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現代俳句 作品集 18 〜風鈴〜


「 風鈴 」
~現代俳句〜

この町よ打ち水のそらひろびろと


今という時代をさわぐ葉ざくらか


せみしぐれ「こころ」一冊机の上


ふうりんよ時代じだいの風のおと


江戸川をさかのぼる船すずしさよ


窓あけて風のとりこよころもがえ


この国の平和いつまでなつのうみ


なつのうみひとのかずだけ輝くか


さざなみのいくせんまんよ浜日傘


夏蜜柑剥くこんしんのちからこぶ

手に手によ苗束ゆれる田植えどき


日に映えて白よりしろい紫陽花か


あめんぼよながれる雲よ水のうえ


平和さよつばひろ帽子サングラス


平成をなつかしみつつせみしぐれ


すぎた日が呼んでいるかに風鈴よ


むっくりと起きあがるため大昼寝


踏み入ればざわめきやまず青葉山


ひろびろと村あらわれよ草刈り機


星空のまっただなかのベランダよ

蓮どれもいっぽん咲きよ今朝の空


麦わら帽子少年たちはあたらしく


志摩人は海そのものよむぎわら帽


かきつばた淵のいろして池のうえ


吹きわたれ島ざわめかすみなみ風


泡という平和あふれてビール飲む


ひがしへと燃えかかっては大夕焼


父つねにうしろすがたよ梅雨の月


ほしぞらと一つになって風鈴きく


安心よ星のあかりとキャンプの火


5月27日〜6月10日


いつも
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