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・・・やめて!子どもの文字にきれいさを求めるのは!文字と学力の関係性の真相

3月がスタートしました!

3月は弥生。

草木がいよいよ生い茂る月。

生命の誕生にふさわしい、
ワクワクした月にしていきたいですね♪


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教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「字をきれいに書きなさい」

小学1年生の教室では、
このような言葉掛けを多く耳にします。

「きれいに書けることはいいことじゃないか」

「きれいに書けることによって、大人になったときに恥ずかしくない思いをすることができる」

と思う人もいるかもしれませんね。

確かに、
きれいな字を書くことで、
人生の中で得をすることはあるでしょう。

ただ、
それは家庭の教育方針で、
習い事で習わせればよいこと。

学校でそこまで求める必要は、
筆者はないと思っています。

筆者は、
字のきれいさは、
書写の授業以外求めません

その代わりに、
求めるのは字の丁寧さです。

では、

「字のきれいさ」

「字の丁寧さ」

では、
何が違うのでしょうか。

今回は、
そんなところを記事にしてきたいと思います。



字のきれいさと丁寧さ

字のきれいさと丁寧さ。

一見、
同じように見えて、
思想は全然違います。

「字のきれいさ」

とは、
誰か見ても、
字が美しく整っている状態
を差します。

書初めで、
金賞・銀賞・銅賞を決められるような感じですね。

対して、

「字の丁寧さ」

は、
自分なりでいいので、
とめ、はね、はらいなど、
読みやすい字を書くことを差す。

そう、
筆者は考えています。

この両者によって、
どのような影響の違いが出るのかを、
次の章で見ていきます。


字のきれいさ=完璧主義

「字をきれいに書きましょう」

という言葉は、

「結果」

を重視しています。
いわゆる成果主義です。

これは、

「テストの点数がよければいい」

に近い思想だと言えます。

これを求め続けるとどうなるか。

「字はきれいでなければならない」

となり、
少し字がゆがんでいるだけで、
消しゴムで消して直すようになります。

つまり、

「完璧主義」
「他者評価」

な人間に育っていくのです。

人の評価によって、
自分の価値を測ってしまう。

自分に完璧さを求めるが故に、
人にも完璧さを求めるようにもなる。

そして、
欠けている部分を探し、
自分を責める
というネガティブベースな思考に染まりがちになるでしょう。

「字のきれいさ」

を求めるのは、
1・2年生の学年が多いイメージ。

「最初だからしっかり教えなくては・・・!!」

という意識の元、
そうなるのだと思います。

そして、筆者がその子たちを受け持ったときに感じるのです。

「先生の言われた通りにやるいい子が多い」

と。

逆に言えば、

「自分の頭で考えていない」

ということ。

そして、

「漢字が嫌い」
「漢字スキル(ドリル)の取り組みが遅い」
「何度も消しゴムで消してやり直す」

といった子どもたちが、
必ず生まれていきます。

その子たちの縛りを外すには、
1ヵ月、場合によっては数ヶ月時間を要する。

すると、
漢字を伸び伸び書くようになったり、
学習の内容や楽しさに目覚めていく素地が出来上がっていくのです。

ちなみに、
文科省はどのような書体であっても、
それは日本語に該当し、
テストでも正解としてもよいと定めています。

パソコンであるような、

行書体
草書体

でも、日本語的には正解。

つまり、
ちょっと線が離れていようが、
文字が斜めになっていようが、
それは構わないのです。

それを無理やりに整えることは、
ある種、

「規格品である人間をつくる」

といったように、
工場的、機械的な感覚の教育であるかもしれません。


字の丁寧さ=プロセス主義

字の丁寧さでは、

「その人が書ける範囲内で、相手にとって読みやすい文字」

を求めます。

つまり、

「その人が相手を思いやって、努力した姿」

に焦点を当てるのです。

「書ける範囲で」

ということは、
その子どもが書く字の最大限の姿を、
知っている必要があります。

普段からよく観察していることが、
必須となるでしょう。

そして、

いい加減な気持ちで取り組んできたときに見抜くのです。

筆者は、
特に算数の授業の丁寧さに関しては厳しいと思います。

マスに収めることができるはずなのに収めない。
定規で直線を引くことを疎かにする。

これは、

「自分の力を過信している」

ことに他なりません。

こういったクセが身に付いている場合、
計算ミスが相対的に多くなります。

そのクセを修正した方が、
より結果が現れるようになるでしょう。

また、
日記や文章を適当な字で書くといったことに対しても、
時には厳しく、
時には気持ちを伝えて、
修正をうながします。

その文章や作品を読む相手がいるにも関わらず、
それをいい加減にやるということは、
相手のことを低く見ていると捉えられてもおかしくない。

だからこそ、

「この字では先生は読みたくありません」

「読む人のことを大事にしていないように感じて悲しい」

「読む人のことを考えて丁寧だったらもっとうれしいのになぁ」

と、
声を掛け、授業であれば、
単元によってやり直しをさせていました。


字を丁寧に書かせることの影響

ここからは、
字を丁寧に書かせる指導で、
子どもはどう変化していくかを、
筆者の経験や肌感覚をもとに述べていきます。

「字を丁寧に書く」

ことは、何も字だけではなく、
物事に丁寧に取り組む姿勢を養っていきます。

丁寧さを褒めたり、
評価したりし続けると、
精一杯取り組むことを重視するようになる。

つまり、
自分なりの納得感ある取り組みを重視する、
自分軸をもつ人間になっていきます。

自分が立てた目標に向かって、
納得するまでやり抜く人間に育っていくとも言えるでしょう。

現に、
字の丁寧さを意識し続けている子どもは、

作文・意見文・評論文を自分が納得できるまで何枚を根気よく書いてきたり、

なわとび、鉄棒、部活動といった毎日コツコツやる練習を欠かさずやっていたりしていた実感があります。

そのことから、

「丁寧さと生きる力は相関関係がある」

と筆者は捉えていました。

人間の根っことしての部分を高めるので、
国語、算数、体育、図工、家庭科、
そして、人への態度。

全てに影響を与えます。

逆に、
字のきれいさを求められたきた家庭の子どもは、
テストの点数を気にする子どもが多かったです。

「100点じゃない=ミスしてしまった」

と捉え、

「ミスのことを家で言われる。いやだなぁ~」

となってしまう。

そういった子どもは、
小学校高学年になると、
メンタルが崩れやすくなる傾向が、
一部ありました。


まとめ

「きれいさ」と「丁寧さ」。

似たような言葉ではありますが、
その思想はまるっきり違います。

前者は、
大人たちの思い通りにコントロールできる人間を育てることにつながりかねない。

後者は、
根底にその子どもの力を信じる思想がある。

そういったことを知った上で、

赤でびっしり直されるノートを見て、
勉強自体を嫌いになってしまう子どもが減少していくことを願っています。

結果ではなく、
プロセスを重視する教育に。

世間体ではなく、
自分なりの価値観を大事にする教育の方向に進んで行ってほしいです。


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