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身体は頑張っている

私たちは、無意識のうちに呼吸して、消化して、排泄という機能が行われています。自動で身体のなかが動いている。素晴らしい機能です。
生きているというのは奇跡。

私たちの身体はたくさんの材料から作られています。身体の成分。
体脂肪と骨と除脂肪軟組織の3要素に分類されます。
体重、体脂肪率、骨格筋率、基礎代謝、BMI、内臓脂肪レベル、体年齢・・。病院ではこれらが健康の評価指標として使われています。
採血や画像などからも症状がアセスメントされ、診断がつく。

こんなデータだけで命を分析しようなんて、浅はか。
人の生命活動はそんなに単純じゃないなと思います。

生きているということは化学反応だと言うこともできます。
1秒間に約2500億ものアミノ酸の分解と合成がされている。
細胞のお仕事には代謝経路が存在し、代謝経路は酵素が触媒する一連の生化学反応によって細胞内の物質が就職されます。解糖系やクエブン・シュライデン回路などがあります。グルコースをピルビン酸とATPに分解する、ピルビン酸を二酸化炭素とATPに分解する。エネルギー産生により生きているのです。

何億年もかけて手に入れた完璧な機能なのです。

昨日、健康診断のために職員の心電図をとりました。
職員は平均の体重よりも重く、誰が見ても肥満。
痩せなければならないと本人も言っていて、いつも身体に不調を抱えているように見えます。
関節炎や高血圧、動悸、動作後の息切れが見られています。

肥満は全身の機能に影響します。
心電図は虚血性の変化が見られていて、心拍数も100を超えている。
安静時に心拍数が100を超えるということはどういうことか。
細胞たちが悲鳴を上げているということが解ります。

身体のなかに脂肪がたくさん貯まるのは、糖質過多が原因です。
私たちの進化や食歴は長い時間をかけて今の身体機能を作っています。
農耕の文化が生まれて、お米を食べ始めたのも100年くらいの生物の歴史からすると浅い。それに加えて、精製された砂糖、塩、甘味料、トランス脂肪酸などの人工のものが加わった。
身体の機能がこれらの分解に対処できない。考えて摂取するべきなのです。

人はいつも食べ物にありつけるわけではないという歴史を持っています。
飢餓に備えた機能を搭載しているということです。
ということは、高血糖に対応できる機能を備えていないということになります。血糖値を上げるホルモンは沢山あるのに、下げるホルモンはインスリンだけです。

糖質は細胞を傷つけ、機能不全を起こします。
傷がついた細胞には、修復しようと他の細胞、成分が集まります。
これが動脈硬化や高コレステロール血症の状態です。

糖質がいつも身体に入ってくるとは思っていない細胞たちは、
エネルギーとして利用しない糖質を脂質にため込みます。
脂肪細胞自体の数は、増えないのだけれど、1つの脂肪細胞はどこまででも大きくなれるそうです。

血管の内腔が狭くなったり、脂肪が多くて臓器が押されたりすると身体機能に正常に維持することはできません。

心拍数100の職員は、動悸、息切れも自覚しているのに、お薬を飲んでいるだけで、生活習慣はそのまま。
痩せなければならないことは理解しているようですが・・。
彼女の採血データは全て正常値です。お薬によって。
この状態、怖いと思いませんか。こんな人が世の中にどれだけいるんだろう。

人の予備力は凄い。
人は生きるために生きようとし、生きている。
細胞たちが全力で生きるという目的のために頑張っている。
心臓が四の地固めをされている状態で全身に血液を送り、酸素と栄養を届けようとしている。苦しいと思います。効率も悪いと思います。
いつか倒れてしまう。どこかが破れてします。破裂してしまう。

細胞が行っているお仕事を分子レベルで考えて欲しい。
知ったら、今の生活を続けるだろうか。

糖質は中毒性が高いマイルドドラックと言われています。
脳の神経回路が強化され、依存となってしまうからです。
栄養が足りているわけではないので、いつも渇望し、もっと食べたくなる。
中毒は脳の機能障害とも言えます。

糖質の取りすぎ、運動不足による健康障害はいろいろな形で現れます。
それも全身に。

看護師でも管理が出来ないというのは、少し恥ずかしい気もします。
人に指導をする立場だからです。

私には何ができるだろうといつも思います。
健康が人生の質を高めること、栄養管理が大切なこと、
食事、運動、睡眠の質について考えて、自分の良いところを見つけること、
いろいろ発信しなければ。
沢山の情報発信と教育、指導しかない。

細胞のストレスを減らす生活を意識する必要があります。
健康のために。

セルフケアが大切です。

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