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「選択と集中をした瞬間リスクが生まれる」〜コロナ後のビジネスモデルに必要なこと〜

今日の日経新聞にミネベアミツミ貝沼会長兼社長のインタビューでの言葉が印象に残ったのでメモ。


1、どんな記事?

本日の日経新聞13面「回復を探るコロナ禍と財務」という記事で、ミネベアミツミが取り上げられている記事。

概要は、
☑️ ベアリングを主力とする同社は自動車や飛行機の生産低迷により影響を受ける
☑️ ゲーム向け、ワイヤレスホン向けのセンサーなどは伸びている
☑️ 選択・集中をせず、09年の就任以来M&Aを継続しており、その成果も高い
☑️ その効果もあり、2021年3月期は増益の可能性もある
というものです。


2、「選択と集中」はリスク?

特に印象的だったのが、同氏の

「選択と集中をした瞬間リスクが生まれる」

という言葉です。

これは、今、ではなく、09年の就任当初からの言葉だそうです。

確かに、今回の感染症において、それまで強みとされていた、選択と集中が弱みに転じてしまった企業も多くあります。

選択と集中は投資家が強く要請してきたことも背景にはあります。

実際、貝沼社長も、別のインタビューで、

「市場では「選択と集中」がずっと叫ばれていて、私も社長になってからの11年間で何度も「なぜベアリングだけやらないのか」「いつまでモーターをやっているのか」などの批判を受けてきた。」

と語っています。

そんな中で、確信を持って選択と集中をしない、どころか、リスク、と捉え、積極的にM&Aで多角化を進めてきたというのは信念にも近い確信がないとできないことだと思います。


3、これからのビジネスの一つの方向性

今回のコロナ禍を受けて、ビジネスも変わらざるを得ないことは明らかです。

どう変わるのか?

こう言っては元も子もないのでしょうが、「なにが起こるか分からないことが分かった」という状況に対してどう変わるのか、という問いです。

貝沼社長の以下の言葉が参考になるように思います。

「何がよくなる、悪くなるかは予想がつかない。自然体で構えて何があってもそれに対応していく。全体が悪くなることはあるが、どこかが大きく下がっても、どこかが上がる構成になっているので、大きなサプライズはない。」

この言葉を言うために、これまで多角化を進めて来たのでしょう。

どんなことが起こっても「大きなサプライズがない」経営。

それこそが今後のビジネスの方向性の一つであることは間違い無いでしょう。

ただ、言うは易し、行うは難し、ですね。


4、まとめ

マクドナルドがコロナ禍でも落ち込みがなかったというのは、店内、ドライブスルー、宅配、といった複数のチャネルを持っていたこととされています。

同じように、ある事象が起こったときに、代替となるチャネルがあったり、商品があったりすることが大事になるでしょう。

単に全く性質の違う事業を持つ、と言うことではなく、

☑️ 相関性の低い違うマーケットを複数相手にして事業を展開
☑️ 保有しているリソースは相互に柔軟に切り替えることができる

そんな姿が一つの理想像なのでしょう。

そうなれば、一つのマーケットが急激に落ち込んでも、工場や従業員といったリソースを他の落ち込んでいないマーケット向けに振り向けることで、影響を最小限に抑えることが可能となります。

じゃぁ、どんな、と言う肝心な問いに、私自身答えを持ち合わせていませんが、考え続けないといけない、「良い質問」として問い続けたいと思います。



最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでもお役に立つようなことがあれば嬉しいです。

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