さよならPDCA
今日このTopicを掲げる深い思いがあります。 今世紀最長の皆既日食。300年に1度の皆既日食と盛り上がっていた皆既日食を観に上海にいったのは2009年7月22日。結果雨。ホテルの最上階展望レストランで朝食をゆっくりと食べながら真っ暗になるだけの経験(涙)。このときは日本から同じ船会社の二隻の客船が日食を追いかけ、一隻は観ることができ、一隻は天候の悪い海域に入り観ることができないという報道がされていました。
2002年6月11日日本全国で4割が欠ける日食は曇り~雨で観られず。2004年10月14日曇りで観られず。2012年5月21日朝から雲が厚かったので金環日食は曇りで茨城県までいき雲の切れ間から薄雲を通して観ることができました。2016年3月9日の日食は大雨で塾生と相模大野のスタバでお茶してました。2019年1月6日帰省先は曇りで観られず。2019年12月26日去年のクリスマスシーズンはグアム島まで行けば金環日食を観ることができたのですが、文科省のお達し講義回数厳命でクリスマスは講義日(涙)、関東は部分日食・・・曇りで見えず。そして今日。
今日は夏至の日食。今年の2月段階では、今頃台湾の嘉義に行き天頂を通る太陽がうみだす足元真下の影を観る予定でした。2月末に撮影機材とか買い込んだのでしたが、、、、今となればマイクとかWebカメラとかウエッブ配信機材を買い込めば・・・機材沼に嵌まるだけか。
台湾で夏至に「金環日食」は195年後だそうです。。。
事業計画とは何なのでしょうか?
大阪湾に現代の戦艦大和と言われる巨大工場群が2拠点で沈みました。投資額が 総投資額は約4250億円とも 6000 億円言われている一拠点と、もう一拠点は投資額3800億円(工場だけ)、周辺投資やインフラ整備費も含めて1兆円とも言われています。武士の情けで実名は伏せておきましょう。
問いかけたいのは、これらの投資に事業計画は立てなかったのかと。
事業計画とは時間の無駄と嘘つき養成
500 Startups創業者のDaiv Mclure氏 は2015年に来日し、氏の豊富なベンチャー投資の経験とそこで得た知見から、事業計画を練ることは時間の無駄と嘘つき養成で、事業計画書とは単なる書き手の妄言であると喝破しました。引用記事では下記だけですが、当時Liveで聞いた人は「そういう人は、小説家か政治家になってください」とまでおっしゃったのが記憶に刻まれていると思います。
VUCAの時代の計画とは
Volatility(不安定)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑)Ambiguity(曖昧)とという前提と計画(Plan)という思想は矛盾しないのかということです。
PDCAは日本製概念
PDCA概念は日本製です。時折、切掛となった米国の統計学者W.E. Deming先生が1950年の来日講演に引っかけてデミングオリジナルを日本で改善したと勘違いしている言説を時折耳にしますがそれは違います。
そもそもデミングは何度もPDCAは正しくないと指摘しました。デミング先生の根底は、考案(Design)と再考案(Redesign)なのです。
話を元に戻すと、この講演を主催した日本科学技術連盟(日科技連)の幹部がデミングの講演を聞いたあとに打ち出したのがPDCAなのです。この思想の根底はフレデリック・テイラーの科学的管理なのです。前に掲載した通りこれは管理なのです。
これらの流れから、デミング団体では、この図にあるとおり早期に枝分かれした別物である歴史を纏めた論文を掲載しています。
出典:Foundation and History of the PDSA CycleRonald MoenAssociates in Process Improvement-Detroit
* PDCA についての論点の整理は財務省所員の方々の資料がありますのでそちらを参考にしてください(ここをポチしてください)。
時代はPDSA
それのみならず、デミング先生はPDSAという概念を提唱しています。SはStudyです。つまりPDCAは、知識社会・知識時代に学習しない実行のみの思考枠組みがはたしていいのか?という問いが日本から立たないことこそが問題ではないのでしょうか。
出典:Foundation and History of the PDSA CycleRonald MoenAssociates in Process Improvement-Detroit
PDCAは大問題を産み出す。
今日PDCAは大問題を引き起こす元凶なのです。このことは別稿で詳しく述べます。学者は「ケチの法則」という先行者と独自性を尊ぶ文化があります。ですので、これら問題点を紹介している記事があるのでそれらを紹介することとしましょう。
OODAループ:コロナ時代にPDCAでは生き残れない??
PDCAが元凶!コロナ禍では現場最重視しかない
「無能な上司の計画」で信じられない大混乱が
原田 勉 : 神戸大学大学院経営学研究科教授 2020/04/20 11:00
上手くいけば計画がよかった。
PDCA思考の怖いところはPlan内のCheckしかしないということです。つまり計画は正しいという前提でその修正しかしないのです。
しかも、多くの場合後付け的に上記のような大阪湾に沈んだ現代の戦艦大和は「事業計画が甘かった」などと理由付け。成功した事例には事業計画が上手く練られていたというとんでもない正当化がされているのです。
データを集め分析し未来を予測する。その天才経営者がデータ分析とマーケティングのお手本と言われた会社から某会社にやってきました。その経営者がその会社をガタガタにしてしまう事例をどう考えればいいのでしょうか。彼の在任中その会社の事業計画発表は立派なものでした。問題は、その後の結果が伴わなかっただけなのです。
その一方データを集め分析し未来を予測するというマーケティングサイエンスを信奉しガラケーユーザーのデータを分析し競合他社を分析し経営戦略を練っていた日本企業はその後その某会社が開発した製品に市場の全てといえる程を奪われ市場撤退を余儀なくされます。
先ほどの某社では、追い出した創業経営者を復帰させて、その創業経営者がポケットからだした製品に日本企業は事のごとく駆逐されました。
はたして日本企業は事業計画も立案せずマーケティングリサーチもせずPDCAも回していなかったのが原因で携帯電話は二つ折りから板一枚に取って代わられたのでしょうか。
冒頭で2009年のクルーズ客船にて日食を観測するツアー。日本近海で私の知る限り(報道記事を集めて知る限り)7隻の客船がツアーを催行し、観測ができたと胸を張っていえるのが4隻、全く観ることができなかったのが、2隻、雲の切れ間から瞬間だけ部分日食時にチラ見できたのが1隻。ちなみに、定期運行のフェリーで回り道をした(定期航路だがら追っかけるというほどのことはできない)のが4隻。うち観測できたのは1隻。チラ見できたのが1隻です。
これらの船長は客船を任されるほどの熟練者で気象や天文の知識経験が豊富なはずなのになぜその結果に差が出てしまったのでしょうか。これは事前計画立案の失敗ないしは練りのまずさなのでしょうか。情報収集の差違=天候の予報を船長毎(同一船主の2隻で結果の差が出ている)に入手困難性があったのでしょうか。
なによりも日食と客船といえば、「ダイヤモンド・プリンセス」で航く
金環日食観賞!那覇・台湾リゾートクルーズ9日間が計画されていました。
結局、今年の日食は
写真の通り、最大に欠ける時間17:11に雲の切れ間からチラッと太陽が見えました。日食グラスではちょっと欠けた太陽が・・・雲の形からなのか???
気象予報士の森田正夫氏のような悟りが私にもあれば・・・
銀座。17時10分ごろ。今回の日食の最大時のはずだが、この雲では見られない。しかし、この雲の向こうに半分近く欠けた太陽が有ると、想像すればいい。 #日食 pic.twitter.com/r4iLBjSlVW
— 森田 正光 (@wm_morita) June 21, 2020
福沢先生の卓越性
なんで、我が国の知見を捨てて人々はVUCAだとか、PDCAというAlphabetで物事を言うのでしょう。
先達はこのように明治時代初期におっしゃっているのに。
必竟世の事変は活物にて容易にその機変を前知すべからず。
之がために智者と雖ども案外に愚を働くもの多し。
学問のすゝめ 十四編
昔の人は偉かった。
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