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日記_2018年5月3日(木)

革命が起きるのを待ち望んでいるのかもしれない。

会社で理不尽なことを言われたりすることや、同性愛者であることを隠すめんどうくささなどから、解放されたいのだと思う。
無意識のうちに我慢していることが色々あって、叫びだしたいのだと思う。

むやみやたらと叫ぶだすわけにもいかない自分は、美しくかっこよくエネルギーを発散しているエンターテイメントを観るのが好きだ。
歌にダンス、芝居など、そのエネルギーを存分に受信できるミュージカルが特に。


帝国劇場で「1789 -バスティーユの恋人たち-」を観てきた。
タイトルの1789年はフランス革命のはじまりとされる、バスティーユ牢獄襲撃のあった年であり、革命派の主人公と宮廷に仕えるヒロインとの身分違いの恋をメインの読み筋として、人々が「自由と平等」を勝ち取っていく物語だ。

不満のたまった平民が舞台前方で1列になって、一気に歌で訴える、みたいな場面が好きすぎる…。「ミュージカルは革命モノに限る論」を提唱していきたい。
「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」などの有名なミュージカルもこういう場面があって、大好き。

抑圧された者の叫び、エネルギーに感化されて、「よし!オレも!」となって、観劇後の休み明けに会社で普段は言えない自分の意見を積極的に会議で言えたり、斬新なアイディアを強気に押し進められたりするようになるとか、ならないとか。

まあ実際に具体的にイヤなことがあって会社やめたいとか思ってるわけでなくても、スカッとするよ、という話。

それにしてもこの「1789」は、ロックテイストのキャッチーな音楽がかっこよく、ダンスもダイナミックだし、疾走感あるストーリー展開で全然飽きない。
テイラースウィフトっぽいカントリー調の愛の歌(「二度と消せない」)があったり、反逆のロックダンスが炸裂する歌(「誰の為に踊らされているのか?」)があったりと、ものっそい今風。オーケストラの生演奏ではない打ち込み系の伴奏というか、スクラッチ音が入ったり複雑なコーラスを流したり、斬新だった。

舞台装置も、白い垂れ幕にプロジェクターで投影して場面を演出したり、舞台後方の壁面が自在に倒れ掛かる構造になっておりいつの間にか出現した足場を出演者がのぼったりと、最先端感MAX。

そんな中でも、農民出の主人公が、同じ革命派だけど高学歴セレブチームと仲たがいしそうになってしまうナンバー「自由と平等」は、なんだか中森明菜の「DESIRE」っぽい、少しなつかしい感じの、あおってくるような曲調で個人的にツボ。

主人公を務める小池徹平や神田沙也加が劇的に歌がうまくて最高なのは言うまでもないが、やはりカレーライスの女ことソニンが飛びぬけて心をゆさぶってくる歌だった…。革命派の女たちを引き連れ女のエネルギーを歌い上げる「世界を我が手に」が、本当に素晴らしくて、ゾワッと来た。このゾワッという感覚を得られるのが、生で観劇する醍醐味だと思う。

なぜ、こんなにスラスラ劇中の曲名が出てくるかというと、パンフレットもCD音源も購入済みだからだ!フハハ!

ちなみにこの「1789」観劇から、
・双眼鏡の導入
・同一公演の複数回観劇
というミュージカル・ファンとしての階段をまたひとつのぼることとなった。

双眼鏡によって、まじで新世界の扉開いた感ある…。名の知れたメインキャストだけでなく、バックのアンサンブルの出演者の方々の顔まで認識しだすと、本当に観劇中の脳みその処理速度がどんどん上がっていった。とりわけ、不意のタイミングでそのバックの中に好みの顔の方を発見してしまったりなんかしたら、脳みそが活性化する、という…。まじ双眼鏡革命。

ミュージカルは、主役級の役を複数のキャストで日替わりでまわしたりするわけだが、その違いを観られる良さも理解しだしちゃったもんだから、本当にこれから先の観劇人生が楽しみ、というか恐ろしい、というか…。いやまじでWキャストでない部分も、日によってこんなに違うんだな、というか、毎日、生み出されているんだよな、という感動…。

オタク界隈では、あるジャンルにハマっていくことを「沼に落ちる」と表現するそうだが、完全に現在進行形でミュージカル沼に落ちていっている。

一般的に、恋に落ちる音、とは久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」のイントロの音だとされているが、沼に落ちる音、は各オタクたちが熱中する作品の音楽が流れていたりするんじゃないかな。

ズブズブ、なんていうダサい音ではなく、自分の場合は1789の激かっこいいナンバーたちを流しながら、落ちていくのだ。

お財布との相談は慎重にしつつ、誰にも邪魔されない無敵の趣味を大切にしていきたい。

「1789」のラストで各キャストが次々にフランス人権宣言を読み上げていく場面があるのだが、その最後のヒロインの言葉で、今日の日記を締めくくりたい。

「自由とは、他人を害さない全てのことを為し得ることである」

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