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【noteで学ぶ腸内細菌学83番外篇:虫歯治療で抗生物質を飲むことになった話。】

 こんにちは(o・ω・o)カエルです。
 腸内細菌系のnoteなんですが、ちょっと横道にそれた話。というか、本道沿いの細い路地みたいな話。
 
 カエルは幼少の頃から虫歯で歯医者にかかることが多く、それは実家が菓子屋だったからかもしれないし、歯の手入れが下手だったからかもしれないし、口内の悪玉菌が多かったからかもしれないし、もしくは体内の善玉菌が少なかったからかもしれないのですが……、

 本日、約2年ぶりに歯医者にかかりました。
 というのも、一昨日の夜から、以前治療した奥歯が痛みだしたのです。
 歯医者の予定が取れなかったことと、仕事の都合で1日我慢することになり、何とか我慢したものの、昨夜はズンと奥歯が響くように痛くて眠れないほど。
 
 朝起きると同時に痛みと戦いつつ歯医者へ。
 
 奥歯の被せ物を取り、以前入れた詰め物を取り除き、麻酔を3回かけ、奥歯の神経も抜き(もう死んでた)消毒をして、次回の治療まで消毒と殺菌をすることに。

 で、最後に処方されたのがこちらのお薬。

 ジェネリックなお薬の『アモキシシリン カプセル』です。
 初見で初耳なんですが、まあそれは別によくて、このお薬、『抗生物質』です。
 
 そう、腸内環境を守りたい、腸内細菌の多様性を保ちたい、そう思い食べ物を選び、運動をして、睡眠に気を遣っているカエルの天敵の1つ、『抗生物質』です。
 
 飲みたくないけど飲むしかなく(本当に歯が痛い)歯の治療を進めるためには通れない道なんですが、とりあえず知らないお薬だったので調べてみました。

■総称名 アモキシシリン
・一般名 アモキシシリン水和物
・欧文一般名 Amoxicillin Hydrate
・薬効分類名 合成ペニシリン製剤
・薬効分類番号 6131
・ATCコード J01CA04
・KEGG DRUG D00229 アモキシシリン水和物
・商品一覧 米国の商品 相互作用情報
・KEGG DGROUP DG01480 ペニシリン系抗生物質

 ま、この辺は専門的なものなので置いといて、問題は「何の菌に効くのか」てとこ(まあお察しですが)


<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,淋菌,大腸菌,プロテウス・ミラビリス,インフルエンザ菌,ヘリコバクター・ピロリ,梅毒トレポネーマ

<適応症>
表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,びらん・潰瘍の二次感染,乳腺炎,骨髄炎,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染,膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),精巣上体炎(副睾丸炎),淋菌感染症,梅毒,子宮内感染,子宮付属器炎,子宮旁結合織炎,涙嚢炎,麦粒腫,中耳炎,歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎,猩紅熱,胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症,ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

 見事に、胃腸を幅広く覆う効能のお薬でした。

(蛙・ω・)<悪玉菌である大腸菌を殺して、その他の日和見菌や善玉菌を殺さないはずがありませんね。ありがとうございました。

 どころか、乳腺・子宮・肌、など、常在細菌が存在する場所の細菌に満遍なく隅の隅までずずずい〜〜っと効く。
 おそらく、ヒトの身体の細菌全てに効く(殺す)。

 さて、腸活や腸内フローラをより良く保つ上で、食事で外から菌に必要な栄養を摂ることはもちろん重要ですが、それ以上に、今 体内にいる細菌を減らさないように注意することがさらに大事です。

 何せ、一度体内から失われた細菌は戻って来ず、外から取り入れた菌(ヨーグルトや発酵食品やサプリメントなど)は定着しません。
 
 減少した腸内細菌を元に戻すことは難しい。
 ということ。
 いくら腸活に力を入れても、お薬の力で菌を殺していては水の泡です。

 小児科における乳児への抗生剤投与の腸内細菌への影響(細菌の減少)をまとめた論文ですが、ざっくり書き出すと

抗生剤投与後、
・4日でフェカーリス菌が減少(検出されなくなった)
・5日目からバクテロイデス菌、クロストリジウム菌が減少
・下痢症状が見られ、食事療法・下痢止めでも快復しなかった

 とのこと。
 まあ、どの菌も日和見菌ではあるものの、腸内細菌の約7割を占める細菌が減少したと考えると、抗生剤の影響力・殺傷力が解るというものです。
 さらに、腸内環境が荒れると便秘や下痢の原因になりますが、乳児にも同様の症状が見られ、下痢が高頻度になり、快復も見られなかったそう。
 
 感染症などの治療で抗生物質を使うのは致し方ないのですが、腸内環境がどれだけ荒れ果てるのかを考えると恐ろしくて仕方ありません。

 腸は人体における免疫機能の主幹ですし、腸内細菌はヒトが罹患する病気に対する免疫遺伝子の7割を保有していると言われています。
 
 病気を治すために抗生物質を投与するのに、病気に対する免疫を根こそぎ殺してしまうのですから、元の木阿弥もくあみとはこのこと。 

 今回カエルは虫歯治療のために抗生物質を飲むことになった訳ですが、できることなら抗生物質を使わない治療をしたいですね。


(蛙・ω・)<皆さまもどうかご自愛くださいませ。

 

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