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聴いた曲を紹介する日記(番外編):『帰ってきたミエハルカラオケ夏バージョン』に参加してみた(秋元康「ポニーテール」曲3選)

「秋元康作詞でタイトルや歌詞にポニーテールが登場する曲3選」

以前、チェーンナーさん主催で各々がカラオケ曲3曲をNoteで紹介する「GWカラオケ2023」に参加(便乗)したのですが、チェーンナーさんの呼びかけ、ミエハルさんとの共同主催で「ミエハルカラオケ夏バージョン」の開催が宣言されていたので、今回また参加させていただこうかなと思います。

元々「自分が歌うカラオケ曲でなくても良い」というルールはあったものの、前回は「自分が歌うカラオケ曲」を3曲選曲したのですが、今回はカラオケにこだわらず、独自テーマ「秋元康作詞でタイトルや詞にポニーテールが登場する曲3選」というニッチなテーマでお届けします。
今回選んだ曲のうち2曲は個人的に書いている「聴いた曲を紹介する日記」でも取り上げているので、既に書いている内容とダブる部分もあるのですが、このテーマでダブる人はなかなかいないと思うので、オリジナリティは出せそうかな、と。
それではどうぞ。

■ドローン旋回中/櫻坂46

『♪ポニーテールの君を追いかけたいけど モタモタしてちゃ追いつかないじゃん〜』

個人的に現時点で2023年のアイドルソング個人的ベスト。
作詞、作曲、編曲、MV、全て完璧で、へたすると今年いっぱいどころかしばらくこれを超えるアイドルソングは出ないのでは……とすら思う。
それくらい名曲。
普段あまり安易に使いたくないのだけど「神曲」と言ってもいいくらい。
つーか今回この曲をとにかく紹介したさすぎてこのテーマを設定したまである。

「作詞」というのは、小説と違って、リアルな物語の情景や心象を描くものであると同時に、リアルそのものを書くのではなく、テーマの比喩を盛り込んだりするものだけど(たとえば「燃えるような恋」は本当に物理的に発火しているわけではない、とか)、この曲はそのバランスが奇跡的なところで上手くいっている曲だと思う。
詞だけでもこのバランスは傑作であったのだけど、独特なMVの世界観によってより一層強固なものになった印象があるので、詞やメロディなど楽曲だけでなく、MVの映像もぜひ見てほしい。

この曲の詞の世界観をただ単純にリアルな物語として受け止めてしまうと
『(ドローンで)いつでも君を見つめていたい』
……という、ちょっと怖い、ストーカー的な物語になってしまうのだけど、これは「作詞」だからこその「それくらいの好きだという気持ちを喩えた比喩」でもあり……と、作詞テクニック的な面から単純に解釈できるだけではないところがこの曲の詞の凄いところで、この物語中の『僕』がもし仮に本当にドローンを使って空から『君』を見ているとしたら……という見方をした時に、
『ここにいるのに気づかない僕の存在』
『君が大切すぎて指一本触れられやしないさ』
という詞に別の物語、具体的には「ドローンは本当に比喩で、実際にドローンを使っているわけではないけど、『僕』は本当に空から『君』を見ているのではないか?空から見ているのだから=ドローンで見ていると思っているのは、聴いた人だけでなく『僕』の思い込みでもあるのではないか?」という解釈の可能性が浮かんでくる仕掛けは、語彙力の無い自分には「天才」としか評しようがない。
秋元康がそれをどこまで意図していたかはわからないけど、少なくともMVの監督はこの解釈をした物語をMVに盛り込んでいると自分は感じた。

■根も葉もRumor/AKB48

『♪ちょっと会ってないうちに見違えるくらいルージュが似合う女と呼ばれてたなんて だってあの頃はまだポニーテールにシュシュ〜』

AKB48のポニーテール曲(ポニーテール曲?)といえば2011年発売の16枚目シングル表題曲「ポニーテールとシュシュ」がやっぱりどうしても挙がってくるけど、そこから10年後、2021年の58枚目シングル表題曲「根も葉もRumor」は、その10年の時間の経過が作詞の中の物語に組み込まれている仕掛けが強く印象に残る曲。

「だってあの頃はまだポニーテールにシュシュ(の女の子)」が『〜ちょっと会ってないうちに見違えるくらいルージュが似合う女と呼ばれてたなんて』になるの、エモさと寂しさの感情が押し寄せて「うわーっ!」ってなる。

■君のことをまだ何にも知らない/青春高校3年C組(青春高校3年C組アイドル部)

『♪グレーの制服を着た(違う高校)ポニーテールが目印 エンジェルと僕は呼んでた』

個人的に2020年の年間アイドルソングベスト。
詞の中の物語としては、秋元康作詞曲定番(?)の「ポニーテールが目印の違う高校の女の子への片思いで一歩踏み出せない僕」の物語なのだけど、『エンジェルよ奇跡待ってるよ』と受け身の姿勢だったり『いつかごく自然にさりげなく「おはよう」って声を掛けたい』『卒業までに伝わればいいな』と行動に移さずに願望だけは溢れ出まくって『君のことまだ何にも知らないんだ』と嘆くだけの『僕』が、ラストの大サビで『君のことまだ何にも知らないんだ』で終わらず『君をもっと知りたいんだ』と一歩踏み出す予感を感じさせるところでエモすぎて泣きそうになる。

MVは、曲の中の「君と僕の物語」にとらわれない、「様々な2人の物語」が描かれる映像になっていて、これもめちゃくちゃ良い。

テレビ東京が番組を制作、放送していた「青春高校3年C組」のプロジェクト自体はおそらくコロナ禍が致命傷になって(コロナ禍では集客イベントもできなかったし、そもそも演者側で大人数で集まること自体難しいという判断があったと思われる)既に終了してしまっていて、勿論アイドル部も含めて全てなくなってしまったので、今はリリースされた曲が聴けるだけなのだけど、この曲は他のアイドルグループ、他のアーティストにぜひカバーして歌い継いでもらいたい名曲だと思う。
(「青春高校3年C組」の番組に当時NGT48の中井りかさんが出演していた絡みか、中井りかさんのNGT48卒業コンサートでセトリに入ってたことはあった)

■余談

今回、秋元康作詞の「ポニーテール」曲を調べてみたのですが、自分が調べた限りは約30曲くらいで、普通の作詞家なら30曲はすごい量になるのですが、秋元康としては意外と少ない印象でした。
個人的には、秋元康はもっとポニーテール曲を書いてる印象だったので。
秋元康のポニーテール曲には基本的にハズレ無しだと思っているので、秋元康にはこれからもポニーテール曲をまだまだ書いてほしいなと思います(単に自分がポニーテール女子好きすぎるだけかもしれませんが)。

■おまけ

過去に書いた「ドローン旋回中」と「君のことをまだ何にも知らない」の「聴いた曲を紹介する日記」と「ドローン旋回中」のMV考察。


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