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チームメンバーへ、「ありがとう」ではない感謝の伝え方。

私の所属する会社では、定期的に職場満足度アンケートがあります。

職場に関する設問が20個ほどあり、それにたいして「そう思う~そう思わない」の間で5段階評価をつけます。そしてポジティブ評価がどれだけあるかがスコアでフィードバックされます。

これは会社の平均などと比較することができるのですが、私の職場では会社の平均をはるかに下回るスコアを記録しました。

これによって誰かが評価される、というものではありませんが、このスコアの結果を見て、職場でどうすべきか話し合いましょう、となるわけです。

私が受け持っている課でも時間を取って話し合うことにしました。

「感謝」と「尊重」がない職場。

メンバーを集め、スコアについて説明します。
そして、それぞれの設問に対し、どうしてこのようなスコアが出るのか、どのようにすればポジティブになるのか、を話し合いました。

スコアの低い設問はたくさんありましたが、その中に「職場ではお互い感謝したり褒めたりすることができる」というところと、「職場では様々な価値観を尊重している」という設問が目立って低いスコアになっていました。

課メンバーと話す前に、私は上司とこの結果を見ながら会話をしました。私の上司は、「感謝がないって言ってるけど、僕は常に”ありがとう”って言ってるけどなあ」というわけです。実際言っているかと言えば、言っています。その通りです。

ではなぜこのスコアが低くなるのか。

課メンバーと話すと以下のような発言がありました。
(なお、課メンバーと話すときは私の上司は参加していません)

「ありがとうって言われたくて仕事してるんじゃないよ」

聞きたいのは「ありがとう」ではない

私たちの仕事は事業企画です。一つ一つの判断は部長や役員が関わります。メンバー一人一人はその意思決定に向け材料をそろえていきます。

トップが議論している中で、様々な指示が飛んできます。
スピード感もみんな理解していますから、頑張って対応して、上司に報告をしていきます。そして上司はその材料をもって役員と議論するわけです。

そして、無事何らかの意思決定がされると、上司から「ありがとう、みんなのおかげで役員が納得してくれました」という”ねぎらい”の言葉があります。

でも、この職場は「感謝」と「尊重」のない職場です。

どういうことでしょうか。

上司がメンバーに作業指示を出します。メンバーはそれを頑張ってやり切ろうとします。なぜでしょう。上司からの指示だからでしょうか。

すくなくとも、私の課のメンバーは上司からの指示だからやっているわけではありません。
自分たちが作っていく事業の意思決定をするために重要な仕事だと思っているからやっているのです。

そうだとしたら、どんなコメントが欲しいでしょうか。

「ありがとう」”だけ”ではありません。

仕事に対してフィードバックすることが「尊重」

上司の指示に応えた結果、どのポイントが有益だったのか。また、足りないところは何だったのか。実際その材料で役員は何を考えたのか。どのようにコメントしたのか。何を決定したのか。

一人一人が時間をかけ、頑張った仕事がどのように影響したのか。そのフィードバックが欲しいのです。こういった情報を伝えることこそ、一人一人を尊重していることになり、感謝していることになるのです。

しかし、「ありがとう」と言えば感謝していることになる、と思っている人がいます。私もそう思ってしまうことがあります。

しかし、それは「感謝する人」の論理です。「感謝される人」の立場には立っていません。相手の立場に立てない、ということは「尊重」していない、ということです。

相手を「尊重」することで「感謝」が成立する

もちろん、上記の事例はあくまで私の課メンバーの話です。誰もが同じことを思っているとは限りません。当然のことです。

大事なのは、相手が何を大事にして、自分のために仕事をしてくれたか。それを考えることです。

そして、考えていることを可能な限り伝えることです。
必ずしも合っているとは限りません。でも、考えて感謝を伝えようとしていることは必ず伝えるべきだと思っています。そういった姿勢は伝わるものだと思います。

上司部下ではなく、一人一人の人間として、相手を知ろうとする、尊重しようとする、それができるチームにしていきたいと思っています。

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