赤い糸が結ぶ「愛の賛歌」~フランスパビリオン~
ボンジュール! 今回お届けするのは愛と美食の国、フランスパビリオンです。(冒頭画像は©Coldefy & Carlo Ratti Associati)。
パビリオン紹介の前に、ちょっとした豆知識をご紹介。みなさんはフランスの一大観光名所であるエッフェル塔が、万博をきっかけに作られたということをご存知でしょうか。
フランスで初めて万博が開催されたのは第1回のロンドン万博から4年後の1855年。そして、フランス革命100年を祝う年である1889年のパリ万博に向けて建築されたのがエッフェル塔です。
日本が初めて万博に出展したのは1867年のパリ万博。パリには、世界中の万博開催をつかさどる国際機関、博覧会国際事務局(BIE)の本部もあります。2025年大阪・関西万博も、このBIE総会での選挙の結果、開催が決まりました。
このように万博とフランス、そして日本には深いつながりがあるんです。
フランスパビリオンは2025年大阪・関西万博でメインゲートから入ってすぐの「一等地」に配置されています。
パビリオンのテーマは「アムール~愛の賛歌~」。アムール(Amour)とはフランス語で「愛」という意味で、パビリオンでは「自分への愛」「他者への愛」「自然、地球への愛」、さらには「フランスと日本の間にある愛」について表します。
パビリオンは劇場の舞台をイメージしたデザイン。愛の賛歌に誘われてパビリオンに向かう来場者は、観客であり演者でもあります。建物の両側面は劇場の幕を思わせる神秘的なベールで覆われています。
特徴は正面に浮き出るローズピンク色のスロープ。来場者はこのスロープを上がり、パビリオンの展示場にたどり着きます。
常設展の「目玉」となるのは、フランス中部のオービュッソンで織られた宮崎駿監督のアニメ映画「もののけ姫」のワンシーンを織った巨大なタペストリー。オービュッソンでは15世紀から続くタペストリー制作が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されています。
4月23日の起工式で政府代表のジャック・メール氏は「万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』という難しい問いに、われわれはシンプルな答えを出した」と強調。「日本とフランスを結ぶ赤い糸になる」と宣言していました。
今年の夏にはパリでオリンピックとパラリンピックが開催されます。起工式に出席した大阪市の横山英幸市長は「パリ五輪の素晴らしい盛り上がりを万博につなげていきたいと思う。大阪では引き続き準備を加速させ、万全の状態で迎える」と語りました。(伊)