「先生、修学旅行のグループは好きな友達とがいいです!」の罠
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共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
共育LIBRARYというブログを運営しているりょーやん、元教師です。
子どもたちが楽しみにしている一大イベントである修学旅行、野外学習。
そのような外泊を伴う行事には、グループ活動や部屋割りが付随することが普通です。
そして、
「誰と一緒の部屋になるのか」
「誰と一緒に行動できるのか」
は、子どもたちにとって最大の関心事でもあります。
だからこそ、
「先生~、〇〇ちゃんと一緒の部屋になりたい!」
「好きな友達同士でグループを作ることにしましょうよ!」
と子どもたちから声があがってくることがあります。
しかし、ここで子どもたちの提案通りに受け取ってしまうことには、大きな罠が潜んでいます。
それは、誰もが自分のことばかり考えていて、
「グループに入ることができなかったという子どもが発生する可能性」
を全く考えることができていないということです。
もし、そのような子どもが出てしまったときは、本人は大いに傷つくことになります。
ただ、「一大イベントであるからには子どもたちの思いも反映させてあげたい」思いがあるのも事実。
では、どのようにグループを決めていけばよいのでしょうか?
この記事では、「子どもたちだけでグループを決めさせることの弊害」や「子どもの思いを満たすグループの決め方」を書いていきます。
「子どもの頃にそんなことがあったな」
「我が子が小学生だから参考にしたい」
など、様々な視点や思いをもって読んでいただけると幸いです。是非、最後までご覧ください。
子どもたちだけで決めることの弊害
冒頭にも述べた通り、子どもたちだけでグループを決めさせると、必ずといっていいほど「余る」現象になる子どもが現れます。
誰しもが一人になることが不安なので、事前にコソコソと「4人で一緒になろうね」などの動きも発生します。
それが普段は5人で行動するグループであったとしても、です。
グループや部屋割には、人数制限があるので、ぴったり収まらないグループがあって当然です。
そして、グループ決めを行うと、グループから外れる人が浮き彫りになったり、
「仕方がないから余った人を入れてあげる」
といった現象が発生します。
筆者は、それがとても嫌でした。
表面上であった友情や、「入れてあげる」という上から目線の扱いが露呈するからです。
これが、本当に実力のある教師が受け持った、鍛えられた集団、成長した集団ならばよいでしょう。
誰とでも手を取り合って、自分のことよりも他人のことを考えることができる集団ならば、このような現象は起こりません。
その前に、「好きな人となりたい」という意見が上がってきません。
むしろ、
「私たちは誰と一緒になっても楽しめるのでクジでいいです。」
と子どもたち自身が言ってきます。
ただ、それほど成功している学級経営ができるのは、QUという調査によると全国で1~5%程度であることが分かっています。
筆者はとても、そこまでの集団に行き着くことはできなかったので、子どももある程度満足できて、嫌な思いをする人が公に露呈しない方法を取っていました。
次章では、そのことを含めて解説します。
子どもの思いを満たすグループの決め方
筆者が特に重要なグループ決めの時に活用していた方法は
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紙に同じグループになりたい人の名前を3人書かせ、
その内の誰か一人とは一緒にするように教師がグループを組む
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というものです。
これならば、誰が誰の名前を書いたのかが分かりません。
そして、一人はなりたかった友達と組むことになります。
また、人間関係が円滑ではない者同士を配慮して離すこともできます。
加えて、グループのリーダーシップのバランスも調整することもできるのです。
このやり方を子どもとの話し合いでいきなり提案してもよいのですが、
1番よいのは、年度始めに一度「好きな人同士でグループを作る」というやり方を失敗させておくことです。
例えば4月終わりに遠足があるとします。
そこで、「好きな人同士がよい」という意見は必ずといっていいほど子どもからあがるものです。
そこで、男子3人女子3人のグループを作らなければならないとします。
その時に、事前に子どもたちに確認するのです。
「3分経っても決めれなかった場合は先生が決めます。それならば好きな人同士で一度試してみてもよいです。しかし、もしこれで決まらなかったら先生が決めます。よろしいですか?」
といった具合にです。
そして、タイマーで3分をセットし、子どもたちにやらせてみるのです。
この場合、必ずといっていいほど失敗します。
話し合ってからすぐに決めるので、事前に「一緒になろうね」という相談時間がない。
男女混合なので、男女間で声を掛け合わないといけない。
3分間というのはとても短い時間なので、あっという間に過ぎてしまいます。
この短い時間設定で、誰かが余る現象が露呈する前に終わらせるのがポイントです。でなければ傷つく子どもが出るからです。
例え、
「先生、もう一回お願いします!」
と懇願されても、約束通り先生が決めてしまうのです。
すると、大きな行事前のグループ決めの時に
「1学期にうまくいかなかったこと」
「実はあの時に傷ついている子どもがいたこと」(本当にいなかったとしても)
を伝え、
「でも折角の思い出に残るイベントだから、仲の良い友達と一緒になりたい気持ちも分かる。そこで・・・」
といった形で提案するのです。
それでも反論を言う子どもがいたとしたら
「好きな友達がいるということは、それ以外は好きではないということですね?」
「あなたは、誰かが傷ついても、自分さえよければよいのですか?」
と返すと、大抵は「そんなことはない」と答えます。
子どもなのですから、先の見通しをもつことができないことはあるでしょう。
だからこそ、起こり得るリスクを想定できる大人が、差別が生まれかねない状況を事前に回避する必要があるのです。
まとめ
例え、修学旅行や野外学習などの大きなイベントではなくても、学校生活の中でグループ決めを行う場面は数多くあります。
最も顕著なのは「席替え」です。
ただ、筆者の場合は席替えは全てクジで行い、最後は多少の場所を動かしていました。
そして、
「クジを引いた後、先生が移動させることがあるぞ」
ということも事前に告知していました。
なぜなら、
教師でしか知り得ない子どもの情報が山ほどあるからです。
発達凸凹的に、座席が前の方でなければ集中できない子ども。
一定の子どもに対してトラウマを抱えている子ども。
聴覚過敏があり、声が大きい子どもを周りに置かない方がよい子ども。
斜視があり、見えずらい黒板の角度が存在する子ども。
などなどです。
教室で起こる出来事は、最終的には担任の責任になります。
担任は安全、安心な環境を作ることが仕事なのですから、子どもの見通しをもたない意見に振り回されてはいられないのです。
子どもの意見も聞きつつ、でも説得力ある説明を子どもにし、誰かが傷つくことのないようなグループ決めを行う学校が1つでも多くあることを願っています。
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