根性はオワコンか?「根性」という力の正体
2024年が始まって2週間が経過。
正直、まだ2週間かと思えるほど濃密な時間を過ごしています。
今週も、そんな中身が濃い1週間にしていきたいですね!
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
さて、今週の「お品書き」です🎵
📘今週のLIBRARYのラインナップ📗
(2024.1.15~1.21)
【月曜日】
根性はオワコンか?「根性」という力の正体
【火曜日】
学級平均90点を実現する!どの子もできるようになる「わり算」の教え方
【水曜日】
なぜあの人の話は分かりやすいのか?「話す」を磨くために意識したいこと
【木曜日】
「あいうえお」の謎に迫る!五十音図の授業
【金曜日】
今、若者に何が起こっているのか?「Z世代」と呼ばれる若者の特徴とこれから
【土曜日】
note5か月目の振り返り+???の報告
【日曜日】
微生物×雑草学から考える「ありのままで生きる」とは?
読みたい記事があれば、是非、LIBRARYにお越しくださいね✨
パワハラ。
様々なハラスメントが問題視される中、このワードが急速に世間にしていくようになりました。
やがてそれは、教育の分野にも下りていき、教育現場で「怒鳴る」「威圧する」ような行為もパワハラの対象として取り上げられるような風潮が出来上がっていった。
筆者が10年間教師を務めていた中でも、怒鳴る教師の数は確実に減っていると感じていました。
加えて、部活動が民間委託される流れが強くなってきており、子どもたちに「厳しく」指導する場所というものが少なくなってきています。
真っ当な意見が大事にされるようになってきた反面、
「こんなに甘やかしていては人間としてどんどん弱くなる」
という声もあります。
もはや、現代の日本社会にとって「根性」というものはオワコンなのでしょうか。
今回はそのようなテーマに沿って、筆者の様々な考えを伝えることができればと思います。
身体を楽にして、楽しみながら読んでもらえればうれしいです。
「根性」が必要とされる理由
「現代の若者は弱くなった」
そんな声を最近耳にするようになりました。
叱られ慣れていない。
プレッシャーに弱い。
すぐに会社を休む。
確かに、子ども時代に厳しい環境で育つ人ほど、社会人になったときにたくましく生きている印象はあります。
筆者の経験上、どのような子どもに対しても積極的に関わることができる教師や、荒れている環境でも力を発揮できる教師は、
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幼い時期に荒れている地区で育ってきた教師
厳しいスポーツ活動・部活に入っていた教師
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が多いイメージです。
リーダーシップを発揮し、表裏なく明るく、分け隔てなく誰に対しても優しい人柄をもつ子どもの家庭も、厳しいところが圧倒的に多かったです。
ただ、厳しさに匹敵するぐらい深い愛情を感じる家庭ばかりだったことも間違いない。
そもそも、社会人になったときになぜ根性が必要になるのでしょうか。
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あと一歩のところで商談を粘る力
多少時間がかかってもいいからクオリティの高いものをつくる力
諦めずに何度もトライ&エラーをする力
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そのような場面が会社の大人たちからはあげられそうです。
ただ、これらの力は、頭ごしに叱るような「怒鳴る」といった行為がなくても付けることができます。
根性という言葉を使うから、どうすればよいかという方針は分からなくなり、「今の若者は・・・」となってしまいがちになる。
ならば、根性を別の言葉に置き換えればよい。
それを次の章で解説します。
根性=GRIT×自制心
筆者は、根性は、GRITと自制心が掛け合わさったものだと考えています。
GRITというのは「やり抜く力」と呼ばれるもの。
自制心は自律する力ですね。
どちらも非認知能力という、テストなどの評価では測ることのできない、可視化・数値化できない「生きる力」のような存在です。
根性というのは、この両者と同意義な言葉だと捉えています。
GRITであれば、自分が心に決めた目標に対し、粘り強く取り組み、ちょっとやそっとの障害があったとしてもへこたれず、何度もトライ&エラーをしながらも、達成するまでやり切ることができる力。
自制心は、自分の感情を理性でコントロールし、自分の欲求を押さえながら、より優先順位が高いものを選択し、実行できる力です。
この2つがあったのならば、その仕事に熱意をもったり、決意をしたりすることができれば、諦めずに最後までやり遂げるでしょうし、
その過程で発生する誘惑や自分の心の弱さを制して、仕事をやり遂げることの優先順位を高く設定することもできるでしょう。
このように、根性という抽象度が高い言葉ではなく、より具体的な概念に置き換えることにより、「教育」の方針が見えてきます。
では、GRITや自制心はどのように鍛えればよいのでしょうか。
GRIT・自制心の鍛え方
GRITと自制心は同時鍛えることができます。
1番効果的なのは、好きなもの、夢中になれるものに取り組ませる中で、自分が到達したいレベルにまで成長する過程をサポートしていくことでしょう。
例えば、筆者が勤務していた学校では、ある年に短縄大会というものが行われました。
縄跳びの大会ですね。
しかも、クラス対抗で行われるので、個人戦ではなくチーム戦。
その中の種目に二重跳びリレーというものがありました。
列をつくり、1番手が二重跳びを行い、引っかかったら2番手に交代。
3番手、4番手・・・と続けていき、最後の1人が引っかかったらそのチームはおしまい。
1番長く生き残ったチームが勝ちといったルールです。
この短縄大会の話を聞いた子どもたちは、燃え滾っていました。
そこでクラス全体で、目標を決め、全員で二重跳び1000回跳ぶという目標を確立。
そこからは休み時間に積極的に練習する子どもたちに、筆者が付き添うという形で一緒に目標達成を実現していきました。
教師が激励し、ほんのちょっとの成長を褒め、時には一緒に工夫点を考え、確実な成長が訪れた時に思い切り一緒に喜ぶ。
そんな時間を多く過ごしていく内に、次々と個人目標を達成する子どもたちが生まれていきました。
最終的には、クラスの90%以上が二重跳びが跳べるようになり、
10人以上が二重跳びを100回以上跳べるように。
中には200回以上跳べる子どもも何人も生まれて行ったと思います。
その過程の中で、確実に、GRITと自制心を育んでいくことができた。
結果的に、図工の絵画や、国語の評論文などといった根気のいる学習でも、そのGRITや自制心が転移され、さらに、その力を大きくすることができていたと思います。
そして、何よりもGRITや自制心を育てる究極の方法は、両者の力が高い大人とできるだけ多くの時間、一緒にいることです。
人間のミラーニューロンという神経細胞の関係上、近くにいるモデルを脳はコピーするようになる。
このような具体的な教育方針が分かっていれば、「怒鳴る」のが大切なのではなく、非認知能力を育てることが大切だと分かるはずです。
変わるのは社会の方
子どもたちや、大人も、GRITや自制心といった力を付けていくことは大切だと思います。
これらの力は、自分が思い描く人生を実現するためには、大いに役立つ力だからです。
その力が、結果的に仕事上でも役立つことになるはず。
そして、問題の本質は、
「今の若者は・・・」
という言葉を発しながらも、自分たち自身を変えていくことができない日本の企業や社会の方にあるのではないか。
筆者はそう思います。
理想的で、かっこよくて、憧れるような大人が周囲にたくさんいれば、「その人たちのようになりたい」と自然と目覚め、力を付けていくはずです。
そうなってない現状がある以上、これからどう変わっていくのかを、真剣に考え、決断をしていかなければならないでしょう。
少子化は進むほど、若者は「選べる」立場になっていきます。
その時に本当に生き残ることができるのは、変わり続けた企業・人のはず。
それを心がけていきたいですね。
まとめ
結論を一言で述べるのならば、「根性」は大切。
ただ、根性という力技のようなイメージの言葉ではなく。
GRIT
自制心
のような具体的なものに細分化すると、より明確に方針を立てることができるでしょう。
今や、企業・会社が育ててくれるという側面が薄まりつつあります。
となると、これらの力を育んでいくのは、自分でしかできないことになるかもしれません。
自分自身を強くもち、自分で自分を成長させていくことができる力を、個人でも加速させていきたいですね。
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「コメント」も残してくださる有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。
いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!
明日の記事は、
学級平均90点を実現する!どの子もできるようになる「わり算」の教え方
です。
どの子もできるようにするためには、発達凸凹への対応は必須!グレーゾーン対応の授業を「わり算」のやり方を通して解説します!
是非、楽しみにしていてください🎵
皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊
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開設して1ヵ月で50名以上もの方に参加いただいています!
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