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ピアノ・アゲイン② ~ピアノを弾く喜び

さて、続きをば。新しいピアノがうれしくてガシガシ練習をしていた9月頃。早くも壁にぶちあたります。親指の付け根、手首などがだんだん痛くなって来てしまいました。年齢的にも腱などが硬くなって来ます。がっかりです。もう10年早く気がつけばよかったのにと思いました。

何か対策がないかとネットで検索してみるとピアノ奏法というものがいろいろあること、そしてピアニストは腱鞘炎、ジストニアなどの故障が多いことを初めて知りました。超絶技巧のリストが弾けるようになりたいとは思いませんが、痛みを堪えてピアノを弾くなんて本末転倒です。

そこで買ったこの本。
古屋 晋一著「ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム」

これによるとプロのピアニストとアマチュアピアニストとの違いは鍵盤の押さえ方にあるとありました。プロは一度鍵盤を押した後、すっと力を抜くが、アマチュアは音が鳴ったあとまでも力を入れて鍵盤を押さえてしまうというもの。ピアノは一度ハンマーが弦を鳴らしたら、その後鍵盤上で何をしようが音色にも強弱にも全く関係がありません。

ここでいかに「脱力」が大事かを知るのです。「なぬ~~~、だ、だ、脱力!?」ですよ。私がピアノを習い始めたのは昭和40年代。その頃はハイ・フィンガー奏法と言って、指を鍵盤から高く上げ、下げする奏法を教えられました。しかしこの奏法は音色をつけることができない、早いパッセージを弾くことができないとか、故中村紘子さんは著書「チャイコフスキーコンクール」や「ピアニストという蛮族がいる」の中でこのハイ・フィンガー奏法の弊害について語っておられます。

ネットで「ピアノ 脱力」と検索すると、まぁ出て来る、出て来る。ピアニストに故障が多いことも知りましたが、奏法で悩んでいる人も多いことを知ります。

しかし、脱力って、、、。どうやるの???です。ほぼ20年ピアノを習って一度も教えてもらったことがありません。

と、言う訳で、これはもうyoutube先生では事足りないのて、個人レッスンに行くことにしたわけです。

「ピアノ・アゲイン」の始まりです。心の中では、またあの緊張する窮屈な時間を過ごすのか?またレッスンに追われてピアノを練習するのか?と自問自答しましたが、なにせ元手がかかっています。(-_-;)

今ははっきりと「ピアノで自分の表現ができるようになりたい!」という目標があります。レッスン初日で痛みが出てしまうので、見てもらいたいと伝えると、先生はまず私の手首に注目。右の方が硬いですね、ということで音階を弾くときにすっと私の手首に手をそえて動きを促してくれた時の、鍵盤の弾きやすさに驚き!

2回目のレッスンで鍵盤を押さえたら一音、一音すっとすぐに力を抜くことを教わり、その直後に弾いたショパンのノクターンの華麗さよ!背中に羽が生えたように楽しく自分の音楽として弾くことができたのです。あれは忘れらないなぁ。「先生、私開眼しました!」っと思わず言ったくらい、魔法にかかったようでした。

「ピアノで自分の表現」とは、つまりいかに脱力するかというのが最も大事な要因だったのです。しかも、一音を弾いた後の脱力はものすごい快感を肩や背中に感じます。 ピアノを弾くって快感!だったのです。さらにピアノは打楽器でもあり、どこか太古の本能が目覚めるような興奮を誘います。脱力の快感を知り、打楽器の興奮を秘め、美しいメロディーや和音を奏でる。なんてステキ!ピアノはプリミティブでありながら高度に洗練されたとてもゴージャスな楽器です。

子供の頃大人に言われるままにやっていたことはただ楽譜の通りに音を鳴らしていただけ。それはそれで楽しかったのかもしれませんが、鍵盤を弾くことによって走る快感を知ってしまうと、なぜ「ぼんやり」だったかがよくわかります。「ピアノで自分の表現」とは長い長い修行の末にやっとたどり着く境地かと思っていましたが、全然違いました。

この発見は本当に私の音楽、人生にとって最大の発見と言っても過言ではありません。だって昭和世代はずっと「頑張ればいいことがある」と思い込まされて来た世代です。頑張れば、頑張るほど体が凝り、故障するって、、、。間違っていますよね。

<つづく>
予告:コンプレックス感

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