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10月8日 コンビニATM普及はしたけれど…

「ビジネス頭の体操」。普段の仕事を離れた「頭の体操」ネタに。
さらに問いや興味を広げたり、抽象度を上げて他への応用を考えてみたり…
さまざまな「頭の体操」に活用ください!
頭の体操のための質問例はこちら。

→コンビニATM。今ではあたりまえにあるが、初めて設置されたのが1999年と20年ほど前。セブン銀行がATMの手数料だけで収益が上がるのか?と不安視されてスタートしたところ、急成長したが、多くのコンビニATMの運営をしているのは、60近くの銀行が株主になっているイーネットというATM運営会社だ。現在は安定的な収益を上げているようだが、キャッシュレス化が進む中では今後どうなるだろうか?


1999年(平成11年)のこの日、イーネットが日本で初めてコンビニエンスストアに銀行共同ATMを設置した「コンビニATMの日」です。

イーネットHP


あれ?セブンは?とお思いかもしれませんが、セブン銀行のATMが設置されたのは2001年(平成13年)の5月15日です。

このイーネットという会社、ご存知でしたでしょうか?
このロゴはコンビニATMで目にしているのではないでしょうか?

今や提携銀行は100を超え、設置ATM台数も1万2千台を超えています。
特徴的なのは株主で、システム会社はIBMだけで、60近い銀行が株主に名を連ねていることです。銀行が個別にコンビニにATMを置くのは不効率&現実的ではないためにできた会社と言えます。

直近の売上は約241億円、純利益は約5億円です。

キャッシュレス決済の普及とコスト高で銀行側ではATMの提携先を増やすことで利便性は落とさずに削減を始めていますし、セブン以外のコンビニもイーネットに流れていた収益を取り込もうと銀行を設立して独自のATMを設置する動きも出てきており、イーネットも今後が注目されます。

一方で、セブン銀行は一部の証券会社や銀行で店頭での現金取り扱いをなくし、店内のATMで入出金を行うこととし、そのATMの運営をセブン銀行に委託するという動きもあり、新たな収益機会になるかもしれません。

…と、ここまでが昨年の投稿なのですが、「セブン以外のコンビニ」=ローソン銀行が設立されました。つまり、イーネットのATMを置いているコンビニからローソンが消えたわけです。

ここで、コンビニ系銀行の経営を見てみましょう。

まずセブン銀行
ATMの設置台数は2.6万台。すでにイーネットのになっています。そして利用回数は年間9億回(!?)を超えています。

セブン銀行 2022年3月期決算説明資料

「銀行」ですから、口座を作ってお金を預けることができますが、すでに250万口座、5,500億円の預金を獲得しています。

セブン銀行 2022年3月期決算説明資料

経常収益は1,366億円、純利益は208億円と、イーネットとは全く規模が異なります。

セブン銀行 2022年3月期決算説明資料


続いて新規参入のローソン銀行。
ATMの設置台数は1.3万台とイーネットと同じ規模になっています。
利用回数は年間2.4億回とATM台数で倍の差があるセブン銀行と比べるとかなり少ないことが分かります。

ローソン銀行 2022年ディスクロージャー誌

口座数は8.4万口座、預金量は1,253億円となっています。

ローソン銀行 2022年ディスクロージャー誌

経常収益は338億円、純利益が17億円、とこちらもセブン銀行と比べるとまだまだ、といったところです。

ローソン銀行 2022年ディスクロージャー誌


キャッシュレスという流れの中でATMを中心としたコンビニ系銀行の今後に注目です。


最後までお読みいただきありがとうございました。
過去分は以下のマガジンにまとめてあります。

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