現代語俳句への旅 7
「ひるがえれ」
~現代語俳句集~
ゆかた着てこころ遠くにある人よ
すれちがう衣更えの香するひとと
ちんもくも言葉のひとつほたる籠
あかん坊はまるごといのち天花粉
選挙あとかみなり雨か梅雨明けか
かお上げてながい沈黙梅雨明ける
わらう子が世のまんなかにかき氷
おんならが平和にする世日傘ゆく
にっぽんがこころにひびく風鈴よ
◇
おおぞらの果てのはてより蝉時雨
気高さのメロンが一つあおあおと
昼休み金魚とともにゆらりゆらり
揺れながら出てゆくひとよ金魚店
遠くまでにぎやかとおくまで夜店
ひきがえるどっしり命そのものか
ひとりだけてんてこ舞いよ阿波踊
よさこいの踊子としてひるがえれ
よろこびもすべて花火のあとの空
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