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【ゲリラ豪雨・台風・線状降水帯による大雨など】冠水した道路はトラップだらけで大変危険!なのになぜ冠水した道路の歩行者映像をテレビで流すんかな?

昔なら浸水による被害が発生するほどの大雨ってのは台風の専売特許みたいなところがあったわけです。しかしながら最近は気候変動の影響からかゲリラ豪雨や線状降水帯による大雨など、予想外の激しい雨に見舞われることが非常に多いわけです。

ところで……

高知県においては1998年9月24日~25日にかけて『平成10年9月豪雨』『98高知豪雨』と呼称される、未曽有のゲリラ豪雨に襲われたことがありました。

このときは降り始めこそゲリラ的な豪雨ではあったのですが、その後も2日間にも渡って大雨が降り続け、その『2日間の中での最大雨量の記録』は、1時間で130mm、4時間で362mm、24時間で860mmといったもので、元々豪雨には慣れていた高知県民にとっても、まさに未曽有のゲリラ豪雨だったわけです。

ちょうど私、このゲリラ豪雨の降り始めの時に、会社で事務作業をしていたのですが、雨が降り始めてものの15分ほどで会社のすぐ前にある水路が氾濫し、それこそアッと言う間に道路や社内が膝上くらいまで浸水したのです。

高知県って昔から大雨が降りやすい地域ってことで、他県と比較しても水害には強いと思われるわけです。

にもかかわらず一瞬で水路が氾濫したのには大変驚かされたわけです。

よく『バケツをひっくり返したような大雨』みたいな表現をしますが、その時の豪雨に何らかの表現方法を当てはめるならば『滝の中にいるような猛烈な豪雨』みたいな感じですかね。

普通に水中に居るのに近いような密度の、猛烈な豪雨といった表現じゃ足りないような激しい大雨だったのです。

『98高知豪雨』の被害は甚大で死者も多く発生し、非常に多くの家屋が床上浸水、床下浸水の被害にあい、様々な産業や企業における経済的損失も計り知れなかったわけです。企業における経済的損失の一例をあげると、中古車販売店においては商品である中古車が水没で全滅した店舗が数多く発生し、それが原因で廃業した中古車店もかなりあったわけです。廃業に至らなくても経営危機に陥った中古車店ってのは非常に多かったわけなのです。

ところで……

大雨が降ると冠水した道路を歩いている人の映像が、必ずテレビで流れているじゃないですか?

テレビ局としては『すごい大雨だった』って絵面が欲しいんでしょうが、アレってどうなんですかね?

ああいった映像は視聴者に対して「冠水した道路を歩くのは普通の行為」ってな風に誤解させかねないと思うわけです。

『不要不急の外出を控えましょう』と言いながら、冠水した道路の歩行者映像を流すってのは「ちょっと有り得んな」って思うんですよね。

大雨の際の死亡フラグの一つとされるモノに「ちょっと田んぼの様子をみてくる」ってのがあるじゃないですか?

冠水した道路の歩行者映像ってのは、台風の最中に田んぼを見回っている人の映像を流すようなモンだと思うわけなんですよね。

なぜならば、、、

冠水した道路ってのはトラップだらけで歩行者にとっては大きな危険地帯となっているためです。

前述の『98高知豪雨』に発生した人的被害で非常に強く印象に残っているものがあります。

それは2人の方がマンホールに吸い込まれて亡くなったというものです。

ちなみにその事故の状況というのは
『冠水した道路を歩いている際に、フタの外れたマンホールの中へと吸い込まれてしまった』
というものです。

なお亡くなったのは2人とも、かなり若い人だったんですが、一緒のマンホールで無くなったわけではなく、それぞれが全く違うマンホールで同様の事故に遭遇してしまったってことなのです。

マンホールというのはゲリラ豪雨など短時間での集中豪雨に見舞われると、急激に下水道に流れ込む大量の水により、下水道内の空気が強い圧力により外へと押し出される力が働くために、マンホールのフタが吹っ飛んでしまったわけです。

冠水した道路を覆いつくす水ってのは泥水ってこともあり、そのようにしてマンホールのフタが外れていたとしても気づけないわけです。

そして、歩行者がマンホール上へと達した瞬間にマンホールの中へと吸い込まれてしまったってことなんですよね。

実際あなたも想像してみてください。

あなたが冠水した道路を歩いていてフタが外れたマンホールに吸い込まれ、いきなり真っ暗な水中に居るということの絶望感というものを……

これがマンホールではなく『大雨で増水した川に流された』というのならば、泳げる方は『泳げば助かるかも』、泳ぎが不得意な方でも『流れに乗って岸にたどりつくかも』、あるいは『通りすがりの人が助けてくれるかも、助けを呼んでくれるかも』、そういう風に絶望の中にあっても少しくらいの希望は持てるわけです。

しかし『マンホールに吸い込まれた』という状況ではどうでしょう。

いわゆる無理ゲー、密閉された空間のため逃げ場自体がないわけですので、助かる可能性はゼロです。

かすかな希望すら見いだすことが出来ず、ホント絶望感だけです。

実際の話、そのゲリラ豪雨の後、高知県内各地で非常に多くのマンホールのフタが吹っ飛んだ状態となっているのが発見されたわけです。

この不幸なマンホール事故を教訓・きっかけとして、ゲリラ豪雨のような短時間での大雨でもフタが吹っ飛びにくい構造になったマンホールの設置が全国へと広がっていったわけなんですがね。あれからかなりの年月が経ったんで流石に今はもう日本全国津津浦浦、全てのマンホールのフタが吹っ飛びにくいタイプに切り替わったものと信じたいところです。

もっともマンホール以外にも水路や側溝、道路の陥没ほか冠水時の危険個所はたくさんあります。

道路が冠水した際に、道路が陥没する可能性ってのは結構高いんですよね。

マンホールのフタと同様の原理ですが、ゲリラ豪雨で急激に地下に水が流れ込み、道路に亀裂が入りそこから空気に押し出された水が大量に噴き出すわけです。

結果として、その水が噴き出した部分が陥没してしまったりするわけですね。

実際の話、大雨による道路陥没ってのは頻繁に聞くわけです。

道路が陥没しているって状況ってのは、道路に大穴があいている状態ということで、前述のマンホールのフタが吹っ飛んだ状態と危険性においては大差ありません。

冠水で路面状況が分からない状態で陥没道路などに遭遇すれば人どころか車ですら飲み込まれる恐れがあるので大変危険だと言えます。

もっとも冠水時でも止むに止まれぬ理由で「どうしても冠水した道路を歩く必要がある」って場合もあるかもしれません。

そういった時は、山登りに使うような杖(トレッキングポール)、そういうのが無ければ傘とか箒とかデッキブラシとか、何らかの棒状の物で地面の状況を確認しながら最大限の危機意識を持って行動する必要があると考えます。

そのような理由で、冠水した道路を歩くってのは非常に危険な行為だと言わざるを得ないわけで、それを普通にテレビで流すのは良くないと思うってことなんですよね。

子供の頃に「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪」なんて口ずさみながら水溜まりの中を歩いた経験がある人って多いんじゃないでしょうか?つまり水溜まりをジャブジャブ歩く行為ってのは楽しかったわけです。冠水した道路を普通に歩いている人の映像をテレビでみることにより、子供の頃に水溜まりの中を歩いた楽しい記憶が蘇り、「冠水した道路を歩くのって楽しそう」ってな風に感じ、「冠水した道路を歩いてみたい」って理由で外出する人が出て来るんは容易に想像がつくわけです。

大雨の時にテレビで伝えるべきは冠水した道路を歩く人ではなく、
「冠水時に道路を歩くのは危険ですので止めましょう。止むに止まれぬ理由がある場合は必ず棒状の物で足元を確認しながら移動しましょう」
ってな感じのことなんじゃないでしょうかね?

また来てね。

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