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#474 「消費は新・タテ型社会」を読んで 〜日経新聞記事より〜

2月11日日経新聞朝刊5面の記事を読んで、思ったことを、メモ。

1、どんな記事?

日経新聞の編集委員である中村直文さんが書かれた「消費は新・タテ型社会」という記事で、最近ヒットした映画(「THE  FIRST SLAM  DUNK」(スラムダンク)、「シン・ウルトラマン」、「トップガン マーヴェリック」)や音楽(あいみょん、back number)などの購買層の年齢が、10代〜50代と非常に幅広い年齢層に渡っている点を紹介しつつ、メガヒットに繋がるコンテンツやアーティストは購買層の年齢がタテに伸びている、という内容です。

さらに、この背景として、博報堂生活総合研究所の調査から、世代間の価値観や消費志向の差が消え始めていることと、日本の人口動態から、日本人の平均年齢が50歳近く、成人人口では40代以上が7割(!)を超えていること、の2つを挙げています。

こうした「タテ型のマーケティング」に適応でいている企業は業績が安定しているとし、例としてユニクロやマクドナルドが紹介されています。

2、年齢別マーケティングの崩壊!?

日本が少子高齢化が進んでいることは認識していましたが、企業活動、特にマーケティングにおいてすでに大きな影響が出ていることを改めて認識させられる記事でした。

改めて、20代から60代までの人口と構成は以下の通りです。

☑️ 20代 約1,260万人(約10.3%)
☑️ 30代 約1,390万人(約11.3%)
☑️ 40代 約1,790万人(約14.6%)
☑️ 50代 約1,707万人(約14.0%)
☑️ 60代 約1,526万人(約12.5%)

よく年齢別のマーケティングが言われますが、日本においてはどんどん人口が減っています。その結果、「若者」が減っています。その減った層に向けてアクションを起こしていくことが本当に良いことなのか?ということです。

新聞記事からの転載で恐縮ですが以下が現状と将来に対する問題をわかりやすく示しています。

2月11日付日経新聞5面より

記事中ではこのように「世代レス」という表現ではありますが、要は、20代向けなどといった絞ったマーケティングでは企業はやっていけなくなる時代がすでにきている、ということかと。


3、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

購買層の若返りを課題として掲げる企業も多くあります。最近ではトヨタのクラウンの大胆なモデルチェンジが話題になりましたが、これも若返りを企図したものとされています。

今回の記事はちょっと切り口は違いますが、メガヒット=量を売ろうとしたら「タテ型」でなければ、という内容です。

つまり、若返り、ということではなく、全世代化、ということです。

それを可能にしたのが、世代間の意識の相違がなくなってきたこと、ということです。

でも、本当でしょうか?

単に日本という市場自体が投資に値しないぐらい小さくなりつつある、収入も全く増えず、価格も上げることができないので、なおのこと魅力がなくなっている。そんな市場向けにさらに年齢などでセグメントを分けたマーケティングなんていうことはやってられない、ということなのではないでしょうか?

実際、クラウンも日本専用をやめて全世界に投入することになっています。

悲しい見方となってしまいましたが、日本にいるから日本市場だけ相手にしていると、気がついたら茹でガエル状態になってしまっている、という時代が目の前にきている、ということでしょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。
新聞記事のご紹介でしたがどこか参考になるところがあれば嬉しいです。

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