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音楽のオーラ

ほんっと、偉そうなんだけれどね、私がミュージシャンを選ぶ時の決め手のお話しをしようと思います。マニアックだけれど、こういうことをいつも考えています。

私が80年代にデビューした時に、演奏して頂いたミュージシャンはもうそうそうたるメンバーでした。どういう人達だったかというのは遠藤響子HPのdiscographyを見てね。デビューアルバムの「オペレッタ」とか。

わけもわからずいきなり超一流の演奏というのを目の当たりにして、デビューしてしばらくこれが良い演奏というのかもわかりませんでした。

ファンハウスに移籍した時(1992)、プロデューサーが女性(金子文枝さん)で男社会の競い合いとは全然違う純粋にものを作る環境を整えて頂いた経験、これがすごく良かった!そこで出会ったのがアレンジャーの菅野よう子さんです。彼女のもつ頭の中の広さ経験の広さや、強いセンスは今でも鮮烈に私の中にあります。

「冬の庭」というバラードの楽曲の録音の時、ドラム、ウッドベースにアコースティックギターというトリオの演奏でした。が、何度やってもどうしてもギターが楽曲になじまないのです。とうとうその日はその人本人が「僕には出来ない」と言って帰ってしまいました。代わって現れたのが小倉博和さんです。仕切り直しの録音はもう最高!で、コンソールで女3人きゃぁきゃぁ言って興奮したのを覚えています。

この時私たちはギタリストに何を要求していたのかというと、「呼応(呼吸)」なんじゃないかと思います。あるパターンを会得して、そこで安心して思考停止のまま演奏している人は「呼吸」がありません。

音楽というのは目に見えない交流です。私の好みはクラシックやジャズ、ポップスなどの広い経験もあり、他者が何をしているかという聞く耳もあり、それら全体のご本人が持っているほんの一部を私の曲に余裕をもって差し出してもらうという形です。

ヴォーカルがどう出ようと、会場がどうであろうと聞く耳を持たずパターンを演奏しているだけの人とは私はやれません。井上鑑さんはこの状態を「ただ後で鳴ってるだけ~」と評してました。笑

わけもわからずに接していた大御所のミュージシャン達は余裕もあり聞く耳もありそして強いセンスがあったのだと今なら本当によくわかります。実はその方たちの音楽に対するオーラを私は若さゆえに十二分に細胞や記憶に吸わせてもらっていたのですね。

「輝きたいの」のドラムは村上ポン太さんですが、ポン太さんがエンジニア席にどっかりと座り録音最中の楽曲を試聴した後、私に歌詞を見せてと言って、読み終わった後の表情が今でも忘れられません。何も言っていませんでしたがうなづきながら「わかった」という目でした。

つまりですね、、、自分が安心して自分さえ気持ちよければいいというミュージシャンではダメなのです。遠藤響子は厳しいですね、、、。ハイ、厳しいです。

今回お願いしている伊藤ハルトシ君はリハーサルの時に「僕らは遠藤さんのピアノの音量に合わせて弾いている」と言ってくれていて心底感心しました。良い耳と広い経験、そして向上心や余裕。余裕が深まればそれがやがて愛になります。音楽とは個々が持つそれらエネルギーが呼応し合い具現化したもの。音楽は見えませんが、うまく行けば明かに私たちを魅了します。そんな一夜になるようにしますぞ。

デビュー40周年記念ライブを素晴らしいミュージシャンの方達と致します。是非いらして下さい。

◆遠藤響子40周年記念ライブ「白秋」
♪青い春、朱い夏、季節はめぐり白い秋

人生の季節を表す陰陽五行説の青春、朱夏、白秋という言葉からヒントを得た新曲「白秋」を披露します。
※本公演に配信予定はございません。

2021年11月24日(水) 開場17:30 開演18:30 (途中休憩あり・終演予定20:30)
渋谷・JZ Brat sound of tokyo http://www.jzbrat.com/
出演: 遠藤響子(Vo,Pf)
Musicians: 光田健一(Pf),土井孝幸(B),新村泰文(Ds),伊藤ハルトシ(G,Cello)
予約:7,000円 当日:7,500円(税込・別途要オーダー)

尚、お会計時に税込総額に13%のサービス料金がかかります。

ご予約 03-5728-0168(平日14:00~21:00)

Oct 27, 2021 縦書きブログg.o.a.tからの引っ越し


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