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Vol. 68 「GDP+i」

開いて下さりありがとうございます。宜しくお願いします。


直近数十年の間、一部の国を除いて、国内総生産(GDP)が世界的に伸びていないのはよく知られていると思います。

C(消費)+ I(投資)+ G(政府支出)+ NX(純輸出)からなるGDPですが、全体の中でも比率が大きい”消費”がコロナ自粛によって低迷したので、2020年のGDPは世界でマイナス5%以上になると予想されているそうです。


GDPはこれまで、経済成長の指標とされてきました。しかしここ数年、GDPだけでデジタル化した現代の実質経済を反映できるかと疑問視されています。そこで出てきた新しい指標が「GDP+i」です。

デジタル化した現代では、GDPだけでは経済の成長を測ることが難しくなってきています。実際に、GDPは世界的に伸びていない、もしくは低迷しているにも関わらず、人々の生活満足度は高くなっています


ん?GDPの低迷にも関わらず、生活満足度が高くなっている? 私にとっては衝撃でした。何故だか意味がわからなかったです。


人々の生活満足度を押し上げている正体は、「お得感」でした。


【生活満足度を押し上げている「お得感」とは】


ここで言う「お得感」とは、消費者余剰と言うものです。消費者が最大限支払ってもよいと思う”支払意思額”と”実際の価格”のギャップのことを指します。

LINE電話やAmazon Prime、メルカリなどのデジタルサービスは、驚くべきほどの低価格で、高品質のサービスを提供しています。それが「お得感」として、消費者の満足度を上げているのです。

そして、そのお得感、所謂「消費者余剰」は、現在のGDPには反映されていません。NRIとロッテルダム経営大学院の共同研究によれば、日本では2013年に101兆円、2016年には161兆円の消費者余剰がデジタルサービスから生み出されているそうです。その額は、全体GDPの約3割にも及ぶことがわかっています。

従って、実際の金額としては発現しない虚数=iを含めた、GDP+iが新しい経済指標として注目されています。



【まとめ】

GDP+i の経済指標は個人的には興味深いものだなと感じました。デジタル社会が生み出す消費者余剰が消費者の生活を豊かにするなら、より一層デジタル化の進展が重要であることがわかります。

現在日本は、他国と比べてデジタル化という面ではかなり遅れを取っています。これからの将来、「デジタル化」は既存のGDPを押し上げると同時に、新たなGDP+iも押し上げるということを考慮すると、キーワードなのは間違いありません。


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