セミナー告知/抜粋紹介)資金調達したい起業家・スタートアップの方へ~投資家を一発でひきつける目論見書の作り方

こんにちは。 TechnoProucer株式会社 CEO 楠浦(くすうら)です。

10月22日に

「投資家を一発でひきつける目論見書の作り方」

と題したセミナーを開催します。

本日は、そのセミナー告知を兼ねて、

「特に、億単位の資金調達をスムースに行うために、どのような準備が必要か」

について、楠浦自身の資金調達経験、および、支援経験を交え、お話をします。

まずは、自己紹介からになります。

楠浦の資金調達経験~5億を2回、そのうち1回はCTO/事業責任者として先頭に立って資金調達準備を担当

詳しくは、経歴をご覧いただきたいですが、前職のナノテクスタートアップ「SCIVAX」では、設立から技術開発を一貫して担当し、特に3回目の資金調達(5億円)では、取締役 CTO/事業責任者として、先頭に立って資金調達を担当しました。

2005年当時は、スタートアップ業界もさほど体制が整っておらず、CFOがすべてを担当するという感じではありませんでした。前職でも、資金調達に関しては、CFOはVCとのアポ取りや契約など、事務的なことをテキパキこなす方で、事業計画策定やプレゼンなどは、すべて楠浦が担当しました。

ディープテック系スタートアップがシリーズBの資金調達をする際、投資プレゼンで重要なのは

「技術開発の状況」(順調か?&資金需要)
「顧客・商談進捗情報」(マネタイズの状況)
「知財」(深く広い堀と、エコシステムコントロール体制があるか)

になりますが、全部説明できるのは私だけだった、ということもあります。CTOで事業責任者だったので、当然ですね。特許になる発明もすべて私の発明でしたから、3つまとめて一人が説明するのが、合理的だったということです。

私の経験・経歴と当時の状況を、当日のスライドから抜粋紹介しておきます。

シードで5000万円を調達、シリーズAで5億円を調達してPOC(Proof of Concept)を行い、直近の大きな事業機会と、将来的にスケールする可能性が高い事業機会の2つを軸にIPOまでの数字を固め、シリーズB(5億円)へ 

事業機会探索、数字固め、知財戦略立案と知財開発は、大手メーカーで新規事業開発経験があり、知財に明るい「CIPO」(知財責任者)と二人三脚で実施
(ただ、こういう「スーパーマン」がシリーズBの前に会社にいる例は珍しい) 

✔ 通常は、CEO/CTOにとって適切な壁打ちの相手がおらず、検討が進まない例がほとんど
(楠浦は当時、事業責任者 兼 CTOとして、中心に立ってシリーズBの資金調達を推進)

当初目論見通り行っているスタートアップは、良くも悪くも資金調達には苦労しないと思いますので、お悩みはないでしょうが、そういう例は珍しいと思います。予定通りいかないのがスタートアップ、特に、「DeepTech」系はそうです。

私の場合も、御多分にもれず、、、でした。ただ、ピボットを繰り返し、技術の価値を最大化できる市場を見つけ出し、その証拠を投資家に上手く示して、資金調達にこぎつけました。概要を、当日のスライドから抜粋紹介しておきます。

✔ 会社立ち上げ当初想定していた市場は空振り
(市場は巨大だったが、要素技術がそろっておらず、当面は実現不可能と判断した。実際、当該市場はまだ立ち上がっておらず、賢明な撤退・ピボット方針だった) 

✔ その後、展示会などでのヒアリングから仮説を立て、挑戦した市場も空振り
(こちらも、見かけの市場は巨大だったが、実際には業界が細分化されており、個別対応が多く収益性が低い)

✔ そこから再度、独自手法での技術マーケティング(特許情報分析)、試作と顧客ヒアリングにてPOC、および、事業計画と数字の作り込みまでを実施
(ピボットして、コア技術が活かせる市場を再探索)

5年以内を目途に「技術の価値が最大化できるシナリオ」を構築し投資家に提案、シリーズBとして楠浦がロードショーのメインを担当し、5億を調達

特許情報分析を活用して新市場を発掘したお話は、(知財)業界では古典として、皆様に親しんでいただいております。余談になりますが、その経験で得た知見を、以下にまとめておきます。

✔ ビジネスモデル上の思い込みにとらわれない
(toBからtoCへ、技術提供から自社での用途開発へ、など) 

✔ 漠然とした市場規模感に惑わされない
(時間軸も重要) 

✔ 「見えている顧客」の声にとらわれ過ぎない
(「顧客」の声は大事だが、買ってもらって初めて顧客、注文書もらうまでは「顧客候補」であることを忘れない) 

✔ 「他では解決できない課題」にアプローチする
(粘り強く市場を探す、「差別化」とは市場探しであり、市場を決めた時点で差別化要素は決まることを忘れない) 

✔ サイエンスの強みを生かす
(DeepTech系企業の飛躍のもとは、サイエンスにある)
(前職のSCIVAXは、サイエンスの価値を最大化する、をミッションにしていた)

特許情報は、資金調達に最も活用できた、というのが私の感想です。なんとなく、マーケット「ぽい」ものを見つける程度のことは、頑張ったら誰でもできるのですが、それを「証拠」まで落とし込んで、5億の資金を投資家の方に出していただくのは、それなりに大変です。

「技術の価値」を最大化する市場を、効率よく見つけたうえで、「証拠」を徹底的に準備する、私の場合はここが大事でした。

スタートアップ経営者・起業家の方からよくお伺いするお悩み

楠浦がよくご相談を受けるのは、以下のようなお悩みをお持ちの方です。

●お悩みの例(1)
楠浦も当初、同じような罠にはまっておりました(笑

✔ 投資家から「技術がよくわからない」「強みがわからない」「スケールしそうにない」などと言われ、資金調達が上手くいかない にもかかわらず、日々、研究開発でどんどんお金が出ていく

研究開発のマネジメントが忙しく、投資家にたいして、自社の「技術と事業の価値」を、うまく伝えられない

✔ 上記が悪循環になって、研究開発と事業が加速できない

●お悩みの例(2)
楠浦がスタートアップした当時は、COOを置くという慣習はなかったのですが、直近では、以下のようなご相談が多いように思います

✔ 技術系の人材の採用が優先で、事業開発に明るい人材、特に「COO」の採用が後手になっている

✔ したがって、今後の「スケールするシナリオ」についての情報収集、戦略作りや数字への落とし込みまで、手が回らない 

✔ CEOが自ら行いたくても、社内に「よい相談相手」、いわゆる「壁打ち」の相手が居らず、なかなか作業が進まない

実際、複数のスタートアップ経営者の方や起業家より、既に上記の相談を受け、ライトなミーティングから、プロジェクト形式でのビジネスシナリオ作りまで、多様なメニューで支援対応している実績があります。

支援メニューを拡充し、支援体制を盤石にするため、「IPレバレッジ」というサービスを立ち上げております。そろそろ1年になります。

IPTechの湯浅さんは、弊社OBであり、ドワンゴの知財部立ち上げを経験されるなど、素晴らしい経歴をお持ちです。テックコンシリエの鈴木さんは、デロイトで、いわゆる「知財と標準化」を駆使したビジネスシナリオ作りを支援されており、これからのスタートアップが目指したい「プラットフォーマー」の戦略を熟知されています。

よくあるケースと、楠浦からの助言・支援の例

詳しくは、セミナー当日にお話ししますが、出し惜しみする気はないので、おおよそのことを書いておきます。なぜ出し惜しみしないかというと

「わかっているけど、できないこと」

ばかりだからです(笑

私も、前職でこれが普通にできるようになるまでに数ヶ月を要しましたし、現職で支援していても、皆さんなかなか、すぐにできるようにはなりません。できるようになれば、当たり前になることですが、最初のハードルを越えるのに、多くの人は何らかの支援を必要とされるようです。

ポイントは

「技術の素晴らしさ+漠然としたトレンドのアピールで押して、行き詰る」

という例が、非常に多い、ということです。私も当初そうだったので、耳が痛い話です(笑

おかげで、乗り越え方はわかりました。今は、スタートアップ経営者の方と同じ目線で、同じ精神的苦痛を味わいながら(笑)、支援しています。

✔ 投資家には、「技術の素晴らしら+漠然としたトレンド」では、「全く」伝わらない

✔ 素晴らしい技術ほど、多くの場合、「難しい」「新しすぎる」ので伝わらない
(自分たちだけが、「バイアス」を破っている) 

✔ 「聞く気がない」のではという意見が出るが、それは違う、「価値」が伝わってないから聞かない
(価値がありそうなら、詳しく聞きたがるし知りたがる、また、そういう投資家を募って協力してもらうべし )

✔ 「伝わる」相手は、当初想定していた相手と違うことも多いので、妥協せず伝えて、正しい投資家をみつけるべし
(正しい相手を見つける「勇気」を持つ、など)

✔  きちんと「価値」を伝えるべく、足元から10-20年後までのシナリオ、数字、を作り込む必要がある

特に、シリーズB以降、ある程度まとまった資金が必要になるディープテック系スタートアップは、いろいろ注意が必要です。以下、当日の資料抜粋です。このへんは、経験者や、まさに苦戦中の方なら「あるある」でご理解いただけるでしょう。

「シード」や「シリーズA」は、「勢い」「熱意」「技術の斬新さ」で乗り切れたりする
(POC段階、マーケット探し段階だから)

 ✔ 「シリーズB」以降は、足元の確実さと、今後のスケーラビリティーの両方が求められる
(両方を満たせるシナリオが書けていますか?)

✔ 特に「DeepTech」の場合、POCに「かなりのお金」がかかる、ここで息切れしてしまい、手が回らない
(考えなきゃいけないけど・・・時間が・・・人が・・・)

✔ 楠浦が自身のスタートアップで実施したのも「シリーズB」で、まさに同じ状況だった、気持ちはわかる・・・
技術ではなく、「事業」の話に頭を切り替える必要あり、これは、技術系出身のCEOであれば、大変苦労するところ)

上記の最後の項目、「技術系のCEO/経営者が資金調達で苦戦する」は、ディープテック系に特に多いパターンです。私も大変苦しみ、おかげで、乗り越え方もわかりました

「シリーズB」前の資金調達準備段階で、よく相談があるStart-upの状況については、以下の記事でも書いています。

① トレンドには乗っているが、足元の数字が不明確で、 競争優位も不明確
   (最初の「勝てる場所」が見つかってない)
 (最初が勝てないと、その先はない) 

② 「最初はここです」は見えており顧客もいるが、 大きくスケールするシナリオがない
  (スケールしなければ、事業価値は大きくならない)

上記2つのいずれかに、ハマっている例が多いように感じます。

「IPレバレッジ」®が、スタートアップや起業家の方のお役に立つ理由

いくつもありますが、これはさすがにネタバレはなはだしいので、私だけの話に限っておきます。

現状、ひとことで言うと、

技術分野・事業分野を問わず、12年間発明を生み出し続け、現在も、最先端動向を熟知している

ことが、多くの支援先には非常に大きなメリットになっているようです。

というのも、スタートアップが、大きなイノベーションを起こそうとすればするほど、

「業界・技術分野の垣根を超えた発想(ビジネスモデルを含む)・発明・技術」

が必要になります。

また、ディープテック系の方は10年先を見据えた取り組みになっているところも多いです、私の「先読み」「預言」の独自の手法も、お役に立つようです。

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個人~機関投資家の方やCVCの方とも、常に意見交換・情報交換を行っており、上場やイグジット(EXIT)を意識したシナリオ作りに必要な情報が素早く提供できます。

後はセミナーにて。

お申し込みいただいた方には、セミナー資料も回覧いたしますので、この機会を逃されないよう、お願いいたします。


楠浦 拝


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