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耳が聞こえます。助けてください。④

連載「耳が聞こえます。助けてください。」④ byりこ
(この小説は今現在、くつばこのメンバーに起きている事実をもとにしています。)

数時間後、witterにその子から返信が来た。
▷こんにちは!連絡ありがとうございます。さやかです。
▷英語一緒です!よろしくね~。LIMEのグループあるけど、入りますか??

私はそのメッセージを見て、ちょっと嬉しい気持ちになった。
▷入ります!友達いなくて…苦笑

その子から送ってもらったQRコードでLIMEを追加して、クラスのグループに入った。

▷こんにちは。佐々木美香です。よろしくお願いします。

私は迷った。「耳が聞こえます」と書くかどうかだ。「耳が聞こえます」と書くか。それもとも「耳が少し聞こえます」と書くか。書かないか。それとも「手話ができません」と書くか。
散々迷ったうえ、私は「耳が聞こえます」と書くことにした。本当は少し手話が話せるが、「耳が聞こえます」と書けば、手話が全くできないと思って、ハードルが下がると思ったからだ。

▷こんにちは。佐々木美香です。よろしくお願いします。私は耳が聞こえます。なので、授業中手話がわからず困ることがあります。助けてもらえたら、うれしいです。

送信した。

5分後。既読15。返事が返って来ない。みんな困っているのだろうか。みんな、びっくりしているのだろうか。確かクラスに障害者がいるなんて、想像もしてなかったんだろうな。私が知らないところで、誰かと誰かと話しているのが勝手にイメージされる。
「ねえ、私たちのクラス、障害者がいるよ」
「ね、耳が聞こえるんだってね。どうしよう」
「授業どうやって受けるんだろうね」
「ひとりのために対応しなきゃいけない先生も、大変だね」

さらに5分後、既読20。クラスは23人なのでほとんどの人が読んでいる。なのに、誰も反応してくれない。そんな時、他の子がグループに入ってきた。

▷竹本琢磨です!こんにちは!これからよろしく!

すると。
▷よろしく!!
▷隣の高校じゃん

返信が、来ている!!私の時はなかったのに…
その後も、おそらく指文字のスタンプ(指文字は手話で50音を表すもの)で何やら送られている。読めない。


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