので、これは良い記念になると思い応募したところ幸運にも抽選に当たりました。聞けば何度も落選して執念の当選などという方もおられたので、とてもラッキーでした。 今さらピアノ発表会ですよ!ずっとピアノがうまくなりたいとは思っていましたが、どうやったらうまくなるのかがわかりませんでした。よく勉強の出来ない子は「何がわからないかがわからない」と言いますが、私はまさにそれでした。自分の演奏のどこ

      • ピアノ・アゲイン④ ~幸せなこと

        去年10月から習い始めたピアノのレッスン。今はドビューッシー「月の光」を練習しています。冒頭テーマ部分を私の楽曲「一人が好き」の中に取り入れていますが、その先も弾けるようになりたいなと思って。 40年続けて来たポップスは自己流の極みのようなところがあり、自分の音楽世界を広げるような作業でした。自己満足にならないように気をつけて来たつもりですが、なにせ自分で曲を作っているので、そこは誰にもわからないところです。自己満足がキャラクターになったりもしますし。 でもクラシックは過

        • ピアノ・アゲイン③ ~コンプレックス感

          指先をカギのように曲げたまま鍵盤の上から数センチ上のところから指先を打ちおろす日本伝来の「ハイ・フィンガー奏法」の音楽的欠陥については中村紘子著「チャイコフスキー・コンクール」に詳しく載っています。ずい分前に一度読んでいますが、改めてこの弊害を思うと残念というか、溜息が出ます。もし子供の頃に違う教育を受けていたら私のピアノ史はもっと違うものなっていたのかもしれないと思うわけです。 母が怖いから、レッスンがあるからとピアノを続けていた私には、音楽は好きだとしてもピアノを弾いて

        ピアノ・アゲイン ~Positive

          ピアノ・アゲイン② ~ピアノを弾く喜び

          さて、続きをば。新しいピアノがうれしくてガシガシ練習をしていた9月頃。早くも壁にぶちあたります。親指の付け根、手首などがだんだん痛くなって来てしまいました。年齢的にも腱などが硬くなって来ます。がっかりです。もう10年早く気がつけばよかったのにと思いました。 何か対策がないかとネットで検索してみるとピアノ奏法というものがいろいろあること、そしてピアニストは腱鞘炎、ジストニアなどの故障が多いことを初めて知りました。超絶技巧のリストが弾けるようになりたいとは思いませんが、痛みを堪

          ピアノ・アゲイン② ~ピアノを弾く喜び

          ピアノ・アゲイン ~わすれもの

          アタクシがシゲルカワイ、シゲルカワイと騒いでいるのは、もうすでにみなさんご存知と思います。 私がピアノを買った理由はほとんど衝動ですが、ま、いくつかあります。ひとつ目は私の人生が残り少なくなって来たこと。病気とかじゃなくてね、もう後何年と簡単に数えられるような年齢になりました。じゃ、何をしたい?と胸のダイヤモンドに問うと「残りの人生を音楽と供に生きたい」と言うわけですよ。それなら何だったら自信があるの? これが私よ!みたいのは何?と問うてみると「ピアノの弾き語りかなぁ」とぼ

          ピアノ・アゲイン ~わすれもの

          淡いピンクの丸みを帯びた花つきと肌は、特別な日、例えば初々しい結婚式の花嫁を連想させてくれます。 心からの祝福と心から優しくしてあげたくなる健気さとたくましさがあります。 花に癒される理由は彼らは生きることだけしか考えていないからだと思います。川も海へたどりつくことだけしか考えていず、水蒸気は空中に漂うことしか考えていず、ネコも犬も生きることだけしか考えていません。ただし人間を除いて、、、。 ただただ燃える焚火に癒されたり、川のせせらぎや植物に癒されるのは、そこにとまど

          夏の終わり

          ようやく殺人的な暑さの片鱗もうすれて来ました。この異常気象は紛れもなく人間の仕業と思うとどこか怒りがこみ上げ、加えて戦争の情報やコロナとあまりにストレスフルで身体も疲れ、心も荒んでしまっていました。 それでも朝夕には虫の音が聞こえ、空を見上げれば地上に近い入道雲は堂々と、羊雲はぽっかりと浮かんでいます。 まさに夏は秋に変わろうとしています。季節の変わり目なので趣味、思考も少し変わります。 きのうはごぼう、にんじん、しめじ、油揚げを入れた炊き込みご飯を作りました。ネットな

          夏の終わり

          声のお便り2

          皆様お元気ですか?久しぶりの投稿になります。コロナもなかなか治まらず、また精神的にも半ステイホームのような状況で、気がつくとパソコンばかり眺めている自分に嫌気がさしています。 そんなわけで湧き上がる思いをつづった「抵抗」を読んでいます。 抵抗(レジスタンスでもよい) デジタルに脳を荒らされ、すさんだ心はドーパミンを求め続けるようになってしまった がまんできるのは9秒まで その先はぷいと違うものに気が移る この落ち着きのない日々を一生すごすのか? ぞっとする もっと私は若かった、もっと喜び、もっと没頭した なのに今と来たら、せわしなく眼球を動かすのみ ペンフィールドのホムンクルスの図としたら、さぞかし目玉がとびでていることだろう 雨の音、草の匂い、チクチクするセーター、甘いぶどう、書きかけの手紙、行こうかなと思っているだけの図書館、くしゃくしゃの新聞、解けない数独、ホコリをかぶったままのミシン、へこむ床、短いえんぴつ etc… 感じているだろうに脳ではじかれ私の人生はなんて味気ないものになってしまったのだ 自分の足さえも感じない このままでよいの? こんなじゃなかったよね このままでよいはずがない 私の大事な感受性はどこへ行ってしまったのだ いつもお腹をすかせた野良犬のように、ウロウロと身体を使って動いていたはずだ 今は座ったまま脳だけがエサを求める しかもいくらエサを得ても絶対に満足しないというループにはまって 毛穴にしみこまないからだ 脳と身体を切り離された私たちはまるで迷子のよう 迷子が親を探すように、大喜利のように言い切った刺激や文言を求める 世間はこうです あなたはこうです 明日はこうなりますと決めてもらいたがる このままでよいの? よいはずがない 私は変幻自在の心の中に浮かぶ島のようなもの まだ誰も本当の私は知らないよ そうやすやすと見せてたまるか 何重にも積み重なったパイのように複雑なんだ 何もまだ完成していないんだ 常に動いて代わり続けているものをアプリなんかであらわし切れるはずがない 伝えられない部分こそが本当の私 0と1ですべてあらわせていると思うなよ 人間をなめるなよ

          声のお便り2

          声のお便り2

          声のお便り

          まったりお話ししてます。声の合間にお腹がなってるんだけども、、、聞いてね! 「ちっちゃい40周年」昼のソロライブ 2022年6月19日(日) 開場12:00 開演12:40 東京 中目黒・FJ's cafe(エフジェイズ・カフェ) 出演: 遠藤響子(Vo,Pf) 予約 4,000円 当日 4,500円(別途ドリンク) ※全自由席 ※ファンクラブ先行予約はありません。

          声のお便り

          声のお便り

          泣き虫泣きんこ

          作:遠藤響子 その娘はよく泣く子で淋しいのはもちろん楽しくても泣きました。最初はちょっとこらえてポロリと涙がこぼれます。村の誰もが「泣き虫泣きんこ」と彼女を呼びました。 ある日大雨が降って村の大半が水に埋もれてしまいました。こんなことがあれば「泣きんこ」はこの時とばかり泣くだろうに「泣きんこ」は泣きませんでした。村人が不思議に思いたずねました。 村人「おまえは何かあるといつだってすぐ泣くのに、どうして今回は泣かないんだい?」 娘「食べちゃったから。」 村人「???」

          泣き虫泣きんこ

          小池真理子著「月夜の森の梟」を読んで

          これは世界で一番美しいエッセイ本じゃないかしら。。。 最愛の伴侶の死は私にとっても今後最も大きな課題なので、興味深く読みました。くどくどと語らず場面はどんどん変わって行きます。毎週土曜発行の朝日新聞(2020.6.6~2021.6.19)に掲載されたということで、誌面に限りがあることが、枠を作り、十分にエディットされた言葉群はスピード感があり尋常ではない美しさがあります。 読んでいると潔くどんどん進む文章のすきまを追いかけて、こぼれ落ちるものを拾い集めたくなります。テレビ

          小池真理子著「月夜の森の梟」を読んで

          音楽のオーラ

          ほんっと、偉そうなんだけれどね、私がミュージシャンを選ぶ時の決め手のお話しをしようと思います。マニアックだけれど、こういうことをいつも考えています。 私が80年代にデビューした時に、演奏して頂いたミュージシャンはもうそうそうたるメンバーでした。どういう人達だったかというのは遠藤響子HPのdiscographyを見てね。デビューアルバムの「オペレッタ」とか。 わけもわからずいきなり超一流の演奏というのを目の当たりにして、デビューしてしばらくこれが良い演奏というのかもわかりま

          音楽のオーラ

          「野に咲く花のように3」

          「メモ書き」 頭の中に勝手に言葉が浮かぶことがあり、それを書き止めようとしたメモが机の上にはいつも散乱しています。ずい分前のもあるし、つい昨日のもありますが、たいていはその時「頭にあふれた文字を書きたい」という衝動にかられただけのものであり、後で読むと???のことがよくあります。でも一応とっておきます。 今日はそれらがたまってしまったので、かたづけなくちゃと、小さいメモ用紙のものやコピー紙の裏のものなどを整理していました。中には「お、これは」というのも出て来ます。 今日

          「野に咲く花のように3」

          「野に咲く花のように2」

          「碧い湖のほとり」 私がかつて身につけた対話技法に日本国内では精神科医の水島広子さんが提唱なさっている「アティテューディナル・ヒーリング」というのがあり、今でもとても役にたっています。 技法と言っても何も難しいことではないのですが、頭でっかちの「大人」にとっては簡単なことではないかもしれません。 それは、相手が現在の悩みなどの話しをしている時、聞き手は一切自分の意見を言わないということ。アドヴァイスは厳禁。レジュメも厳禁です。ただだまって話し手の気がすむまで話しを聞きま

          「野に咲く花のように2」

          「野に咲く花のように1」

          こんにちは。遠藤響子です。これからしばらくの間、時々文章を書こうかなと思います。いつまで続くか全然わからないのだけれど、それもいいかなということで。お話しなのか、エッセイなのか、詩?、手紙?自分でも決められずにいますが、心に言葉が湧くそのままにやってみようと、それだけは決めました。 「野に咲く花のように」①「本当の旅」 女の人の心の中には二つの生き物が同時に生きています。どちらも生命力に満ち、若ければ若い程、両者が相手を理解するということなどとても不可能、愛し合うなんて夢

          「野に咲く花のように1」