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単発の小説

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単発の短編小説・ショートショートはこちらにまとめています。
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#毎日note

『パイン』

「この前な、新しいテーブルを買おうと思ってよ」 「ああ、いいじゃないですか」 「家具屋で、…

『おばけ探知機』

  ネット通販で『おばけ探知機』というものが売っていた。 『緑に光ると霊はいない』 『青く…

『花嫁のための最高の結婚式』

  私は幸せになりたかった。 「結婚しよう」  7年付き合っていた彼がそう言った。  私は…

『小山話』

「明日の山の日は、“山のような生活”をすることにした!」 「つまりどのように?」 「“動か…

『タイムラインで繋がるように』

「こんなアプリが出たのか」  テレビでイラストが飛び出す動画が撮れるアプリが紹介されてい…

『すれ違いのはなし』

「花、水やった?」 「ちゃんとティッシュでかんだよ」 「やりすぎると根、痛むから気をつけて…

『目玉焼きに何をかけるか』

 朝、目玉焼きを焼く。  落ちた卵が一瞬で広がり、瞬く間にフライパンの上を覆い尽くした。  フライパンは熱せられ、夏の暑さも重なり、視界が歪む。クラクラとした熱が怪物のように襲いかかる。  熱すぎた温度は、目玉焼きを焦がしてしまった。  熱すぎた。一瞬だった。  すべて真っ黒になってしまった。  8時15分。外からサイレンの音が鳴り、目を閉じる。  この時間に目玉焼きを食べていた人もいたはずだ。そんなとき、一瞬で全てが消えたとしたら。  まるで非現実の世界のようだ。  

『月よりの使者』

「オイ、今月モヤッテ来タゾ」 「いやぁぁぁ!!」 「オラオラオラオラオラオラ!!」  ドス…

『空中庭園で、空からみる夕日』

 キーン、コーン、カーン、コーン。  放課後の合図のチャイムが鳴った。 「今日は何する?」…