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記事一覧

落合陽一による「テクノ民藝」という概念についての思考メモと「環世界」の問題

 出版社としてのPLANETSの今年2024年の目玉企画はなんといっても、落合陽一の新著『マタギドライブ』だ。このペースで行けば夏の終わりか秋ごろには出版になる……はずなのだけど、それはまあ、著者本人も含むチームの頑張り次第、としか言いようがない(昨晩も「ZOOM缶詰」を行った。お疲れ様でした……)。  さらにその前日、つまり3月2日はPLANETSCLUBと落合陽一塾の合同イベントを行って、この執筆中の『マタギドライブ』について、僕が落合さんに質問するかたちで話してもらっ

GA4で特定の日にアクセスが爆増した時に見る記事

こんにちは、とだです。 普段はオフィスがある四ツ谷の美味しいグルメ記事などを書いているのですが、今日は真面目にサイト解析の話でもしようかなと思います。 GA4で特定の日に数字が伸びまくってる!バズったか?!GA4で自社のサイトをアクセス解析される方、よくおられると思いますが、特定の日だけすごい伸びてて「やった!アクセスがすごい!」と思うこと、ありますよね。 実はこれ、スパムです。 もし、みなさまのアナリティクス上でもこういうようになっている場合、90%ぐらいの確率でバズっ

ギリシア神話と織り(Kritsa: Agios Nikolaos・・ヨーロッパ放浪記(10)

巧は染織アーチストだが、その原点は実はギリシア神話である(以下呉茂一訳)。 「夜」が生み出したヘーシオドス以来の神格である運命の女神たち、三人娘というか、三老女神モイライである。 クロートー(紡ぐ者)は、現在を織り紡いでゆく。 ラケシス(領け与える者)は、未来の糸口を解き各人に領けとってゆく。 アトロポス(曲げえない者)は、過去を歌いつぐ。 つまり、アトロポスは、織られた部分、クロートーは、今この瞬間に織られている部分、ラケシスは、これから織られるであろう部分である。 最期に

ワイルドライフ② 葛器

古来より吉野は葛の産地です。 葛はつる性の植物で大きな三枚の複葉が特徴であり、初秋には濃紫色で房状の美しい花を咲かせます。その根から採れる葛粉は食材として利用されています。吉野山の絶景を眼前に食した本葛きりのほんのり甘かったこと。自然の優しい甘み。つるんとして、でも絡みつくような独特の食感。そしてその美しさ。 葛は不思議な素材だとも思っています。根からもみ出した澱粉を水晒しして精製された純白の葛粉。途方もない労力の結晶です。その葛粉を水で溶いて湯煎すると白く固まり

「プラットフォーム化する社会への対抗策はコミュニティではない」という話(庭の話 #17-1)

昨年末から僕が『群像』誌で連載している『庭の話』を、数ヶ月遅れで掲載しています。今回載せるのは第17回です。過去の連載分は購読をはじめると全部読めるように設定し直しておいたので、これを機会に購読をよろしくお願いします。(今回、長いので3分割しました。これが最初の1/3です。今月の購読すると全部読めます。) 1.プラットフォームと共同体の共犯関係  プラットフォームから「庭」へーー社会を一つの巨大な村落(グローバル・ヴィレッジ)の文脈に回収する承認の交換のゲームが機能しない

スマホでのGoogleカレンダーのインポートのやり方【地球暦】

【🌏地球暦グーグルカレンダー2021✨】が大公開されましたー! どなたでも自由にお使いくださいとのことです! Googleカレンダーファイルはパソコンでインポートするようになっており スマホの「Googleカレンダーアプリ」からはインポートができません(2021年3月現在) そこで「Chrome」などのスマホのwebブラウザで PC版(web版)のGoogleカレンダーを開いてインポートを行います。 ※少々ややこしいので、パソコンお持ちの方はこちらの記事で説明しているやり

成功は運か努力か才能か?についての考察

「人生は運ゲーに過ぎないのか?」「運ゲーだとしたら攻略法はあるのか?」というテーマをここ数年ずっと考えていて、自分なりに納得できたので備忘録として書き残しておこうと思う。 今の時代に「努力は報われる」といった話を素直に信じることはできないのは明白だが、分不相応な夢は描かないほうが良いという雰囲気もある。 そこで、昔から続く「成功は運か努力か才能か?」という疑問に対する考えをまとめてみることにした。 才能ではなく運が支配する世界2022年のイグノーベル経済学賞に非常に面白

もっとお金の話をしよう

ふと、イラストレーションの制作費、使用料についてのツイートをしたところ、思いがけずたくさんの方にご覧いただくこととなり、さまざまなご意見もいただきました。どうもありがとうございます。 ちょうど、ぼくが講座を受け持っている画塾で話す予定だった「イラストレーターにまつわるお金の話」の資料を作っている中で、部分的に内容を抜粋して発信したものが今回のツイートになりました。 価格についての話題は今回に限らず常にどこかで話がされている印象です。それだけ結論がだせないテーマだということ

皆さんの歩いた軌跡から、コースタイムの「ものさし」を創りました

こんにちは。YAMAP データ分析チームの斎藤です。 実はここ数年、安全登山・ウェルネスプロジェクトの一環として「YAMAP」ユーザーの皆さんのGPSログからコースタイムを『標準化』する取り組みを、登山の運動生理学の第一人者、山本正嘉教授と共に、粛々とおこなってきました。 「標準化」とは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、交通標識やトイレのマークのような、私たちの共通認識になっている「ものさし」を指します。 世界の至る所にある「ものさし」は、私たちの生活をより安全で

野良着を自作してみた【たつけ】

PUNKな季節労働者ですどうも! こんなご時世ですが農業はなくなりません。 もうすぐお茶(新茶)の収穫がはじまるので農作業用のズボンを作ってみました。 the野良着 theたつけthePUNK 野良着とは昔の人が農作業で来てた作業着です しゃがんだりしても動きやすくかつ涼しいように作られてたそう。 野良着と聞いてなんとなく思いつくのは「もんぺ」 なんかお婆ちゃんが履いてそうなやつ それらひっくるめて野良着です。(多分) はいかっこいい なぜ作ろうと思ったのか茶園で脇が擦

バズって感じたこと。音楽好きの人々は「音楽史」に何を求める?

昨年末、「クラシック音楽史とポピュラー音楽史を繋げてみた」というツイートを図解年表付きで投稿したところ、ありがたいことに1万RT/4万いいねを超えるバズをいただきました。 その後、図表は何度か改訂いたしまして、現在、下記の記事で最新版PDFを更新・配布しています。 このツイートが広まったおかげで様々なコメントや引用RTも頂き、興味深く拝見いたしました。今回は、そのような様々な反応から感じたことや気づきを綴りつつ、改めて僕がこのような図を作った意図・問題意識と、それが達成で

クラシック音楽史とポピュラー音楽史を1つに繋げた図解年表 (PDF配布)

従来の学問的な「クラシック音楽史(西洋音楽史)」と、各ジャンルを個別に追うことでしか情報が分かりづらかった各「ポピュラー音楽史」を、一つの時系列に並べてみた図解年表です。 クラシック、ジャズ、ロック、ヒップホップ、クラブミュージック、映画音楽、ミュージカルなどを網羅した、今までにない視点の表が完成できたと自負しています。 この記事をPDF置き場にして最新改訂版を随時更新することにします。 初版よりかなり加筆・修正していますので是非こちらの最新版をチェックしてみてください

LLMを使い続ける中で,オブジェクトと身体と言語についてぼんやり考えている.

xDiversityのみんなで久々に研究テーマについて考える会があった. 最初,遠藤さんのnoteを踏まえて議論が始まった. 私も最近は言語オブジェクトばかりやってたから,この辺に興味がある. arxivにおいておいた,論文がちらほら拾われているのを目にする. さて,そんなコンテクストで,上の研究メンバーでの議論を見てみよう.いつも通りwhisperだ.GPT-4の校正をそのまま出しているので,話者とその人間が発話したかどうかは必ずしも正しくない(本にすることなどがあ

GPTはドラえもんではなくのび太であり,ドラえもんの方が人間である.

これが最近気になって仕方がない. 機械という設定の方に人間を求め,人間として感情移入させる方はあえて機械的な振る舞いをさせる.それがリアリティというなら,我々の信じるものは,GPTの作るキャラクタの方が感情移入しやすいヌルオブジェクトなのかもしれない.そして,リアリティのために機械の方に人間性を求めることになる.この矛盾は非常に興味深い.