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Kintoneで創造力を刺激し、自発的なDX活用を促す。

昨今DXが叫ばれますが、DXは人材育成の格好の機会です。

私の仕事は事業計画なので、毎月の売上集計などルーティンが多く、DXという言葉のない時から様々な方法で効率化をしてきました。

よくあるのがMicrosoft Accessです。
売上明細のようなデータを分析できるように、アルファベットの社内コードになっているところに顧客名をつけたり、品番しかないところにパラメータを使って製品名をつけたり。
こういった作業をAccessを使って時間短縮してきました。

そして、たまにある分析をしたいとなったときに、例えば顧客を日系顧客、欧米系顧客などに分けて分析したい、となったらそれをAccessで集計。

上司の指示を早く理解して、すぐクエリを組んでデータ提供する。それが担当者の優秀さを表す指標でした。私も昔はその対応力で評価してもらったこともありました。

なんて思い出話のように言っていますが、今も変わりません。まだ20代の若手が、「僕は数字に強いです」なんて言うので、数字を見てすぐ課題の仮説でも立つかと思いきや、そんなこともなく、とにかく集計したりAccess対応するのが速いだけ。上司もそんな彼の自尊心をくすぐりながら便利に使っています。

Accessに強いので、上司も彼をDX担当に指名して、RPAを組ませたりしています。自分の自信作のAccessの操作をRPA化するので、彼も意気揚々とやっていますが、私は危機感を持ちました。

今の仕事の仕方を疑うことがなくなってしまってるからです。
決して今の仕事が間違っている、ということはありません。今、会社のシステムで集計されるデータは使いにくいのは事実ですから、今やっているようなデータ整備は必要なんです。

でも、それが仕事ではありません。

データは使って初めて価値があります。作るものではありません。DXをRPA化だけにしていると、その先のことを考えません。
今は過去と同じような判断ではうまくいかない時代です。データを作って、成功体験のリピートで判断してれば右肩上がりに成長できた時代ではありません

いかに関係者の知恵を集め、オープンに議論して、チームが納得して進める方向性を導き出せるか。それが重要であり、それをサポートするツールが無ければいけません。

最近、私の部署で導入したのがサイボウズのKintoneです。
私が担当する業務で海外子会社とのデータの受け渡しにばかり時間がかかっていることにストレスを感じ、関係者間のコミュニケーションや議論を活性化できるツールがないか、と思って探してきました。

初めはサイボウズデイズというイベントに参加し、そのツールの背景にある想いに共感しました。サイボウズの唱える、「これからありたい会社像」に対し、笑ってしまうくらい私の会社が逆を行っていることにも驚きましたが、やはり「情報の共有とコミュニケーションが大前提」である、ということはこだわっていきたいと強く感じ、Kintoneを私の部署で導入しました。


まず海外子会社との業務に導入しました。

Kintoneを導入するときに関係部署に話したことはシンプルです。
・情報は全員からリアルタイムにアクセスできるようにしました
・情報の横のチャットでオープンに会話してください
・相手が決まっている会話でも、1対1のメールではなくチャットで見えるように会話してください
・会話を見て入りたいときは遠慮せずコメントしてください
これでコミュニケーションが活発になりました。すぐ解決できるし、一つの議論に入る人も多くなりました。

この様子を見て、一つ気づいたことがあります。

Kintoneでコミュニケーションが活性化した様子を見て、もっと改善したいことが出てきた」ということです。それは私だけではありません。「Kintoneを使ってみたい」という声が出始めたのです。

それはなぜか。

情報のやり取りだけでは業務は完結しません。そこには必ずコミュニケーションが必要です。相手がいるのが仕事ですから。その人からのフィードバックが無ければ成立しないのは当たり前。

・・・ということに気づいたからです。

「Kintoneを使ってみたい」と思う人から話を聞くと、「コミュニケーションをしたい、残したい、見えるようにしたい」というニーズが非常に多いです。それだけ今まで透明性がなくフラストレーションをためていたんですね。「この業務をKintoneで進めたらもっと早くなるし、決断が速くできそう」と気づいたことも多かったようです。

情報が開示され、コミュニケーションが見えるだけでこれだけ仕事に対する想像力と創造力が刺激されるんだ、と気づかされました。組織力向上と人材育成に間違いなくいい影響を及ぼしています。

まだその価値に気づいていない上司は多いのですが、わからない人には説明は無駄です。気づいてもらうしかありませんので、スモールスタート、スモールサクセスでジワジワ行こうと思います。

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