見出し画像

第2話、私はくつる、夫を見つける。


夫は幻影のような人だった、そしてすごく美味しいオムライスを作る人だった

寝ても覚めてもオムライスが食べたかった、、、

なぜあのオムライスはあんなに美味しいのだ?
そのことで頭が占領された

仕事の合間にあのオムライスのことが浮かんだ
ほどけるケチャップライスの間から、香ばしい鶏肉が転がり出た
バランスの良い玉ねぎのサイズもうまさを引き立てた、、、

なぜこんなにも美味しいオムライスが作れるのだ、、あの人は、、、

夫のことがだんだん気になった

そもそもなぜあんなに無表情なのか?
なぜ存在感というものがないのか?
声は出るのか?
笑うのか?
なぜ返事をしないのか?
耳が遠いのか?

まあ、夫のことより、オムライスだった、、、

ランチ時間も終わりごろにオフィスを出ると、オムライスオムライスと競歩になった

ランチ時間を過ぎていたから、店は空いていた
だが
そこで不思議な光景を目にすることとなる、、

いつも夫が座って本を読んでいるカウンターを女子大生が陣取っていた、、

泣いているのか?眠っているのか?
夫のそばを離れない

とはいえ、当時は、私の夫ではない、誰かの夫だった私の夫、、
その時は、夫が誰かの夫だとは知らなかったし、興味もなかった
私が興味があったのはオムライスだった

夫のオムライスにやられたのか?
彼女は夫に仕切りにコソコソと話をしていることにずいぶん後に気がついた

食べるのに集中していたためだ
全く気が付かなかった
気が付かせてくれたのは、50代過ぎのマダムの来店による女たちの戦いの現場を目撃させてもらったからだ

マダムは欲情していた
本当か?!
笑ってしまう
本当なのか?!
我が目を疑う、、、

そして30代後半の人妻がやってきた
毎日やってくる常連なのだそうだ
その人が私がオムライスを夢中で食べていると話しかけてきた
私も毎日通ってるのよ、と。

私は毎日は通っていませんがここのオムライス最高ですね!
と能天気な返事をしていた

マダムVS女子大生VS人妻

の修羅場に
本妻が登場するのも、そう時間がかからなかった、、、

本妻がやってきた日、ちょうど私にオムライスを勧めた友もやってきて
一緒にオムライスを頬張った
友が「⭕️さんの奥さんだよ 綺麗な人だよね」
というまでは、、、、、

そして、私の夫争奪戦現場をその後も目にすることとなる、、、、

そして
私も巻き込まれていくのも時間の問題だった、、、、


つづく。。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?